今回カルダノから発せられたアナウンスは公式サイトにてカウントダウンの表示を行っていたものの、その内容について明かしてきませんでした。その秘匿性が投資家たちの好奇心をくすぐり、さまざまな憶測が飛び交いました。Bittrex以外の新しい取引所に上場するという噂。エイダコインの相場が高騰するであろうという噂。投資家たちはプレリリース時のカウントダウンを思い出しながら11月1日のカウントダウン終了を待ちわびていました。

次期アップデート「Shelly」のカウントダウン開始

カルダノロードマップ11月1日カウントダウン終了後の実態そして迎えた11月1日、ロードマップのカウントダウンが終了してカルダノが発表した内容は、投資家たちの期待と異なりエイダコインとダイダロスウォレットの技術内容をアップデートするというものでした。

投資家目線で図るとエイダコインの価値が上がる事を第一に考えがちですが、エイダコインの発行元であるカルダノは、価値が上がった時に起こり得るトラブルを想定した動きを見せなければいけません。その動きの現れとして、エイダコイン公開直後すぐにサポートデスクのカンファレンスを行いました。そして今回のアップデートでエイダコインの基礎となるプログラムをアップデートすることで、将来的に安心して使用できる仮想通貨としてエイダコインを提供したいと狙っているのです。あくまでもカルダノの考えるエイダコインはプラットフォームであり、投機目的でなく使用するために存在するのです。

今回のカウントダウン以降、カルダノはロードマップに次期アップデート内容を掲載するように変更しました。その内容は技術者でなければ分かりにくいものですが、実社会でエイダコインを使用するにあたって非常に重要であり絶対に抑えておかなければいけない事です。これがチャールズ・ホスキンソンの言う「安全性の証明」なのでしょう。

ウロボロスのオープンな委任機能を導入

Proof of Workのようなパソコンの処理能力に依存するマイニング方法と異なり、Proof of Stakeというインターネット上に処理を分散させるシステムが導入されます。この機能が実装されると、これまでパソコンの処理能力(仕事量)に応じて報酬を得ていたマイニングが保有通貨量に応じて報酬を得るように変わります。

また通常は、ブロック生成の報酬を得るためには、自分のパソコンがオンラインであり続けなければいけません。ダイダロスウォレットを起動して24時間パソコンの電源を入れて処理を続けていると、高額な電気代の負担や機械の早期老朽化などの問題が出てきます。 そこで、通常は24時間稼働しているサーバーをレンタル使用するのです。Proof of Stakeがないと何が困るかというと、サーバーのような高機能設備を持っている人だけが報酬を得ることは、Proof of Workのように中央集権化するからです。 それをProof of Stakeによるネットワーク上の委任によって誰もが参加できるようにすることで公平化を図っているのです。

マルチシグのトランザクション
マルチシグでは、ダイダロスウォレットの鍵を複数に分割します。 複数に分割された鍵の1つが流出しても残りの鍵がなければ資金にアクセスすることはできません。 この鍵の使い捨てと分割が複雑なロジックで組み合わされることにより、とても強固なセキュリティをダイダロスウォレットに追加できるようになるシステムです。

ミドルウェア、ネットワーク

以前よりダイダロスウォレットはそのネットワーク速度を改良して送金スピードを速めてきました。今回もその延長線だと考えられます。ユーザーから見て劇的に何かが変化するわけではありませんが、プログラムの実行速度や通信速度などが改善されます。

コンセンサスのインセンティブと手数料
エイダコインに新しく追加される報酬プログラム「ステーキング」に関する手数料システムを構築しているというものです。手数料が高すぎるとユーザーが離れ、安すぎるとうまみが無くなる為に妥協点を模索している様子です。技術に偏り過ぎず投資家を飽きさせないための対策でもあり、カルダノが多方面に力を入れていることがわかります。

DEEP VALUT(耐量子コンピューター電子署名方式)
仮想通貨の大敵である量子コンピューターによるハッキング対策です。人が千年かけて計算するような作業を量子コンピューターはあっという間に完了させてしまいます。それをハッキングに使われると現行の暗号システムではセキュリティを守れるものは多くありません。 すると暗号通貨もその匿名性が破られてウォレット情報などが漏洩してしまい破綻してしまいます。それを防ぐシステムがカルダノに導入されるのです。ブロックチェーンをさらに強化した技術を持つのは、現在のところカルダノ一企業だけです。

チェックポイントからの読み込み

ローンチイベントで言及されていた、ブロックの同期を早めるという事です。Daedalusウォレットを起動する時、ジェネシスブロックと呼ばれる最初のブロックから最新のブロックに至るまでチェーン上のすべてのブロックを読み込んでいるので立ち上がりが遅く感じてしまいます。 そこで起動改善としてチェックポイントが導入されるのです。一定の場所でチェーンを区切り、そこから先だけを読み込むようにするのです。 読み込みを短縮する事でウォレットの起動時間も短縮できるというシステムです。

もちろん全てを読み込まないと過去の取引履歴が共有されないために、ネットワークのセキュリティを弱めることになります。 参照したチェーンがメインチェーンに繋がっていない不正なチェーンの可能性もあり得ます。 それに対して、不正チェーンを検出できるようになる対策なのです。

ライトクライアントの対応
現在のダイダロスウォレットにWindowsパソコンからアクセスするには64bit OSという高機能な環境が必要となり、32bit OSや64bit OSでも低スペックの動作環境からアクセスすることはできません。(Mac OSはバージョンさえ満たしていれば動作可能です)

このようなダイダロスの制限に対して「ミドルウェアネットワーク」「チェックポイントからの読み込み」の対策でも起動が困難な環境(低スペックPCやスマートフォン)からも簡単にアクセスできるための新しいウォレットの開発です。ライトクライアントシステムが完成すると誰でも簡単にアクセスできるという事がセールスポイントとして使えるので、劇的にユーザーが増えることが予想できます。

可読性の高いアドレス
ビットコインなどの仮想通貨の難点は、受信用ウォレット、送金用ウォレットに分かれているにも関わらずそのネットワークアドレスが暗号化されていて分かりづらい事です。
これを誰にでも分かるように、暗号化されたアドレスを自身で好きな名前に変更可能になるのです。

カルダノがロードマップで伝えたいこと

カルダノが考えているエイダコインの未来構想には次の4つがあります。

1.日々のセキュリティ対策などサポートを強化し、通貨として安定性を保つ事。
2.万全なセキュリティ対策
3.世界中で安心して快適なネットワークを提供できるようにする。
4.Proof of stakeを実用化する。

これらの環境が整って、初めて流通可能だとカルダノは考えています。「投資」である前に「お金」のとしての価値を決める事が第一です。この課題を解決した後の安定性が今後のエイダコインの市場価値を決めていくのです。