仮想通貨の世界には有名な人が何人もいます。例えばウィルス対策ソフトMcAfee」創業者のジョン・マカフィー氏。マカフィー氏は『マカフィー砲』で有名で、マカフィー氏が呟いた通貨は大きく上がることで有名です。19歳でイーサリアムを考案した天才ヴィタリック・ブリテン氏、そして「Bitcoinの神」と呼ばれているロジャーバー氏がいます。
彼を特に有名した一言は「ビットコインキャッシュこそが真のBitcoinである」です。この一言によってビットコインキャッシュは大きく価格を上げ話題になりました。今回は「Bitcoinの神」と呼ばれているロジャーバー氏とビットコインキャッシュを紹介していきます。
ロジャーバー氏とは何者?
ロジャーバー氏は、1979年2月にアメリカのサンノゼで生まれました。2014年にアメリカの市民権を放棄し、現在はセントクリストファーネヴィスの市民権になっています。ロジャーバー氏のBitcoinへの投資は1ドル前後だった、2011年からから始めすでに100万ドル以上投資しているとされています。そして2016年MGTキャピタルインベストメントの暗号通貨諮問委員会の会長に選出されています。
ロジャーバー氏の発言は良く言えば歯に衣着せぬ発言ですが、悪くいえばかなり過激な発言として有名です。冒頭で書いた「ビットコインキャッシュこそが真のBitcoinである」もそうですが、もう一つ有名な発言があります。それは「ビットコインキャッシュが仮想通貨トップのビットコインやイーサリアムが抜き、トップの地位に就く日も近いだろう」と発言をしたことです。
理由としては、ビットコインキャッシュの取引手数料、処理能力、承認速度などで重要な部分がすでにBitcoinを超えていることが多くなっている、との見解でした。現在時価総額はBitcoinが約14兆円でイーサリアムの時価総額は、約5兆円と約3倍の開きがあります。正直約3倍の時価総額をひっくり返すのは中々難しい気がしますが、何がきっかけで大きく価格を上昇させるのか分からない世界なので、全くありえないとは言えないでしょう。
ロジャーバー氏がビットコインキャッシュを推す理由
次にロジャーバー氏がどうして「ビットコインキャッシュこそが真のビットコインである」と発言をしたのかについて検証していきます。ロジャーバー氏がこの発言をしたのは2017年10月でした。元々Bitcoinはスケーラビリティ問題に悩まされていました。スケーラビリティ問題とは、取引量の増加による送金の遅延を引き起こしてしまうというものです。特にブロックサイズが1Mとかなり小さいため、元々スケーラビリティ問題が起こりやすいのですが、昨今の需要によってより深刻な問題となっていました。
このスケーラビリティ問題を解決するためにハードフォークにより誕生したのがビットコインキャッシュです。ビットコインキャッシュのハードフォークというのは、ビットコインキャッシュで取引をするデーターのサイズはそのままですが1ブロックの容量を大きくする、というものです。ロジャーバー氏は先の発言と同時に「資産の大半をビットコインではなくビットコインキャッシュで保有している」、「ビットコインキャッシュがビットコインを2019年までに追い抜く」と発言をしています。
そして今年の4月10日のブルームバーグテレビジョンインタビューでロジャーバー氏は「まだある程度は持っているが、大部分はビットコインキャッシュに替えた」と答えています。ロジャーバー氏がどうしてビットコインキャッシュを推しているのかというのは、ロジャーバー氏の思想部分に深く関係しています。ロジャーバー氏は自分自身がリバタリアン(無政府資本主義者)であると主張しています。
ロジャーバー氏は暗号通貨が全国共通の通貨になる可能性があることから、支持していると言われています。ただBitcoinはスケーラビリティ問題などを抱えているため、通貨として使用するのは現実的ではない。と考え、ビットコインキャッシュを推しているのではないかと推測できます。
ビットコインキャッシュとは
前述したようにビットコインキャッシュは昨年Bitcoinのハードフォークによって誕生しました。ビットコインキャッシュの誕生は多くのニュース番組でも報道されたので、覚えている方も多い事でしょう。ただ本当は、ビットコインキャッシュが誕生するという予定はなかったそうです。ではどうして、ビットコインキャッシュが誕生したのかを説明していきます。本来ビットコインキャッシュではなくビットコインをソフトフォークするという話が進んでいました。
ソフトフォークというのは、データーのサイズ小さくし、トランザクションの数を増やすことです。しかしここで中国最大手のマイニング企業であるビットメイン社が、反対をします。なぜならば、ソフトフォークをすることで、今まで使用してきたマイニング機器が使用できなくなってしまうからです。結局ソフトフォークされずにハードフォークされてしまいました。
ビットコインとビットコインキャッシュの違い
ではビットコインとビットコインキャッシュはどのようなところに違いがあるのでしょうか。分かり易くするために表にまとめてみました。
表を見てわかる通り、コインの性能上で明確に異なっているところはブロック容量の違いとリプレイアタックとマイニング難易度調整の有無です。まず最大ブロック容量について説明していきます。表を見ての通りブロックサイズがビットコインキャッシュはビットコインの1MBに対して8MBになっていることから、ビットコインキャッシュは8倍の量取引記録を処理できるので、ビットコインキャッシュの処理スピードが大幅に上昇しました。
次にリプレイアタックというのは、勝手に別の仮想通貨が別の場所に送金されてしまう、ということです。最後にマイニング難易度の調節です。Bitcoinのマイニングは計算が難しくなり過ぎるとブロック生成時間が遅れ、取引が遅れてしまう可能性が高くなってしまいます。難易度の調節は2週間行われないため、さらに送金の遅れを引き起こしてしまう原因の一つになってしまっています。
逆にビットコインキャッシュは10分に1度難易度の調節が行われているため、難易度の急激な上昇によって、ブロック生成時間に後れをきたすようなことはビットコインキャッシュは少ないでしょう。
ロジャーバー氏が断言するビットコインキャッシュの将来性
今後ロジャーバー氏は2019年までにビットコインキャッシュはビットコインを上回る――と言っていますが果たして本当にそのようなことになるのでしょうか。ただ今後ビットコインキャッシュにとってよいニュースがあるようです。
・ビットコインキャッシュを基軸通貨とする取引所ができる。
・アフリカへの進出。
最後にかなり近々の予定ですが、2018年5月にビットコインキャッシュはハードフォークをする予定のようです。ビットコインキャッシュのハードフォークの目的は、ブロックの容量を現在の8MBから32MBにするだけではなく、ビットコインキャッシュを将来イーサリアムのようなスマートコントラクトを実装するためだといわれています。ハードフォーク前はビットコインキャッシュの価格の高騰が予測されますので、気になる方はビットコインキャッシュの価格が上昇しないうちにビットコインキャッシュを購入しておくのも良いでしょう。