2017年において仮想通貨は、投資家・一般ユーザーに広く認知されるようになり、株やFX、バイナリーオプションなどと並ぶ新しい投資対象と言える存在となりました。それまでは、価格の高騰がニュースなどで流れることもありましたが、2017年ほど激しい値上がりを見せたうえで広く仮想通貨という言葉が浸透したことはないでしょう。また、仮想通貨に使用されているブロックチェーン技術は各国が注目しているほど新しい可能性があり、既存のシステムや様々な概念を壊し、仮想通貨のシステムを流用したうえで新たなシステムや概念を作ることへの期待は尽きていません。しかし、仮想通貨の価格の高騰に伴う知名度の上昇により、仮想通貨に対する世界の姿勢は変わろうとしています。

 

イスラエル銀行の声明

2018年1月の仮想通貨暴落の原因と世界の関係2018年1月8日、イスラエル銀行の副総裁Trajtenberg氏は、「ビットコインをはじめとする仮想通貨の全ては通貨や外貨として見なさない」とした姿勢を表明しました。これは、イスラエルの法律上、仮想通貨に対する法的な定義がないことだけではなく、通貨としての価値が一定でないことから、投資家や一般ユーザーの保護という観点からの発言でしょう。

仮想通貨には、法定通貨とのレート交換が可能なだけでなく、通貨独自の機能なども有しています。しかし、そのような機能は度外視して通貨の代わりとしての仮想通貨という立ち位置ではなく、投機的な立ち位置が目立ち過ぎているのが現状です。

もっとも、この発言そのものは注意喚起であり、規制に言及するものではありません。国家に縛られるような取引では仮想通貨の優位性はなく、仮想通貨と呼ばれるものの価値が全て同一であれば、仮想通貨の市場は次第に縮小していくことになります。もっとも、価値の変動性が高すぎることはまともな金融機関や国であれば、懸念事項であり、仮想通貨はあくまでも自己責任において売買するものとなっている現状があります。

オーストラリアにおける銀行の動向

オーストラリアにおける4行は、かねてから仮想通貨関連の資金を停止させているという疑念がユーザー間で話し合われていました。結果として、ナショナルオーストラリア銀行、オーストラリアニュージーランド銀行はユーザーの仮想通貨に関する取引は禁止していないとしています。対して、ウエストパック銀行とコモンウェルス銀行は、法的に問題のある仮想通貨の使い方が疑われるアカウントなどに対しては必要処置を講じていると表明しています。もっと、コモンウェルス銀行においては、仮想通貨でのオンラインバンク上での取引を廃止しており、実際には犯罪などとは関係のないユーザーまで停止していた可能性は否めません。

また、この一連の流れを受け、オーストラリアでは日本の金融庁と同じように、2017年12月オーストラリア取引報告分析センターへの取引所登録を義務付けています。この登録は仮想通貨での損失を補償するものではなく、犯罪やマネーロンダリング防止の為です。

仮想通貨における匿名性は、金融機関や国家にとってはマイナス要因であり、匿名性の高い仮想通貨については非常に厳しい規制が行われる可能性があります。また、銀行として仮想通貨を取り扱うことは、サイバー攻撃の対象になることと同義である為、リスクの排除として仮想通貨に関する資金を今後一切規制することも考慮する必要があります。

ヨーロッパで規制に向けた動きが活発に

仮想通貨の規制と警告ドイツ中央銀行の理事Wuermeling氏は仮想通貨に対して、国際的な取り組みによって規制を行っていくべきだという姿勢を示しています。現在、仮想通貨に対しての規制や取り組みは各国によって異なっており、統一された国際法などは存在しません。しかし、規制方法やルールが異なっても各国がある程度の規制が必要なことは認知しており、世界中であらゆる意味で規制が強くなっているのが現状です。もちろん、仮想通貨の開発や通貨が保有する機能によって規制されるべきものとそうでないものに分けられるべきですが、そういった事項への国際的な提言は未だにありません。

また、EU内という見方をすれば、フランスでも規制を検討しつつあります。フランスの経済大臣Bruno Le Maire氏は、仮想通貨の規制の為にワーキンググループを設立しており、あらゆる犯罪への助長となり得る匿名性・秘匿性の高い仮想通貨に対しての規制を強めるでしょう。2018年1月18日時点でのフランス・ドイツの共同会見では、改めて仮想通貨の国際的な定義を訴えています。そして、国際的に仮想通貨市場が過熱気味である為、仮想通貨に対するG20での話し合いや方針を受け、EU内での仮想通貨市場は更に規制が強くなると言えるでしょう。

ビットコネクト閉鎖

仮想通貨BCCはかつは、時価総額において上位に食い込むほど人気の仮想通貨となっていましたが、一日で9割以上その価値が下落しています。その原因は、BCCを発行しているビットコネクトが、1月16日時点でテキサス州とノースカロライナ州から停止通告書を受け貸付業務と取引所業務を停止したことにあります。BCCは高配当が売りの仮想通貨であり、保持しているだけで勝手に資産が増加するようなシステムを使用しています。実際には、詐欺のような内容であり、BCCが取引されていたのもビットコネクト内が殆どである為、取引所の運営者による悪意のある操作が横行していた可能性が非常に高いと言えるでしょう。

通常、投資に限らずどのようなシステムを用いてもあまりにもユーザーに優位なものは提供されることはありません。企業が利潤を追求するものであり、投資においては不勉強であればユーザーや投資家が搾取される側となります。その為、仮想通貨市場が拡大傾向にあったとしても、全ての仮想通貨が安全で健全なものではないことを忘れないでください。

暴落での自殺防止ホットラインの設立

2018年1月のチャートについて述べるのであれば仮想通貨全体の価値は著しく下落しています。ビットコインやリップル、ネムなどに関しても人気とされている通貨全てが価値を下げています。規制を強めるという内容が各国で相次ぎ宣言され、ビットコネクトの閉鎖など様々な要因が1月に重なったのが原因です。

自殺防止ホットラインを設置したのは、アメリカのニュースサイトレディットです。アメリカも仮想通貨市場として非常に巨大であり、元々の風土として投資を行うことに前向きです。しかし、今回の下落に関してはデイトレーダーや新規参入者にはダメージが大きく、2月になったとしてもレートがどこまで価値が回復するのかは不透明です。

仮想通貨市場が拡大傾向にあることから、借金や家を売却してまで運用に回している方にとって今回の下落は、絶望的なものであり、衝動的に命を絶ってしまったケースもあります。特に2017年においては、有名どころである殆どの仮想通貨はその価値を数倍にまで上げており、2018年1月のチャートも保持し続けている方にはそれほどのダメージにはなっていません。日本における見なし取引所における流失事件などもありましたが、それでも現在のネムは100円程度のレートを取り戻しています。

仮想通貨は、国や金融機関の介在に関係なく存在しており、その価値は常に変動します。そして、その価値をずっと維持し続けられるものではありません。時には暴騰し、マイナス要因があればすぐにその価値は暴落します。その為、投資対象としての仮想通貨には常にリスクがあることを考慮し、運用を行いましょう。