2017年11月、仮想通貨の取引量はついに20兆円を突破しました。その取引割合の半分以上がビットコインであり、続いてイーサリアムやリップルの取引が占めています。そのうえ2018年に公開を控えるコムサなどのICO調達金額はベンチャーキャピタルによる資金調達を遥かに超えており、仮想通貨を用いたICOは現在企業が資金調達を行ううえで最も確実な手段となっています。
ビッグカメラなど支払い可能な店舗やATMが増加
ビットコインで支払い可能な店舗が日本国内でも増えてきました。ビッグカメラを代表としてスマホアプリで決済可能で、ビットコインの支払いだけで生活してみようとチャレンジする人も出ています。筆者もビッグカメラでビットコイン支払いを試してみたところ、鹿児島中央駅のビッグカメラでは1階のレジのみビットコイン対応でした。なので上の階の商品を1階まで下りて決済する必要があり、他の階にあるレジが使えないというわずらわしさを感じてしまいます。
まだ生活用通貨としては頼りないビットコインですが、日本全体で見ると支払い対応可能な企業は266社あり(2017年11月4日現在)、4600店以上の店舗が存在しており、その数は日ごとに拡大しています。
■ビットコインが使える日本のお店(ビットコイン決済対応店舗)
https://jpbitcoin.com/shops#other
女子大生も投資家になる時代
ここまで世間に浸透したビットコインですが、まだまだ投機としての魅力を残しており、2017年夏頃から新規参入者が急激に増加しています。そして投機ユーザーはビットコインのさらなる価格上昇を求めて購入する為に相場は上昇し、その価値を高めています。この価格上昇が一定まで高まると、新聞やニュースで『ビットコインの取引相場80万円突破』などと大きく取り上げられている為、その報道が宣伝となり新たな投機ユーザーを招いています。
また、ビットコイン投機ユーザーが増える理由には、ビットコインが他の投資方法よりも手軽にできる事にあります。仮に株式やマンション経営に投資を行おうとすると、有名株や借り手の多いマンションは値段が高くて軽々しく買えるものではありません。
しかし仮想通貨となると、一番話題性の高いビットコインは1BTCの価値は高いものの0.001BTCからの購入ができます。1BTCが80万円だとすると、数百円の振り込み手数料を除けば800円から投資が可能という事です。これだけ手軽に投機ができてスマートフォンでも取引ができるとなると若年層からの人気も高く、取引所のチャットルームのコメントを見ると大学生や高校生のコメントも散見されます。若年層投資の中でも自身が女子大学生という事をアピールした仮想通貨の投資日記のブログが多く、実際に儲かっている様子なので時代の変化を感じてしまいますね。
ネガティブニュースで相場の下落も見られるが、上昇力が強い
仮想通貨は手軽な投資とはいえ相場が常に上がり下がりしているので、儲かるばかりではありません。時にはビットコインの批判や分裂によるネガティブなニュースが報道されて相場に影響を与えることもあります。2017年秋には、ビットコインゴールドやSegwit2xの分裂騒動で相場が大きく揺れましたね。そのような時には相場が急落するのでデイトレードで儲けている人たちからすると、とても辛いものがあります。さらに下落するのでは無いかという不安から早々と損切りしてしまう人もいますが、今のビットコインの動きを見ると、下落後から数週間で相場が下落前の価格帯まで回復しています。ですから長期勝負に強い投資と言えるでしょう。そしてこのビットコインの回復力、相場上昇力には目を見張るものがあります。
BTG公開でビットコイン相場70万円突破
10月24日、ビットコインの問題点をフォローするために、マイニング事業者をターゲットとした新しい仮想通貨ビットコインゴールド(BTG)が誕生しました。この分裂に注目した投機ユーザーは非常に多くいましたが、投機ユーザーの目的はBTGの持つ技術的メリットではなく、ビットコイン保有者に無料配布されるBTGの売却益でした。
それゆえBTG公開までビットコインを少しでも多く保有しておき、BTGの配布量を増やそうとするユーザーが数多く見られました。その結果ビットコインの相場は9月の40万円台から急激に上昇して、BTG公開日には70万円を突破して相場上昇率は180%まで上がったのですが、BTG公開後には売却益を手早く得ようとする投機ユーザーの影響により相場は下降へ転じました。このまま相場は下がり続けるのかと騒がれたのですが、ビットコインには次の分裂のSegwit2xが控えていたために一旦相場は下げ止まり、再び相場上昇を迎えることになりました。
ビットコイン相場80万円突破し、100万円も目前に
次回のビットコイン分裂は11月16日と決まっており、その日に向けて投機ユーザーは動いている様子です。それに合わせてビットコインの相場は更なる急上昇を迎えています。10月中旬には60万円を割りそうだった相場は一晩で70万円を超えて80万円超にまで上昇しました。記事作成時の11月8日の相場は80万円程度でウロウロしていますが、Segwit2x分裂後に一旦下がり、また何らかの期待に沿って再上昇する可能性もあるかもしれません。
2018年のビットコインの相場は100万円を超えるとも言われています。この相場価値は人工知能AIが現在の市場心理から推測したものであり、このまま仮想通貨市場が拡大していくと必然的にコインの価値は上がっていくでしょう。既に90万円間近まで高騰しているビットコインが100万円を超える事は夢物語では終わらない話ですし、非常に現実味を帯びています。1ビットの価値が100万円となると流石に手軽な投資として参加することが難しくなってきますが、既にホールドしている方からすると、その資産はとても増えることになるでしょう。
『ビットコインはいつか暴落する』『ビットコインはバブル』という主張をよく耳にします。では、ビットコインの価値が暴落したらどうなるでしょう。仮想通貨の取引で使用される通貨割合の半数以上はビットコインによる取引です。取引金額から見ても、ビットコインのように1コインで10万円を超える仮想通貨は他に類を見ません。1BTC(約80万円)が取引された時に市場に与える影響は、ビットコインに次ぐ仮想通貨のイーサリアム(約4万円)が10回取引された時と同じくらいの価値があるのです。
さらに、高額になったビットコインは実生活に与える影響も大きく、普通の暮らしを送っていたサラリーマンの所持していたビットコインの価値が上がって億万長者になるという現象が発生しています。その人数は認知されているだけでも110人以上存在しておりビットコイン売却で得た利益が新たな消費拡大に繋がるので、社会の流通活性化にも役立っています。つまり、ビットコインの相場が下がりだすとビットコインを支持する市場心理などの作用により、一定の価値以下には下がりにくい状態になると推測できます。相場は下がりにくいものの、ビットコインATMの設置増設や取り扱い店舗の拡大など、相場が上がる材料はまだまだ残しています。それゆえに今はまだ安心してビットコインに投資できるでしょう。2017年はまだ「仮想通貨元年」なのです。