仮想通貨取引を始めて間もない初心者の方や仮想通貨取引を始めた方にとって最初に感じる壁というのが、リスクをどのように抑えて利益を出していくかについてです。仮想通貨取引を始める前は、様々な情報や広告を見て「仮想通貨は簡単に価格が上がる」というような簡単なイメージを持ち、一獲千金を狙えると感じます。しかし、多くの方は実際に取引を始めてみると、価格の上下に振り回されたりして思いのほか収益が伸びず、損失が増えていくといったパターンが多いでしょう。
値動きの激しい仮想通貨の価格予想は難しい
なぜ、仮想通貨取引で収益を伸ばすことができないのか。それは、投資経験が足りないことや、現在の相場の価格変動が激しく、仮想通貨の価格がどうなっていくのかという予想が難しいということが挙げられます。2018年3月時点でのビットコイン相場は下落基調になっており、ほとんどの仮想通貨の価格が下がっている状態が続いているので、「価格はもう底を打ったのか、それとももっと下がるのか」と悩んでしまい、初心者はなかなかエントリーポイントを見つけるのが難しくなっています。
また、投資経験が足りないという点については、今すぐ改善できる部分ではないので、ビットコインや自分が購入したアルトコインの価格の動きを毎日チェックしたり、仮想通貨の情報を収集するなどして徐々に力を付けていくしかありません。
しかし、闇雲にビットコイン取引を続けていても、損失が増えていくことが予想されます。そこで、今回は仮想通貨取引初心者が覚えるべきリスクと価格分析方法について解説します。
仮想通貨にも価格変動リスクがある
仮想通貨取引を始めた、投資未経験者の方には仮想通貨取引は簡単で、価格はすぐ高騰するから、短期間で大きく稼げるといったイメージを抱くことでしょう。確かに、仮想通貨取引自体は、スピーディ且つ簡単に売買が成立します。しかし、あくまで取引操作は簡単ですが、稼ぐとなると話は別になります。
仮想通貨取引は投資と同じです。まずリスクを知ることが大切です。一つ目は、価格変動リスクです。これは、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨の価格は、常に変動し、いつ下落するか分かりません。仮想通貨の価格は上がる可能性があるのと同様、下落する可能性も同じだけあり、あなたの資金が減る場合もありますよということを指しています。つまり、ビットコインの価格は、いつ上昇・下落するか分からないので、「絶対上がる」などと思わず、自己責任で投資をしなければいけないということです。当たり前の話ですが、いざ自分が仮想通貨取引を始めると、冷静な判断は難しくなります。なぜなら、仮想通貨の価格変動のボラティリティは激しく、自分の資金が瞬時に増えたり、減ったりしているからです。
客観的に見れば、投資をしているのだから価格が変動するのは、当たり前なので焦る必要はないことが理解できます。しかし、自分の資金がマイナスになるリスクを負うと、途端に冷静な判断ができなくなり、保有している仮想通貨の価格が大きく下落をしていても、ここで確定したくない、損切りしたくないという気持ちが表れ、そのまま保有し続けてしまうことがあります。しかし、適切な時期に損切りをしないと、時間が経つにつれ、損失が大きく拡大してしまう場合があります。
価格変動リスクということを理解するためには、まず自己資金が減ることもあると理解する必要があります。そして、価格の上下にふりまわされず、冷静な判断をすることが大切なのです。
仮想通貨価格変動リスクには資金管理で対応する
仮想通貨取引のリスクの中に、価格変動リスクがあるということは解説しました。では、次にどのように価格変動リスクを抑えるか、そして心理的にどう対処していくか方法を紹介していきます。
まず、価格変動リスクのない仮想通貨市場は存在しないということを理解しておきましょう。どうしても、心理的に価格が下落することに不安を覚えて、様々な有料ツールを使う方もいますがほとんどは効果のないツールになります。また、ビットコインやアルトコインといった全ての仮想通貨には、価格変動は付きものです。そして、仮想通貨投資とは、その価格変動を利用して収益を伸ばすものと理解することも必要です。価格変動が無ければ仮想通貨に投資しても、損失も利益もありません。
