2016年から2017年にかけて仮想通貨市場は、長期上昇トレンドになり初心者でも比較的容易に、一定の利益を得ることが可能でした。投資未経験者ですと、最初は裁量取引や時事情報に沿って取引をしている場合もあります。
また、そのような取引方法でも長期上昇トレンドであった、2017年の仮想通貨市場では通用した手法です。しかし、2017年末頃からトレンド転換の兆しが見え、2018年1月26日には国内の新興取引所であるコインチェックに何者かが不正ハッキングする事件が起きました。この事件も一因になり、仮想通貨市場は下降トレンドへと方向性が変わりました。
ちなみにコインチェックで流出・盗難された仮想通貨は円で、約580億円にもなるといわれ大口投資家などは一旦資金回収の動きへシフトしたのではないかという情報もあります。
しかし、仮想通貨取引には、様々な取引方法やテクニックを活用すれば稼ぐことも出来ます。特に株式投資などの経験があるベテラン投資家や、機関投資家達は情報とノウハウが一般の仮想通貨投資家よりも、多く持っているので利益を得るポイントを理解しています。
しかし、2017年の仮想通貨市場で新規参入した、投資未経験の方達はそのようなノウハウをまだ習得していないことがおおいです。そこで、今回は仮想通貨取引初心者が、様々な相場に対応していくには何を覚えるべきか解説していきます。
3月12日の各仮想通貨の相場状況は横ばいが多い
2018年初頭からコインチェックの流出事件や、各国で仮想通貨に対する規制や禁止に関する議論が交わされました。このような様々な要因によりビットコインは2月に急落したといわれています。他の意見では、2017年に機関投資家達が一定の利益を得たので、一旦調整相場になったのではという話もあります。
いずれにしろ、2月のビットコイン急落は仮想通貨取引初心者には、厳しい局面となりました。また、2017年の人気に乗って仮想通貨を始めた人達は、撤退をし現在は人気とは別な理由で仮想通貨投資をしている方が市場に残っているといえます。
では、3月12日時点での各通貨の状況を解説すると、
・ビットコイン/ドルは、3月に入り一旦底値をついた動きを見せ、ボックス相場へと転換しているといえます。
・リップル/ドルは、引き続きボックス相場で推移しており、明確な売買サインを判断するのは難しいといえます。
・イーサリアム/ドルも、ボックス相場へとトレンド転換しましたが、レジスタンスラインが強く上抜ける所まで注視する必要があります。
このように、メジャーな仮想通貨のほとんどが下降トレンドから、ボックス・レンジ相場へと転換しています。株式投資でもこのような場面は当たり前のように出てくるので、比較的落ち着いて対処出来ます。
2017年の上昇トレンドから、仮想通貨投資を始めた初心者ですと、これまで上昇相場しか見たことがないので今回のような急落やレンジ相場といった場面で不安になる場合もあります。しかし、投資は「上昇」・「下降」・「レンジ」といった、主に3つの方向性で構成されています。そして、2018年1月の急落により下降トレンド、そしてレンジ相場といった流れは、今後上昇トレンドへ切り替わる可能性のある動きともいえます。
現在の相場は、仮想通貨取引初心者の勉強になるチャートともいえるので、今後も投資を継続したいと考える場合には、積極的に分析を行うことが知識・経験になります。
ボックス相場の場合は
2018年3月時点のビットコイン相場は、まさにボックス相場です。ボックス相場の概念には様々な考え方がありますが、基本はチャートが1度底値と高値につけた価格帯の間で、一定期間価格が推移している状態のことを指します。例えば1BTCが100円とします。
ある時に1BTC50円の値を付けて、その後150まで上昇します。この時の底値は、50円で高値は150円です。そして、その動きを見せた日から10日間、前述の50円と150円を行き来する値動きが続くことを、ボックスあるいはレンジ相場と呼びます。
ボックス相場は、思いに上昇・下降トレンドがそれぞれ切り替わることや、何かしらの要因で買いと売りが拮抗し始めると起きやすい現象です。この相場をどのように分析するのかというと、テクニカル分析にあるオシレーター系指標が有効です。
オシレーター系指標は、相場の買われすぎや売られ過ぎを判断します。つまり、1BTC100円を基準として、50円の値を付けたら価格が下がりすぎ=売られすぎと判断します。そして、今後反発して適正価格へと戻ると予測が出来るので、結果的に価格が上昇していくと判断して購入するという行動をとることが出来ます。
反対に、150円の値を付けたら価格が上がりすぎ=買われすぎと判断します。そして、今後反落して適正価格へと戻ることが予測出来るので、結果的に価格が下落していくと判断して売却する行動をとることが出来ます。
このように、オシレーター系指標はボックス相場と相性が良いです。
下落相場の場合は
仮想通貨取引初心者もリスクになるのが、下落相場です。下落相場では、どのタイミングで損切するのか悩む場面ですし、上昇相場からいつ下落相場へと切り替わるのかタイミングも難しいといえます。
対策としては、
・よく分からないチャートと判断したら一旦注視する
・天井の手前で売却できるように分析力をつける
・チャートパターンを把握する
・損切は早めに、そして設定した損切の金額になったら必ず実行する
・下落した価格が底値と確実に判断できるまでは、注文しない
・信用取引の空売りも検討する
などが考えられます。
まず、仮想通貨取引初心者は、まだ様々なチャートを見てきていません。従って、一見上昇トレンドに見える相場でも、下落へと動くパターンは数多くあり、それらを見極めることが難しいです。そこで、ビットコインなどの取引をする時には、欲張らずに簡単な上昇トレンドの時だけを狙って売買することが損失を減らす方法のひとつです。
次は、分析力をつけることです。ただし、今すぐ身に付けられる技術ではないので徐々に覚えるしか方法はありません。しかし、日々少しずつ分析力を付けることで、様々なパターンに対応出来るようにないrます。
たとえば、チャートパターンを覚えるということが挙げられます。株式投資ではメジャーですが、例えば1BTC100を基準とします。そして、1度1BTC200円まで上昇しまた100円に戻ります。しばらくするとまた1BTC200付近まで上昇し、また戻るかと思いきやそのまま大きく急上昇するというパターンがあります。これをN字型と呼びます。
N字型は投資のチャートパターンの、基本中の基本でまずは覚えるべきパターンといわれています。ただし、N字型単体ではダマシが多いので、テクニカル分析と組み合わせて、上抜けた瞬間を狙って購入する方法が現実的です。また、逆N字型も存在し、これは、下落する場合に形成される基本のパターンです。従って、損切の場合などの判断に使うことが出来ます。
信用取引口座を開設してみることもひとつの戦略
通常の仮想通貨取引は、現物取引なので買いからしか取引を始めることが出来ません。しかし、信用取引やビットコインFXなどは、売りから取引を始めることが出来るので、下落相場でも利益を出すことが可能となります。
仮想通貨取引初心者で、いきなり信用取引を始めるのはリスクが高いですが、1年ほどの経験を積めば信用取引へ参入してみるのも、新たな取引技術を確立させるには良い方法と考える事が出来ます。しかし、下落相場を読むということは、いつも見ている情報とは違う視点で判断する必要があります。
通常ネガティブサプライズであれば、単純に資金回収やリスク回避の動きを優先させる為、具体的にどのような下落相場を形成するかあまり気にしていない場合も多いです。しかし、空売りであればそのようなネガティブサプライズや、下落要因についても深く分析していく必要があります。