高頻度取引会社の米バーチェファイナンシャルで世界的なトレーディングシステムの構築に尽力し、同社を電子取引のマーケットメークでほぼ一貫して利益を上げる会社として有名にしたマイケルオベット氏が今度は仮想通貨取引所のあり方に革命を起こそうとしています。今回はマイケルオベット氏が作った仮想通貨の「エアスワップ」を紹介します。
エアスワップとは?
オベット氏が共同創業したエアスワップは、分散型の仮想通貨取引所です。イーサリアムのブロックチェーンという新しい技術がこのエアスワップを可能にしました。このエアスワップの一番の特徴は、分散型ネットワーク上で仮想通貨の入出金記録を管理する同技術の下、売り手と買い手に権限を握る者が存在しないことが挙げられます。代わりにスマートコントラストといわれるコンピュータープログラムが世界のどこかで仮想通貨を売買する投資家同士を引き合わせてくれます。このエアスワップを行う仮想通貨取引所は完全に相対なので、ユーザーアカウントがなく身元が明らかになりません。「エアスワップで新しいのは、ニューヨーク証券取引所もナスダックも介在せず規制を決めるものがいない事だ。これは今までになかった」と仮想通貨やブロックチェーンに詳しい市場構造アナリストのジョンソン氏は話します。
エアスワップの可能性
エアスワップの機能は金融や不動産取引などでさまざまな業種で仲介者をなくすという、ブロックチェーン支持者の多くが達成したがっている事です。スワップのおかげで仲介業がなくなれば、社会の仕組みが大きくかわることになります。また、エアスワップのおかげで、投資家をコントロールしようとする政府の試みに対しても、この仮想通貨取引所を使うことで自由になれる可能性が高まりました。中国当局では仮想通貨を禁止しつつありますが、エアスワップのような分散型は大丈夫とベット氏は話しております。口座もないので「このエアスワップのシステムで中国トレーダーが利用しているかどうかも分からない」という発言も上がっています。
エアスワップはDRWホールディングスやDVチェーンなどの仮想通貨を売買する大手機関投資家を引き付けたい考えです。仮想通貨の60%~80%は店頭取引なのでこの部分の取り込みを目指しています。エアスワップは基本的に、仮想通貨に投資するような大手機関投資家が利用をし、新たな顧客と出会うための合理的なシステムだと考えられています。
エアスワップによって変わること
エアスワップの登場により仮想通貨市場だけではなく金融市場が大きく動く予想です。まずブロックチェーン技術を使い中央管理や権限を無くすことで資産が偏らない、誰もが稼げる投資として仮想通貨が広まるでしょう。さらに仮想通貨の売買益にかかる税金の施策もだいぶ変化することだと思います。つまり売買自体は匿名のためエアスワップのなかでどのくらい稼ごうが株と違って固定資産扱いもなく、さらには仮想通貨取引所でお金を換金したとしても直接収入には加担されないので資産の分配として使われる可能性も高まるでしょう。現在の日本では誰がどのくらいの資産を持っていてどのくらい投資で利益を得ているかは一瞬でわかってしまいます。なので株や先物などで稼いだとしても手数料や税金で利益が少なくなるのが現実です。お金を持てば持つほど納税や手数料が厳しくなります。もし、エアスワップを使い、匿名で利用できたらどう思いますか?今まで稼いだお金が少なからず直接的に利益になるのです。それを仮想通貨で実現しようとしているのがエアスワップです。
私達のお金は現在中央政権によって監視されています。どれだけ資産を増やしても税金が取られます。そしていくら頑張って稼いだとしても結局のところ少なくても4割は国に持っていかれるのです。しかしこれは国を支えていくためには必要な仕組みでもあるので一概に間違いとは言えませんが、資産を全て監視されているのはなにか違うと感じる事は無いでしょうか?この中央政権からの監視を避ける唯一の方法としてエアスワップの仮想通貨取引が今後一つの方法として主流になるでしょう。最近では政府が仮想通貨取引を監視体制に入ろうとしています。海外では政府によって閉鎖したところがかなりあります。その中で今現在使っているような、主流の仮想通貨取引所も今後政府に監視されるか、なくなるかしか選択肢がなくなってきます。
コインチェックやビットフライヤーのような仮想通貨取引所がもし政府の管轄になり、コインを売買するたびにコインで稼いだ利益の3割を税金として納めなくてはならなくなったらどうでしょうか?だれも稼げなくなってしまうのです。そうなったときには投資離れをしてしまうのは必然ですね。「どうせ勝っても税金取られる」「手数料でほとんど持っていかれる」「結局マイナスだ」などという理由で投資離れをしていくのです。日本国は投資をやらないと国にお金が円滑に回らなくなってしまう仕組みはあの有名な福沢諭吉が作ってからなにも変わりはありません。ということは政府は自分で自分の首を絞めているのです。多額の税金を国民に課せ国のお金の流れがどんどん悪くなるので結局は国自身もマイナスなのです。
ところで最近金融緩和がよく行われているのはご存知でしょうか?これは国のお金が円滑に回っていない証拠です。なので政府は定期的に金融緩和をしなくてはいけないのです。国民が投資をしやすい国にしていくのが今後の日本を円滑に動かすポイントです。エアスワップはそれをより実現させるシステムだと考えています。日本でもエアスワップで取引できるようになるのは近い将来の話です。この期を逃さずに、エアスワップに注目してほしいです。
エアスワップがコインにもたらす影響
エアスワップがコインにもたらす影響は大きいです。まずイーサリアムのブロックチェーンを採用していることで、仮想通貨のイーサリアム、イーサリアムクラシックの信用は上がります。世界にエアスワップが広がればの話ですが近い将来にエアスワップが広がる可能性は大いにあります。そしてエアスワップの記事が発表されてからイーサリアムは数時間で0.33%~0.5%の値上がりをしています。さらにはイーサリアムのブロックチェーンが信頼されることによってイーサリアムの基盤で作っているシステムは確実に値上がりをしてくるでしょう。現在だとネムが4.38%の値上がりを見せています。そして主要仮想通貨のビットコインも値上がりを続けます。これはイーサリアムとは少し離れますがブロックチェーン技術の代名詞と言われるビットコイン。エアスワップによってブロックチェーンは優れているものだという認識を持たれれば仮想通貨とブロックチェーンの代名詞であるビットコインも自ずと成長をします。
エアスワップのリスク
エアスワップのリスクは先ほど少し説明しましたが「仲介を無くす存在」ということです。現在ブローカーは仲介で稼いでいるといっても過言ではありません。これは株や不動産ブローカーも同じことが言えます。そのため仲介業が減ってしまうともちろん失業率は上がるでしょう。日本の職業人口としてもっとも多いのが仲介業です。なかにはブローカーのブローカーまで存在します。金融関係は仲介がメインの業界になります。株や先物、保険、不動産は仲介がほとんどです。
しかし消費者的には仲介は美味しくはないので、エアスワップが注目されることになります。まずなにをするにも仲介手数料をとられてしまうため仲介手数料を気にして金融商品に手を出す人が少なくなってしまうのです。なのでいかに仲介手数料が安いところを探します。賃貸の仲介でも最近では仲介手数料を無料にするところもあります。このことからエアスワップによって金融商品を匿名でさらには中央政権が存在しないので仲介手数料がない取引ができます。このことによってエアスワップの人気は上がりますが仲介業者がどんどん衰退していくのは目に見えてきます。こちらのリスクも加味しながら今後の仮想通貨取引が円滑に進んでいけるように施策を整えて欲しいものです。エアスワップはかなりの魅力がありますがそれなりにもリスクが存在します。