仮想通貨交換業者の登録制が生まれた背景と事前審査について
仮想通貨の取引は国などの管理が行き届かないところで行われていましたが、マウントゴックスの経営破綻のように突然の取引所閉鎖や仮想通貨の価格の極端な急変動により利用者が不利益を被ってしまうこともありました。また仮想通貨の取引を代理で行なうと謳って投資資金を騙しとる詐欺行為や、取引所が経営破綻しているにも関わらず、仮想通貨のリップルへの投資資金として140万円を騙しとる詐欺行為もありました。そのようなことから金融庁は仮想通貨の取引を行なえる取引所を登録制にして、仮想通貨の取引は仮想通貨交換業者として登録された取引所でのみ行なうことが出来るようにしました。
日本国内で取り扱える仮想通貨も取引所毎に決められることになり、基本的には仮想通貨交換業者に登録申請した際に取り扱う仮想通貨として申請を行った仮想通貨を許可が降りれば取り扱うことが可能となります。仮想通貨交換業者として登録されるにはまず事前審査が行われますが、その事前審査では3つの審査内容を満たす必要があります。
1つ目は取り扱う仮想通貨や取引を行なう形態などについて、取り扱う際に生じるリスクなどの説明や情報の提供を行なうことになっています。2つ目は取引所の保有分と利用者からの預かった資金を明確に分けて、利用者から預かった資金を分割管理する場合には、分割管理の執行方法などが取引所の社内規約に明記されていて、利用者が認識出来るように契約書に反映されていることとなっています。そして3つ目はウィルスやハッカーへの対策やシステム障害などへの対策を行える態勢が出来ていることも求められています。
11社ある仮想通貨交換業者の登録業者と17社ある継続審査中の業者
仮想通貨交換業者としては、4月の時点で仮想通貨交換業を運営していたみなし仮想通貨交換業者のbitFlyerなど9社と新規に参入するSBIバーチャルカレンシーズやマネーパートナーズの2社となり、合わせて11社が登録業者となりました。仮想通貨交換業者に登録された取引所にはbitFlyerやビットバンクそしてQUOINEやビットポイントジャパン、そしてBTCボックスなどのように既に仮想通貨の取引を行っていて取引高も多い業者が登録業者に含まれていますし、証券会社その他からマネーパートナーズやSBIバーチャルカレンシーズ、そしてGMOコインやフィスコ仮想通貨取引所そしてテックビューロなどが登録業者に含まれています。
一方コインチェックやみんなのビットコインなど17社が継続審査中となり、その他の12社が廃業することになりました。なお、みなし仮想通貨交換業者で継続審査中となっている業者は申請を行なってから2ヶ月間継続して運用を行なうことが出来ますが、コインチェックやみんなのビットコインは9月に入ってから申請を行っているため、11月末までには仮想通貨交換業者に登録されるかどうかの結果が出ると推定されます。
仮想通貨交換業者登録制によりホワイトリスト入りした15種類の仮想通貨
仮想通貨の取扱所で取り扱っている仮想通貨をホワイトリストといいますが、仮想通貨交換業者の登録によって、どの仮想通貨がホワイトリストに入るかも注目となっていましたが、現状15種類の仮想通貨がホワイトリストに入りました。
まず新規に参入するSBIバーチャルカレンシーズやマネーパートナーズはビットコインのみの取り扱いから始まりますが、みなし仮想通貨交換業者であった他の9社はビットコインとビットコインから分岐したビットコインキャッシュを取り扱っていて、BTCボックスのみビットコインとビットコインキャッシュの2種類の仮想通貨を取り扱っています。
取引量が多いイーサリアムを取り扱っている取引所は、フィスコ仮想通貨取引所やBTCボックスそして新規に参入した2社以外の7社となり、GMOコインとQUOINEはビットコインとビットコインキャッシュそしてイーサリアムの3種類の仮想通貨を取り扱っています。
そしてリップルやライトコインを取り扱っている業者はビットポイントジャパンやビットトレードそしてビットバンクになり、bitFlyerはリップルを取り扱っていませんがライトコインは取り扱っていますし、日本生まれの仮想通貨であるモナコインを取り扱っている取引所は、bitFlyerやビットバンクそしてビットトレードやテックビューロそしてフィスコ仮想通貨取引所の5つの取引所で取り扱っています。
一方フィスコ仮想通貨取引所とテックビューロのみで取り扱っている仮想通貨はフィスココインやネクスコインそしてカカコインの3種類の仮想通貨となり、テックビューロのみで取り扱っている仮想通貨はカウンターパーティーやZAIFそしてZenやネムなど7種類の仮想通貨を独自に取り扱っています。
そして日本で最大クラスの取引量を誇っていながら継続審査中になっているコインチェックは、テックビューロに次ぐ12種類の仮想通貨を取り扱っていてMoneroやDashなど日本で取り扱っている取引所がない仮想通貨も取り扱っていますし、Z-Cashのような匿名性が高い仮想通貨も取り扱っていてその為なのか継続審査中となっていますが、今後審査が通って登録されるのかが注目されます。