1月25日、Weiss Ratings社によるメジャー仮想通貨の格付け公開を機に、多方面から仮想通貨の格付けが公開されています。評価会社ごとに多少の差はあるものの、人気のある仮想通貨はどの評価会社においても上位ランクに入っています。2月に入ってWeiss Ratings社の評価も見直しが行われている為、改めて各仮想通貨の格付けをチェックしてみましょう。

Weiss Ratings社の最高評価「B+」

Weiss Ratings社は、次の基準で評価を決めています。
リスク指数:価格変動、市場バイアス
報酬指標:絶対的リターン指標をベンチマーク、平均移動を比較し評価
テクノロジーの高さ:コード、匿名レベル、金融政策、ガバナンス、スケーリング
基本的指標:市場への浸透度、拡張性、処理速度、開発状況、コミュニティの強さ、セキュリティなど

1月24日、初めてWeiss Ratings社により評価が行われた際は、「B」(good)という市場に流通する中で優秀な仮想通貨という評価が最大値でした。Bを獲得できた仮想通貨はイーサリアムとEOSのみであり、その他仮想通貨はB-以下という極めて厳しい評価が下されていました。Weiss Ratingsは毎月評価を改めるため、2月には1月の銘柄に対する評価が一新されています。その結果、リップル「C+」、スチーム「B+」、カルダノ(エイダコイン)「B」とそれぞれランクアップを果たしており、前回最高評価のイーサリアムはB-へとランクダウンしました。イーサリアムがランクダウンした理由は、ビットコインと同じくスケーラビリティの問題に直面していることが原因です。第三世代ブロックチェーン技術の誕生、将来的にスケーラビリティの問題を解決するための信頼できるロードマップがないことも問題視されており、これらの問題が解決できない限り、イーサリアムの評価は低迷しそうです。それぞれランクアップした仮想通貨に共通する点は、一日の取引量によるところが多く、スチームにおいては毎日150万回のチェーン取引が行われていることが評価されています。
なお、基軸通貨として有名なビットコインは、1月より継続してC+の評価のままで、変動はありません。

Crypto commitsの評価2月1日の最高ランクはエイダコイン

Cryoto commitsは、各仮想通貨がどれだけ活発に開発などが行われているかの比較表を閲覧できるサイトです。そのため、開発状況に応じて日々評価が変動しており、2月2日にはkomodo(KMD)がエイダコインの開発評価を抜きました。上位仮想通貨の評価指数はkomodoが7,068コミットに対し、エイダコインが6,482コミット(2月1日時点で6,402コミット)という近い数値となっています。Komodoは2月1日以降に開発されたICO案件のために上位ランクを取れて当然ですが、エイダコインの開発ペースは、3位の2,832コミットという評価値と比較すると、どれだけ開発力が優れているか分かります。なお、この「コミット」という単位はデータベース用語であり、開発後にデータを変更した後で、その変更を確定する命令を指しています。ですからこの評価によって、開発更新が行われたことによりどれだけデータ変更が行われたか判断することができます。ハードフォークが頻繁に行われているビットコイン、オルタナティブビットコインはさぞ開発力に優れていると思いきや、BTC1,845コミット、BTG1,295コミット、SBTC1,265コミット、B2X1,140コミット、BCH1,103コミットと、ネットワーク負担軽減策として開発よりもハードフォークにウェイトが置かれている事が分かります。しかし、開発力と仮想通貨の価値が比例しているとは限らないので、Cryoto commitsの評価は他社評価サイトと照らし合わせて判断する必要があります。

モーニングスターによる取引量ランキングNO.1はビットコイン

各評価会社の反応はモーニングスターによる取引量ランキングは、Weiss Ratings社の格付け以前より行われていました。日によって変動する取引量は格付けの参考とはなるものの、ファンダメンタル要素も含まれており評価の裏付けが無いため、その信ぴょう性はあまり高いものではありません。それでも現在の時価総額上位100仮想通貨を表してくれている点は客観的に市場を判断するために役立つので、一見の価値はあります。流通量の中で最たるものはやはりビットコインです。流動性が高いために常に1位にあり、2月4日現在の時価総額は159,679億円と高額です。注目すべきはランク5位のCardano(エイダコイン)です。プレセール時から保有しているホルダーがなかなか手放さず「ガチホ」を続けている為に、他の仮想通貨より流動性が低いにも関わらずランク5位にくいこんでいます。取引所平均価格は43.89円に対し、時価総額は11,380億円と、6位のLitecoinの時価総額9,312億円を大きく上回っているため、その価値の高さがうかがい知れます。なお、Weiss Ratings社2月の格付けで最高ランクを獲得したスチームは、元々ゲーム市場で流通している仮想通貨であることから流通に偏りがあり、ランク26位時価総額は1,088億円という中間的位置づけとなっています。

フィスコによる仮想通貨の割安、割高ランキング

金融取引の大手である株式会社フィスコ(代表、狩野 仁志)は、1月24日7時30分時点における時価総額上位100通貨のデータを抽出し、流動性の観点からビットコインをベースとして割安、割高のランキングを発表しました。なお、ランキングについては、フィスコ算出の適正時価総額に対する時価総額(データ取得時)の差額が大きい順となっており、割高な仮想通貨の1位はイーサリアム、割安な仮想通貨の1位はテザーという評価を出しています。割高な仮想通貨の上位には、メジャーなところでビットコインキャッシュが2位、ネムが3位、カルダノ(エイダコイン)が4位と、実装されている内容を度外視して将来への期待から相場を上げている仮想通貨が抜粋されています。それだけ期待されている仮想通貨ともとれますが、現状では悪評が流れると一気に資産価値を失ってしまうリスクが伴うため、警戒が必要です。また、割安な仮想通貨にはWeiss Ratings社の1月格付け上位にランクインしていたEOSとリップルが入っています。割安2位のEOSが各評価において相次いで高評価を獲得しています。誰でも気軽に参加でき、取引手数料がかからずネットワーク詰まりが無いという点は、将来的にどこかの企業が参入して何かに使われるのではないかという期待に繋がり、今の仮想通貨ブームがその評価を底上げしています。3位のリップルも同様の理由で、リップル社に対する世間の好評に対して仮想通貨のリップルの価値は低いのでないかという期待から割安と判断されています。もしかすると、今後EOSとリップルは相場が大きく変動するかもしれませんね。

各評価会社に見られる共通点

今回、4つの評価会社のデータを比較してみると、基軸通貨として活躍していたビットコインは勢いが減退しており、アルトコインに期待が集中している様子がうかがえます。アルトコインの中でもEOS、リップル、エイダコインはどの評価会社においても高い評価を獲得しているので、今のうちにホールドしておくと将来化けるかもしれませんね。他にも高評価を受けている仮想通貨はありますが、評価会社によってその差は歴然です。今の仮想通貨市場はブームでありバブルでもあります。それゆえに冷静かつ客観的な目線で保有する通貨を選択する必要があるので、これらの評価会社のデータをうまく活用することによって、リスク回避となるでしょう。