仮想通貨がここ最近ニュースで見かけない日はなくなってきた今日。企業や国家が仮想通貨の実用性について優位性を持つとして投資的な役割と新たな生活用通貨の要としての役割を担うものと位置付けたことでさらに加速的な価値の上昇、また知名度を高めていきました。
今では仮想通貨は誰にでも簡単に作れてしまうものなので、約2.000種類ありますが、必要性を第三者から認められているものは全体の5%しかないといわれています。では残りの95%はどんなものかというといわゆる詐欺や闇取引関係もしくは作ったが使用していないものとして分類されます。
つまり信用を作り出す明確な根拠のないものは自然と消えていくか悪いことに使われるようなものとなってしまいます。ですがその分信用があると認識してもらうことができれば、時代の先を行く取引の形を世に生み出すことができるので、多くの企業、国家が参入をしています。
その結果、先進国が経済の発展に注力していたという世界共通の考え方に疑問を持った発展途上国が我先にと仮想通貨への取り組みを発表し、現状の波に乗り遅れないように一歩踏み出すようになりました。
今では、ベトナム、イラン、トルコなどが現実に仮想通貨を開発し運用と使用をする動きをし始め大きな波を作り出そうとしています。
今回はその中でも「ノアコイン」というフィリピンが作り出した仮想通貨に焦点を当て、フィリピンが仮想通貨を発行する意図。信用を作り出すため行っていること。利用についてのメリット・デメリットを解説していこうと思います。
なぜフィリピンが参入するに至ったのか?
今回フィリピン国内の政治・財閥の権力者がリーダーとなり国家レベルの規模で開発されることになったのが「ノアコイン」です。今現在のフィリピンはどんな国かというと一言で表すなら日本の高度経済成長期といってもよいと思います。
交通や水道電気などのいわゆるインフラ整備は首都を中心に完備され始め、外国企業が工場、支店を多く出したことで国を挙げて環境・法律を整備したため治安は良く、ビル・ホテルなどの諸外国からの誘致に対して前向きな状況になっています。
そんな中でフィリピンが抱える大きな問題はお金の送金問題です。生活で必要な資金をほとんどの方が働いて稼いでおり、フィリピン人もその流れには沿っています。ですが、その働いている場所が問題なのです。この国の最大の輸出は、実は「人」で出稼ぎが主体です。
基本稼ぐ人が海外で生活しており、本国の家族に稼ぎの一部を送金し生計を立てています。海外で稼ぐお金がフィリピン国内で稼ぐお金よりも圧倒的に多いため、海外から送金することを余儀なくされます。
しかしこの送金が大きな問題になっています。それは海外からフィリピン本国に送金する手数料が高すぎるという点です。実はこの手数料、10%~15%と高額で、10万円送金すると1万円は手数料として取られてしまいます。
年間で3500億円もの金額がフィリピンの方が稼いだのに、銀行や海外の利益になっているのでフィリピンとしては頭を抱える問題になっています。また送金方法には銀行以外にも送金代行サービスといった現金を送るサービスもあるのですが、こちらも高額な手数料なのでその分もフィリピンの方には負担になります。
その問題に対して解決の糸口となっているのが今回ご説明する「ノアコイン」です。手数料がほぼゼロにすることができるのとまだ首都部以外の地域では銀行・ATMが満足に設置されておらずお金が必要になってもすぐに準備できない事情があります。
ですが、フィリピンの人は、ほとんどスマートフォンを持っています。所有率は108%で一人1台以上は持っている計算なので、仮想通貨のようにネット環境さえあれば取引できる状況を作り出すことができます。そのため国家としての問題解決のために参入するに至った訳です。
ノアコインの信頼性はどこで確保しているか?
