仮想通貨元年とも呼ばれた2017年の仮想通貨も、2018年に入り一旦落ち着きました。投資家や専門家の間では、一時的な調整相場だからまだ急騰や、長期的な上昇へと動くという予測があります。
反対に、2017年の仮想通貨市場の盛り上がりと、上昇相場は一時的なバブルに近い動きであって2018年はこのまま下落へと動いていくという予測もされています。
2018年3月時点では、答えは出ていませんが一方で、仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン技術についての新しい情報も出ています。また、3月19日から20日までG20が開催され、各国が仮想通貨について様々な議論が交わされることが予想されています。
2017年と違い、仮想通貨市場も落ち着いていますが技術面や規制など、新たな側面で注目を浴びています。仮想通貨取引初心者は、ビットコインやネムといった、各通貨だけを注視するのではなく様々な方面の情報を捉える必要があります。
そこで、今回は2018年3月に起きた・これから起きる事を中心に紹介していきます。
バイナンスが独自のブロックチェーン技術を発表
3月13日、バイナンスは「Binance Chain」という新たに独自で開発している、ブロックチェーン技術を発表しました。バイナンスは、現在取引量で世界1位を誇る仮想通貨取引所です。そのバイナンスが新たな分散型取引プラットフォームを構築し、ブロックチェーン技術の開発をしているということで市場も動きました。
具体的には、バイナンスが発行しているバイナンスコインが1BNB=約1,200円まで、価格が上昇しました。この情報によって、バイナンスへの高い期待をされていることが分かります。
今回の独自ブロックチェーン開発の背景には、バイナンス独自のブロックチェーン技術によって、資産の流れに変化を与えたいというCEOの強い意志が含まれています。
また、他にもバイナンスが今後完成させようとしている分散型取引所、DEXの構築に必要な技術でもあります。現在の仮想通貨取引所が運用しているシステムは、中央集権型の取引所なのでハッキングリスクなどセキュリティ面での懸念がされてきました。
そこで、バイナンスは分散型取引所を完成させて、資産の安全性を高めていきたいという考えがあります。つまり前述にある、資産の流れに変化を与えたいという意味は、ここに込められています。
従って、バイナンス独自のブロックチェーン技術開発の情報は、DEXに関係しているのでバイナンスコインの取引が活発化し、一時20パーセント越えの上昇を記録したということです。
仮想通貨取引初心者で国内中心の取引をしている場合は、今後海外の取引所やブロックチェーン技術に関する情報もチェックする必要があります。また、特にバイナンスは取引高世界1位の取引所なので、仮想通貨市場に与える影響も大きいです。
EUではマイニングが合法という判断
EUでは、これまで仮想通貨市場に否定的な見方をしている側面があり、一定の規制を検討するべきとの方向で議論されています。
しかし、3月12日の情報だと、ビットコインなどで行われるマイニングについて、EUが合法的な作業として認められました。また、マイニングに伴う電力消費は大きく、EUはその電量消費について焦点を当てています。
具体的には、現在ビットコインマイニングのみで世界の0.14%の電力を消費しているという話もあり、温室効果ガスなどを含めて環境に配慮する動きが必要という方向になっています。環境に配慮するというのは、電力の発電方式を自然エネルギーによる、方法にシフトすることで、温暖化等の問題に繋がらないようにするということです。
この動きによって、仮想通貨業界が再生可能エネルギーを活用した、電力供給等の新たな枠組みを実験させるためのきっかけ作りとして解釈されています。
仮想通貨が単純に規制や禁止となるよりも、今回のような再生可能エネルギーなど別の分野と連携するといった動きは、市場にとっても前向きな情報として考える事が出来るので、今後上昇要因としてこの実験が進むことが期待されています。
仮想通貨市場はボックス相場で推移
2018年3月時点での、ドルとビットコインなどの仮想通貨のチャートは一旦下落が止まったという判断ができます。1月からの仮想通貨全体が下落傾向へと相場転換してから、2か月ほど経ちようやく底値にタッチしたといえる相場になりつつあります。
下落要因は様々ですが、コインチェックの通貨流出事件や、世界的な仮想通貨規制の検討に関する情報、2017年の仮想通貨市場が過熱し過ぎという見方もあります。
いずれにしろ、ボックス相場へ転換しつつあるということで、仮想通貨取引初心者の多くは取引が以前よりしやすくなったといえます。また、現物取引で売買している投資家も多いので、下落相場よりボックス相場の方が売買できる機会があります。
仮想通貨取引初心者の多くは、現物取引あるいは買いから取引を始める場合が多いです。従って、下落相場だと購入ポイントがありません。
しかし、ボックス相場であれば、ボックス圏内の底値で買って天井で売る戦略が可能になります。上昇相場よりかは、利益が少ないですがそれでもプラスになるのであれば、市場も少しずつ活発化するきっかけになるので、前向きに捉えることができます。
また、仮想通貨は他の金融商品と違い、大きく値動きする傾向があります。従って、ボックス相場から抜け出した時にどちらかに大きく動く可能背も考えられるので、空売りの手段もあれば利益を確保する機会ともいえます。
投資において、ボックス相場はトレンド転換の重要な期間です。現在の相場から、ゆるやかな上昇・急騰・下落といったパターンを考えることが出来ます。もしボックス相場の天井を突破すれば、急騰の可能性もあり再び市場に資金投入される事もあり得ます。従って、今後の仮想通貨市場も重要な転換期として、注目の相場です。
各国の仮想通貨規制等の動き
3月19日から3月20まではG20の開催日です。今回の議題内容には仮想通貨に関する話があります。
具体的な各国の主張は、
・アメリカ、一部の州で仮想通貨交換業者に免許制導入
・ロシア、仮想通貨交換業者への登録制導入、日本も2017年4月から登録制導入しています。
他にも、各国で仮想通貨に対する認識や主張は様々ですが、今回のG20で国際的な枠組み・ルール作りが決まるか注目となっています。また、仮想通貨取引初心者も今回のG20の内容によって、市場が大きく動く可能性があるので情報収集が必要です。
今回のG20で議論される仮想通貨についての内容は、違法な取引に活用されている点や資金流出が焦点となっています。
まずアメリカなどは、仮想通貨が資金洗浄に利用されている現状を、早急に解決しなければならないという姿勢をとっています。仮想通貨は自由な市場、匿名性がある反面、そうした事に利用されるリスクは以前から指摘されていました。他にも、仮想通貨は世界中のユーザー同士で送金や取引が出来ます。従って資本が違法に国外に移動している事例も、報告されています。
今回は、こうした仮想通貨の負の部分を解決するために、国際的なルール作りをするという目的があります。
仮想通貨取引を始めた初心者の中には、こうした大きな流れについてあまり注目せず、取引をしている場合もあるかもしれませんが、今回の動きは国内の仮想通貨市場にも大きく関係する内容です。
今後の仮想通貨業界の方向性に関わる重要な議論が行われるということも、注目しつつ取引を行うことが自分の資産を守る上でも大切なことです。