仮想通貨はその投機性が注目されがちですが、本来仮想通貨の注目されるべきである、仮想通貨のブロックチェーンや仮想通貨のスマートコントラクトといった技術は、まだまだ一般には周知されていないのが現状です。やはり身近なサービスに仮想通貨のブロックチェーンなどの技術がまだ使われておらず、ユーザーがイメージしにくいというのが原因でしょう。

そんな中で、ブロックチェーンなどの仮想通貨に用いられる技術を応用した「Dapps」というアプリケーションを活用したサービスが最近注目されはじめてきています。Dappsのゲームなども続々とリリースされており、ゲームという日本人には馴染みが深く、取っ付き易いサービスでブロックチェーンやスマートコントラクトなどの技術にDappsを通じて触れることが出来るようになってきています。

Dappsの仕組みを知ることで、仮想通貨に使われている技術を知ることができ、投機性ではなく将来性を見込んだ仮想通貨への投資が増えることを期待します。今年は仮想通貨の技術で実際に何が出来るのか、という実需面が注目される年であるという声が大きいです。この機会にDappsとはなにかを知ることで、来るべき実需ニーズに備えましょう。

Dappsとは?今までのアプリとの違い

仮想通貨の技術を使ったゲームDappsに注目2018年の仮想通貨相場は実需の年となるかDappsは分散型アプリケーションのことで、Dappsはブロックチェーンを用いた非中央集権的なアプリケーションのことを指します。つまりDapps自体は中央管理者が不在のサービスのことを指し、ビットコインも概念的にはDappsということになります。

Dappsのメリットとしては、中間管理者がいないので、つまりDappsは代理店的な中間搾取者が存在しない点が挙げられます。今現在、アプリと言えばGoogleやAppleがその管理のほとんどを行っていますが、今後Dappsが普及すれば、開発者側は管理者側の制約等を気にせずより自由なアプリ開発を行うことが出来るようになります。

一方でDappsの課題は、スマートコントラクトの実行速度や手数料、安全性などが挙げられます。スマートコントラクトの技術は、分散化されたコンピューターごとの処理速度によって支えられており、コンピューターの計算能力のばらつきによっては、実行速度が遅くなる可能性が出てきます。また、複雑な演算を行うことで、ネットワークに負荷がかかり、送金などの手数料が増える可能性もあります。Dappsが広く普及していくにはこれらの課題が徐々に解決されていく必要があるでしょう。

Dappsの定義をより細かく説明

まずDappsは、アプリケーションがオープンソースであることが挙げられます。つまりソースコードが公開されており、それをもとDappsがに二次開発を自由に行って良いという事です。ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨もソースコードが公開されており、それをもとに新たな仮想通貨が日々開発されています。

次にDappsは、トークンを利用しているという点です。トークンというのは、一般的に言われる仮想通貨の事で、アプリケーション内で使われる仮想通貨を発行しているという事です。

最後にDappsは、ユーザーの合意のもとで改善が行われるという点です。マーケットおよびユーザーからの改善要求により、プロトコルを改善していくということです。なお、この改善はユーザーのコンセンサスにより随時行われます。

特にイーサリアムのスマートコントラクトという、取引プロセスを自動化する技術は様々なDappsに活用されています。取引の決済期間の短縮や不正防止、仲介者や管理者を介さないことによるコスト削減などのメリットがあり、ユーザー同士が直接取引を行う非中央集権型のサービスを実現でき、Dappsは社会に大きな変化をもたらす可能性がある技術と言われています。

Dappsの活用事例

分散型取引所やデータストレージの管理、ID認証・本人確認など、情報セキュリティの観点での活用が想定されているDappsですが、最近ではDappsを用いたゲームも多数出てきています。

Dappsとゲームの相性はかねてより良いと言われてきました。理由としてDappsは、やはり中央管理者がいないという点です。例えば、最近のアプリゲームではレアなアイテムやキャラクターを入手するための課金要素、いわゆる「ガチャ」というものがあります。この「ガチャ」ですが、サービス提供側は出現確率などを明記しているものの、その確立を操作しているのではないか、という問題が度々起こっています。これはまさに、中央管理者つまりサービス提供者がいることのデメリットとなるのですが、Dappsの場合、そもそも管理者が不在の為、こういった不正は起こらず、なおかつユーザー同士の取引を容易にするので、Dappsはゲーム内での仮想通貨の取引も可能となります。

Dapps系ゲームの一例「Etheremon(イーサエモン)」と「crypto kitties」

2018年の仮想通貨相場は実需の年となるかDappsを活用したゲームはまだまだ発展途上で、正直今現在ゲームとしてのエンターテイメント性を備えたものはまだほとんどないと言ってもいいでしょう。Dapps系のゲームはイーサリアムのスマートコントラクトをベースに構築されており、課金にはイーサリアムを使用します。

代表的なDapps系ゲームに、「Etheremon(イーサエモン)」や「crypto kitties」といったゲームがあります。「Etheremon(イーサエモン)」はイーサリアムで購入したモンスターを育成し、プレイヤー同士で戦わせるRPGです。日本人にとって非常に馴染み深い内容となっています。これまでのゲームとの最大の違いは、自分が育成したモンスターを他のプレイヤーに売却できるという点です。この「Etheremon(イーサエモン)」は、モンスターの育成にも課金、つまりイーサリアムが必要なのですが、育成費用よりも売却価格の方が上回った場合、それが利益となります。

「Etheremon(イーサエモン)」に関してはβ版なので、今後のロードマップに期待が寄せられます。さすがに「Etheremon(イーサエモン)」をプレイするだけでは、スマートコントラクトの仕組みを完全に理解するには及びませんが、ゲームというテーマで参入のハードルは下がることは確かです。

「crypto kitties」は「Etheremon(イーサエモン)」よりもっと単純なゲームシステムです。イーサリアムで「子猫」を購入し、レアリティが高い子猫ほど売却価格が高くなる投機性のあるゲームです。いわゆる「子猫」を購入するだけ、という非常に単純なゲームなのですが、猫のデータを販売するだけで1,000万円以上の利益を出すユーザーもおり、その加熱性が伺い知れます。

2018年の仮想通貨相場は実需の年となる可能性が高い

以上、Dappsの仕組みやそれを用いたゲームを紹介しました。2018年はこういった仮想通貨のシステム面に注目が集まる年になる可能性が高いです。つまり、その仮想通貨の技術が社会にどういった貢献をもたらすのか、という点まで理解した投資を行っていく必要があります。値動きがしやすいという観点からの投資は、短期的な利益は期待できるかもしれませんが、長期的な投資には向きません。その仮想通貨が何を目的として作られたものなのか、というのは公式サイトや公式Twitterなどで情報を取得していく必要があります。

Dapps系のゲームは前述のとおり、まだまだ発展途上ではありますが、今後もたくさんのゲームがリリースされていくことは必至です。現在、日本企業はこのDapps系ゲームに参入していませんが、最近仮想通貨ビジネスに参入したDMMを始め、日本企業はゲーム開発に独自の技術を持っております。日本企業がDapps系ゲームに参入することがあれば、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの技術は一般に認知されていく可能性が高くなります。今後の日本企業の仮想通貨ビジネスの動きに、より注目が高まります。