ここ数カ月で日本ではまだ売られていない仮想通貨が大きく、時価総額を上げてきています。例えば時価総額ランキングでは6位のライトコインを上回り、現在5位のCardano ADAコイン。9位で中国版イーサリアムといわれている、NEO。そして10位のEOSがあります。
EOSという仮想通貨を簡単に説明しておくとEOSという仮想通貨はホワイトペーパー(仮想通貨発行前に仮想通貨を知ってもらうための公開文章)によると利用価値がないだけではなく、48時間以内に移転不可能になってしまう仮想通貨です。
EOSとは
EOSの総発行枚数は10億EOSです。2017年ICO(initial Coin Offering)で総発行枚数は10億EOSのうち2億EOSを最初の5日で配布し、7億EOSを24時間ごとに200万トークンずつ350万枚配布をされました。
残りの1億EOSを運営が保有しています。前述したようにEOSは利用価値がなく、48時間以内に移転不可となってしまう、変わった仮想通貨です。
それにも関わらずEOSはICO終了時には300%以上も価格をあげました。色々な要因があるようですが、ICOがブームということ、開発者に経験豊富なメンバーが集まっていること、将来何かに使われるのではないか、という期待感から価格が大幅に上昇したようです。それにEOSはウェブボットが予測したことも要因の一つのようです。
ウェブボットとは、元マイクロソフトのクリフ・ハイ氏が開発した、仮想通貨の値動きを予測するための、情報収集プログラムです。
ウェブボットによると、2018年の春から上昇すると予測しました。その理由は現在のところ利用価値がないとされている、EOS、既存の産業で通貨として使われるとのことです。
鵜呑みにするのは危険な気がしますが、少しでも気になった方は買ってみるのもいいのではないかと思います。
EOSの特徴と購入できる取引所
ウェブボットが予測したようにEOSは将来的には使用される可能性があるものの、現在のところ全く利用価値がありません。しかしEOSには魅力的な特典があります。
・分散型アプリケーションに特化したプラットフォーム
EOSは企業間で使用されることを前提として作られた仮想通貨です。ホワイトペーパーには利用価値がなく、48時間以内に移転不可になるなどかなりネガティブなことが書かれてありますが、おそらく開発陣はどの産業で使われるか、などを考えているでしょう。
・トランザクションのスピードが速い!
トランザクションとは取引スピードのことです。EOSのトランザクションスピードは1秒間に何百件ものトランザクションに対応することができるとされていれています。
・取引手数料がゼロ!
ビットコインやイーサリアムなどほぼ代表的な仮想通貨は例外なく、取引手数料がかかってしまいます。特にビットコインの手数料はトランザクションスピードの遅さと、利用者の増加で、手数料が非常に高くなってしまっています。
しかしEOSの場合は、手数料を支払う必要がないというのも、EOSを取り扱おうとしている既存の産業には大きな魅力に映っているのでしょう。
次にEOSを購入できる取引所を紹介します。
EOSは現在のところ、日本の取引所で購入することはできません。もし購入をするのならば、日本の取引所でビットコインなどを購入後に以下の取引所へ送金をするというステップをとらないといけません。
・Bitfinex 香港の大手仮想通貨取引所。
・CHBTC 中国の大手仮想通貨取引所。
・HITBTC イギリスの大手仮想通貨取引所。
・Kraken アメリカの取引所で日本語でも対応。
・Binance 香港の大手取引所。去年取引高世界一を記録。
チャートからみるEOSの価格変動
ICOが終わった翌7月19日、EOSの価格は日本円で173円でした。大きい価格変動はないものの、徐々に価格が下落していくという、ICOが終わったときに買った方にとっては真綿で首を締められているような状態が長く続きます。
9月3日までは100円をきることはなかったものの、翌日100円を下回ったことがきっかけでさらに下落続きます。
下落は10月下旬価格が59円まで下落したところでようやく止まりました。7月は173円だったので約3分の1まで下落してしまったことになります。
その後は急速に息を吹き返し1か月ほどで7月19日の価格である173円を超えていきました。12月6日に538円をつけた後、一旦496円まで下落してしまいます。
しかしその後12月19日まで上がりを続け1,300円まで到達しました。わずか一週間ほどで3倍の値上がりです。原因は前述したウェブボットによる予測でしょう。
そして年が明けて1月1日まで調節期間として865円まで下落した後、再び大きく上昇をしました。
1月13日には最高値である2,086円を記憶した後、1,221円まで下落した後は、再び2,000円まで上昇しました。しかし最高値である2,086円を超えることなく、ダブルトップ(高値を掴まされた投資家がチャンスとばかりに一斉に売り出だす)によって大きく下落してしまいました。去年の中旬からEOSは大きく上昇をはじめ、大きな押し目がないまま上昇をしてしまったので、再び調節入ったものだと考えられます。
現在は下落トレンド最中なので、今買うのは中々厳しいのではないかと推測します。(もちろん何かしら材料が出てくれば別ですが……)
仮想通貨の特徴として上がるときは一気に上がり下がるときも一気に下落するという特徴があります。多くの仮想通貨に当てはまることですが、一旦下落トレンドに入ると直近高値の約30%~40%は最低でも下落するものだと覚えておくとよいでしょう。悪い材料も重なればそれ以上に下落する可能性も大いにあります。
なので、もしEOSの購入を考えるのならば約1,200円~1,400円ほどになったら少し買っておくのがよいでしょう。春にウェブボットが予測した通りだと考えると、おそらく最高値である2086円はかなり楽に超えてくるでしょう。
EOSの将来性
前述したようにEOSはプロセスを自動化し、資産を管理するだけではなく、分散型アプリケーションを作成するために、大企業で使用されることを前提としてEOSは作られたもので、EOSトークンを販売したBlock.Oneの共同設立者であるBrock Pierce氏によると「EOSトークンは誰もが機会を均等に得る事ができ、会社のイニシアティブをとることができ、EOSはビジネスアプリケーションの基盤を目指す」とインタビューで答えています。
正直インタビュー記事だけでは、今後どのような業種で使われようとしているかと推測するのは難しいです。しかしEOSがかなり明確な目的をもって作られた仮想通貨だということがわかります。
将来的にはかなり期待のできるコインの一つ
現在世界各国でICOの規制を強めいています。理由はICOの多くが詐欺コインの可能性が非常に高いからです。正直ホワイトペーパーを見る限りでは詐欺コインだと思っても致し方ないでしょう。
しかし前述したように、Brock Pierce氏のインタビュー記事を読んでみると、詐欺コインの可能性はかなり低くなったと感じます。その結果ウェブボットの価格予測と実際の価格が連動していると思われます。
大きな価格変動は致し方ありませんが、将来的にはかなり期待のできるコインの一つかもしれません。今後どのような業界でどのような企業が使用するのか期待をしつつ、しっかりとホールドをしておくのがいいでしょう。
ただ、あくまでも、確定的ではないので過度な期待と全力買いなど無茶な買い方は控えるべきでしょう。
世界には仮想通貨の可能性を信じて家や車、財産などを全て仮想通貨につぎ込んだ方もいるようですが、投資としてかなり危険な行為には間違いないので、余裕のあるお金で買っておくと良いでしょう。