仮想通貨にはそのものには商品価値はありません。データとして存在するだけなので素人でも簡単に仮想通貨だけなら作り出すことができます。しかし、世の中に普及し様々な人に使ってもらうためには存在価値がある理由がなければなりません。そのため、様々な仮想通貨には独自の優位性を持たせる理由があります。
ビットコインは誰でもネット上ですべての情報を確認できるようにし、決済機能に対し勝手に不当な料金を上乗せするようなことや、取引情報を勝手に変更したりすることはできないことが優位性となっています。
ではノアコインの優位性はというと2つあり、1つは仮想通貨の運営を非営利団体(ノアファウンデーション)が行っていること。もう1つが大規模都市開発「ノアシティ」の建設を発表していることです。
仮想通貨は企業が自身の持つ技術を大多数に知ってもらいたいと思ってそのシステムに価値をつける方法として仮想通貨を発行しています。つまり、利益になるものなので大勢の人に知ってもらいたいのです。
なぜなら、いくら優秀な技術やシステムがあっても利用してくれる人がいなければ価値はないからです。そのために仮想通貨で価値を証明しようとしています。
しかしノアコインは国の送金システム問題の解決で手数料として取られていた金額を自国に入るようにすることが目的です。
営利目的の活動はしておらず、集めたお金はコインの開発資金、広告・プロモーション、インフラの整備に使われています。初めから目的がはっきりとフィリピンの国家繁栄のために行うと明記されているようなものなので、安心してノアコインを購入する方が多いというわけです。
ノアシティは仮想通貨をメイン通貨とした都市計画で国内外の方に影響力を及ぼす都市と言われております。アミューズメント施設、ショッピングモール、ホテル、カジノ等の企業誘致はもちろん観光、娯楽を兼ね備えた仮想通貨都市内ではノアコインの利用ですべて対応できるようになります。
2017年から本格始動し、徐々に建設を終わらせていく予定です。そのような動きはノアコインを購入する予定の投資家たちから厳しい目を向けられますので、国としての威信もあり、信頼できる情報を提供していかなければならない点もノアコインの信頼性を高める要因だといえます。
ノアコインを利用するメリット・デメリット
仮想通貨としての利用するメリットが大きいノアコインですが、その理由は持っているだけで利息が付く点です。仮想通貨を持っている人が多ければ多いほど信用価値が上がるので、ノアコインはたくさんの方に所持してもらいたいと思っております。
フィリピン国民だけでなく企業や外国の方が持つことで取引する材料として利用できるため、その利点を非営利団体だからこそ他の仮想通貨ではできない「利息」として還元しています。
その利息は初年度20%で年ごとに0.86倍ずつ減少していきますが持っているだけで配当が出る時点で今の銀行、保険などよりも高い利率だといえます。
また「複利」という元本についた利息を含めた額で利息を計算します。計算上、5年持っているだけで2倍になるということです。100万円でしたら200万円になるということが大きなメリットです。
デメリットのお話の前に、このノアコインはどこで手に入るかを説明します。基本はコンビニのフランチャイズのように販売できる権利を得てお店がほしい人に販売することで手に入れることが出来ます。いわゆる小売販売と同じです。
ではなぜデメリットの話の前にこの流れを入れたかというとこの権利は無料で得ることが出来ます。そのため、いろんな代理店が参入してライバルが増えていくと、購入するにノアコイン自体の利点以外の付加価値をつけて売り出すお店が必然的に出てきます。
そうなると買う側はどこで買ったらよいか精査できなくなることが懸念されます。
ノアコインのメリット・デメリットは他の仮想通貨にはない特徴ですので、その条件が問題あるのかないのか、違法なのか合法なのか、などの情報の価値をどこで定めていくかがノアコインの価値を決める重要な焦点となると思われます。
フィリピンの仮想通貨への今後の展望
ノアコインは国家が多くの人に利用してもらうことを前提に開発しているので、その状況をどのような戦略で作り出すかが焦点となっています。また仮想通貨を作っただけでは、社会問題の解決策以外の使い道がありません。国民が仮想通貨を利用するメリットが必要になります。そのためのノアシティ開発です。
フィリピンの中心都市で仮想通貨が公式通貨としての価値を発揮することが出来れば、今の高度経済成長の状況はその付加価値をさらに高める要因として世の中に発信できることになります。
すると仮想通貨を利用する人も必然的に増え、取引も拡大し利用者が増えることでノアシティのような都市が世界各国に今後の展開としての重要性を伝える第一歩目になるといえます。
時代の先端を行くためにはどうしても乗り越えなければならない壁が多いのが今の仮想通貨の現状です。
システムの変更、セキュリティの強化、整備のまだほとんどない法律をどこまで制定するかといった課題がクリアされる頃には今まで途上国として見られていた国にとって他国に差をつける良い風が吹くであろうといわれています。
仮想通貨の話題を聞かない日がない今日、発展していくうえで各国が何を仮想通貨に求めるのかが今後の国の行く末を決める一種のバロメータになると思います。
フィリピンはより柔軟な対応で他国よりも現状を解決する術を模索しておりますので、今後の経済の主役がフィリピンになることもそう遠くない未来にはあり得るかもしれません。