また、仮想通貨が株式よりも大きな利益を期待できるのは、価格変動の幅が大きいからです。一日で何割も価格が上昇することもあれば、逆に半値近くに暴落してしまうこともあるというような「価格変動の大きさ」こそが、仮想通貨の魅力とも言えるのです。つまりリスクとリターンは表裏一体ということですので、仮想通貨に投資するのであれば、価格変動をマイナス面から捉えるだけではなく、プラスの面から捉えることも、非常に大切な考え方となります。
次に、価格変動リスクに対してどのように対処していくかですが、まず資金管理を工夫することから始める方法もあります。資金管理とは、自己資金をどこから持ってきて、どのように運用していくか管理することです。例えば、仮想通貨の価格変動のチャートを見るなどして、明確に上昇相場と判断できるとことでエントリーするのであれば、比較的利益を得やすい相場なので、資金投入する金額も多めにしてもいいです。
逆に、上昇相場になるかどうかの節目でエントリーするのであれば、いつも投入している資金の何割かで抑えます。そして、実際にその通貨の価格が上昇した段階で追加資金投入し、最初の損失リスクが高い段階では少額に抑えてリスクを減らします。このように、仮想通貨の価格のチャートを見て、リスクが高い場面か、低い場面かを判断し、リスク度合いによって投入する資金量を調整することも資金管理の基本です。
価格変動リスク=下落した時に、エントリーしていたという機会を減らすために、相場状況によって資金を投入する金額を変化させます。これをすることによって、なるべく損失機会を減らし・損失額も抑える事に繋がります。
仮想通貨の価格変動要因は株やFXから学ぶ
仮想通貨取引を始めた方の中には、価格分析方法について疑問が湧くかと思います。仮想通貨そのものが新しくできた通貨であり、新しく生まれた市場なので仮想通貨独自の価格分析方法というのは2018年時点でありません。従って、株式投資やFXで使用されている分析方法を、仮想通貨に対しても用いる必要があります。その価格分析方法というのが、テクニカル価格分析とファンダメンタル価格分析です。
テクニカル価格分析とは、過去のチャートや出来高などのデータを集めて、それぞれの指標で計算し将来の価格を予測します。つまり、価格を決めるのは過去の価格やデータによるという前提があるので、外的要因による予測は含みません。ですので、一般的に短期取引で効果を発揮しやすいといわれています。
なぜなら、中長期相場では時事情報や経済指標により、価格変動を起こすパターンがあるからです。対して、前述の短期取引では、ファンダメンタル要因で価格が変動しにくい傾向があるので、結果的にテクニカル価格分析で予測をすることになります。
ファンダメンタル価格分析は、経済指標や時事情報により相場の動きを予測する価格分析方法です。しかし、仮想通貨専門の経済指標はないので、少し改変されて現在は需給関係や時事情報で判断する方法になっています。仮想通貨のファンダメンタル価格分析については、現在議論されており今後判断要素が変化する可能性があります。
ただし、中長期的には時事情報による相場への影響も無視できず、特にビットコイン分裂や取引所への不正ハッキング、最近では仮想通貨規制に関するG20の時期にも、ビットコインの価格は大きく変動しています。また、仮想通貨の価格変動要素については今も明確な答えがないので、各個人で独自に手法を確立する必要もあります。
仮想通貨の価格分析は仮想通貨の今後を予測する事
仮想通貨取引に慣れてくると、自分が得意なチャートパターンが見えてきます。そして、同時に自分がどの程度のスパンで取引するのが、生活パターンと合うのかも分かります。例えば、会社員の方で土日しか時間がない方は、毎日短期取引をして小さな利益を積み重ねていく手法は難しいです。平日の仕事に追われつつ、ビットコインの価格分析を片手間に行うと思わぬリスクを見逃す場合があります。
従って、この場合は、土日に中期的な取引計画を立てて注文も仕込みます。そして、次週に調整と新規に注文をするか考え、また取引を再開します。仮想通貨は、株式市場と違い24時間365日市場が開いています。ですので、時間のある日にじっくりビットコインの価格分析した方が、冷静に判断することができます。
仮想通貨取引で利益を出したいのであれば、焦って大博打をせずじっくりビットコイン相場の特徴を掴むことが大切です。そして、特徴や自分の得意パターンが見えてくれば、ある程度自分なりのエントリーポイントも分かり、勝率を上げやすくこともあります。なによりも、焦らず仮想通貨取引に向かうことが、実力を付ける方法に繋がります。