2008年の開発スタートから10年目になった仮想通貨ですが、2018年の相場は全体的に下落基調で始まっています。2017年には、1BTC200万円を超える価格を記録したビットコインも、2018年4月時点では、1BTC70万円台で推移している状況です。億り人や急騰相場を見て、仮想通貨取引を始めた多くの人が、下落相場で損失を増やしたことでしょう。
しかし下落相場は、株式市場やFXでも必ず起きる事象です。ですので、投資経験者で仮想通貨取引をしている方のなかには、あらゆる取引テクニックを用いて利益を出している事例も存在します。また、下落相場で仮想通貨が衰退していると考えている初心者の方もいるかもしれませんが、まだ答えは出ていませんので早計といえます。何より取引所や仮想通貨を事業としているベンチャー企業が国内外に存在しているので、仮想通貨は発展していく余地があるということです。
そこで、今回は2018年から仮想通貨取引を始めようと検討している方などに向けて、ビットコインなど下落相場が続いている状況でどのように取引を進めていくのか、その方法を紹介します。
ビットコインなど仮想通貨相場は下落基調が続いている
ビットコイン相場を例に見てみると、2018年1月から下落していると考えている人が多いです。しかし、2017年のチャートから分析すると、12月上旬に1BTC200万円を超える価格を記録したのち、12月中旬から1BTC160万円台まで急落しています。また、移動平均線に対して剥離した形で価格上昇していたことも読み取ることができます。ですので、2017年12月に入るとビットコイン相場は下落の兆しが出ていたこと、中旬から既に下落基調になっていたことが分かります。
仮想通貨市場が下落した原因は、今も結論が出ていませんし今後も明確な答えを出すことが難しいです。しかし、ビットコインのチャートを見てみると下落が始まったのは、2017年12月の高騰から反落したのちに、150万円台をキープできていませんでした。考えられることとしては、相場が過熱し過ぎたことや、本来のビットコインの適正価格ではなかったことが挙げられます。また、2018年1月から下落していたということではなく、1月も下落は続いていてコインチェック問題や仮想通貨規制の議論が本格化してきたことが、下落を加速化・長期化させる原因のひとつだと見ることができます。
そして、2018年2月のビットコインチャートを見てみると、一旦下落が収まりレンジ相場から上昇へと繋がりそうな動きになっていました。具体的には2月19日辺りと月末で、1BTC100万円を超えた価格を記録していました。
ただし、どちらのチャートの時も、120万円台が天井の役割となり下落していきました。3月のチャートは、1BTC100万円台に上昇することはなく、70万円台まで下落を続けました。3月は、仮想通貨広告に関する規制やG20での仮想通貨規制についての議論があるなど、仮想通貨そのものが規制されている訳ではないのですが、市場はリスク回避の動きへと強い方向性を持つきっかけと考える事ができます。
特に、仮想通貨の広告に関する規制は、近年増加しているフィッシング詐欺などに対する措置としての意味が含まれているといわれ、ユーザー保護に動いているのですが仮想通貨規制というイメージを持つ方が少なからず市場にいたということも原因といえます。
そして新年度になり4月からも、ビットコインチャートは下落基調です。移動平均線もデッドクロスの形になり今後もしばらくは、下落とレンジ相場を繰り返すような動きになる可能性が高いです。
2017年に通用した手法も2018年の相場では難しい
2017年の仮想通貨相場は、上昇相場で形成されていたこともあり比較的誰もがビットコインを購入しても、ある程度の利益になるなど右肩上がりでした。ですので、中には投資未経験且つ取引手法や分析を覚えずに感覚で取引を行い、利益を出す方もいました。
また、億り人という仮想通貨で大金を手にした方もいるなど、順張り投資であれば利益が出しやすい相場でした。しかし、仮想通貨市場は2017年末から現在にかけて、下落基調が続き感覚で取引を行ったり、順張り投資のみで取引したりと2017年と同じような感覚で取引していると損失を拡大させてしまいます。仮想通貨取引初心者は、まず下落相場やレンジ相場での対応についても覚える必要があります。
仮想通貨は、価格変動が激しく上昇相場であればプラスに働き、大きな利益を出すことが可能です。しかし、下落相場や暴落場面では、それが強く働くことになるので上昇相場と同じ順張り投資や、感覚で取引を続けることは難しいといえます。そこで、仮想通貨取引初心者は、2018年の相場を理解することから始めるのがよいです。2018年4月のビットコイン相場は、引き続き下落基調が続いています。ですので、順張り投資では高い確率で損失が発生します。
仮想通貨取引でどのような手法で取り組むか決める
下落基調が続く仮想通貨相場で、どのように対応していくか悩みますが、投資には様々な方法があります。まずは、時間に注目することです。投資全般の基本ですが、チャートは短期間に絞って見るか・長期間の相場で広い視野で観察するかによって、トレンドつまり相場の方向性が変わります。仮想通貨取引初心者ですと、時間によって上昇相場や下落相場の方向性が変わる概念に、慣れないかと思われますがこの感覚を掴むことが大切です。
例えば、ビットコイン/円のチャートで説明すると、まず短期間に絞って分析します。チャートの時間を30分足に直して4月5日~4月6日でチャートを見てみると、レンジ相場になります。安値は70万円辺りで、高値は74万円付近です。ですので、仮に安値で購入し、高値で売り抜ければ1BTCで取引した場合、約4万円の利益になります。
1日で4万円の利益を出すことが出来れば、効率も良いといえます。このように、長期的には下落相場でも1日単位に切り替えてチャートを見ると、全く違うトレンドになっていることが多いです。また、投資の基本でもありますが、前述のように短期・中期・長期のトレンドを読んでそれぞれの時間軸で、取引する戦略があります。つまり、その時々の各時間軸のトレンドを分析して、上昇相場が形成されていることや、これから形成されそうな場面を見つけて取引スタイルを変える方法があります。
今回のビットコインチャート・1日足の場合は、レンジ相場に対応する為に、逆張り投資で取引する方法も考えることができます。ただ、仮想通貨取引初心者は、逆張り投資で取引するのはリスクが高いので、分析しやすい順張り投資=上昇相場を見つけることが大切です。
仮想通貨相場は様々な時間軸で観察する
仮想通貨市場も株式投資を同様に、様々な時間軸でチャートを見ることが出来ますし、分析している期間によってトレンドが違います。今回の場合では、1日単位で見るとレンジ相場に近い・1週間で見ると下落相場寄りだが、トレンドが把握しにくい状態・1か月単位で見ると下落基調であるように、それぞれのトレンドが変わります。どの時間軸で取引するかは、好みですしどれ1つに絞るのもありです。また、得意な分析手法を軸にして時間設定も決める方法があります。
例えば、ファンダメンタル分析が得意なビットコイントレーダーがいるとします。この場合、ファンダメンタル分析は、中・長期投資に向いている分析方法なので、チャート分析の時間軸も1ヶ月以上で見ると相性が良いです。このように、仮想通貨取引の戦略の決め方は、様々な方法と考え方があります。基礎を覚えることが大事ですが、基礎を覚えた後は、自分なりにオリジナルの戦略を立てることが、必要になっていきます。