2017年の上昇相場を見て、2018年からビットコインやアルトコインへの投資を検討している方は、常に右肩上がりの相場をイメージしている場合もあるでしょう。しかし、2017年末から急騰の反動で急落して、2018年から下落基調へと転換しました。そこで投資を行った人の中には、ビットコインやアルトコインの取引で大きな損失を発生させて、市場撤退を余儀なくされた方もいるでしょう。

しかし、ビットコインやアルトコインそのものは、技術や価値に関して期待・発展されているので、今後もチャンスの可能性があります。そして、2018年からビットコインなどへの投資を検討している方や、すでに4月から取引を始めた方もいるかと思われますが、下落相場は続いているので、初心者には難しい状況といえます。また、2017年の上昇相場と同じ感覚で取引を行うと損失を発生させる頻度が上がる相場なので注意が必要です。

また、裁量取引も下落相場時には、経験と慣れが特に必要といえるので、ビットコインなどの投資初心者は基本を覚えて、理論的にリスク回避の方法を覚えることも重要です。今回は、2018年4月のような下落相場など、判断が難しい相場において、はじめてビットコインやアルトコイン投資を行う人が、覚えるべき基本について紹介します。

仮想通貨取引の基本はビットコインチャートを理解する事

短期と長期の仮想通貨取引を使い分ける仮想通貨取引初心者が覚えるべき基本のひとつは、これまでのビットコインチャートを理解することです。ビットコインは2008年に開発された、世界初の仮想通貨です。過去の記録をさかのぼれば、市場が形成された当初のチャートから見ることができます。

まずは、ビットコインがどのような経緯で、チャートが推移してきたのか分析しながら確かめることが重要です。なぜなら、これまでのビットコインチャートを知らずに取引を始めても、チャートが変動する要因やこれまでのパターンについて認識していないので、なかなか市場の流れを掴みにくい場合があるからです。ですので、どの時期にビットコインは上昇・下落し、どのような情報が出た時に急騰したのか、といった様々な過去の情報を覚えた上で現在の相場を見ると、何かしら照らし合わせることができるデータがあるかもしれません。

日々変わる仮想通貨市場に初心者が柔軟に対応するためには

次に、仮想通貨の相場は日々変わるという事を、認識することです。2017年の上昇相場のイメージを強く覚えている方もいるかもしれませんが、その上昇相場も永遠に続く訳ではありません。実際に、2017年末から急落し、2018年4月時点でも下落基調が続いています。そして、現在は下落相場が長く続いているので、今度はこのまま衰退するという考え方になる方も出てきます。

しかし、最近でも大手IT企業などが、仮想通貨市場に参入しブロックチェーン技術を用いた事業を行おうとしています。ですので、今後もこの市場は発展していくことが予想できます。そして、ビットコインやアルトコインを取引しようとしている投資初心者は、あまり悲観的になり過ぎず、冷静に相場を注視し価格変動は常に起こるものと、考えて投資を行うことが大切です。

仮想通貨市場は、現在も下落基調ですが利益を早く出したいと、焦るあまり無闇にエントリーすることは、リスクを高めるだけなので注意します。現物を取引する場合は、買いからしか行うことができないので、下落相場では利益を出しにくい状況といえます。しかし、そのような時こそ一旦取引から離れて市場を観察する方向で、考える事も良い方法です。投資は、休んで分析や観察に徹することも大事といわれ、下落相場時には様々な情報を仕入れる時期と考えてゆっくり過ごすことも時には必要です。

日々変わる仮想通貨市場に初心者が柔軟に対応するためには

ビットコインやアルトコインは、株に比べると新興市場なので価格変動も激しく、株式投資やFXの分析や理論がどこまで通用するのか検証しきれていません。従って、投資初心者は、リスクを減らす方向で基本を覚えることが大切といえます。まずは、資金管理です。現物を売買する場合でも、レバレッジ取引を行う場合でも、自己資金は必要です。ですので、これからどれだけの利益をどの期間で達成しようか、考えた時にどれだけの資金量が必要となるのか確認します。そして、例えば20万円必要だと分かったら、余裕資金で捻出させます。もし、捻出できない場合は、まずは余裕資金を貯めることを考えます。

そして、資金が貯まったら取引所に日本円を入金して売買を始めるのですが、どの商品で取引するか決めます。最近では、各取引所が様々な商品を提供しており、例えばビットコインFXというものもあります。信用取引は、現物取引と違い取引の仕組みが違います。

また、どの仮想通貨銘柄を購入するかも決めます。仮想通貨銘柄は数1,000種類あるので、最初はどれを選ぶか悩みます。しかし、中には通称草コインと呼ばれる、ほぼ取引されていないものもあり、価格が大きく飛ぶこともありますし、そもそも取引相手がいない場合は、購入や売却そのものができないことがあります。従って、時価総額10位以内の

・ビットコイン
・イーサリアム
・ビットコインキャッシュ
・ライトコイン
・リップル

などから選ぶことが、注文しやすく売買も成立しやすいです。また、価格帯の層も厚いので、価格が飛ぶ可能性も低いのでリスク回避に繋がります。

仮想通貨取引の長期投資で利益を出す

下落相場など仮想通貨取引初心者が柔軟に対応するにはビットコインやアルトコイン投資の基本を覚える為に、取引期間から考える事もできます。ひとつは、長期投資があります。長期投資とは、半年や1年以上のスパンで1回の取引を完了させる方法です。メリットは、時間をかける分大きな利益を出しやすい、自己資金が20万円など多額の資金でなくても取引戦略を立てることができる、といった点があります。対して、デメリットは大きな価格変動リスクがある、将来の価格予測を長期的に分析できる力が必要といった事があります。

また長期投資は、ファンダメンタル分析で予測する方が相性がよい傾向にあります。なぜなら、長期的なチャートは、需給関係よりも経済状況や関連する技術的発展の要素、仮想通貨自体の価値に関係する外部要因によって、連動する可能性が高いからです。ただし、これは株式投資の考え方を当てはめたものなので、確実にファンダメンタル分析が有効とは限らないことに注意です。

まとめると、これから長期投資でビットコインやアルトコインを取引したいと検討している方は、自己資金は目標利益と収益率を計算した金額、そして期間を含めて逆算します。そして、比較的値動きが激しくなく、出来高が常に多い通貨を購入することがポイントです。分析に関しては、どちらかというとファンダメンタル分析を活用し、外部要因とチャートの関係性を自分なりに分析しながら適宜調整していくことが大切です。

仮想通貨取引の短期投資ではチャート分析が重要

投資には、短期投資という方法もあります。株式投資などでは、デイトレードやスキャルピングという名称で行われてきた投資方法です。短期投資の特徴は、テクニカル分析とチャートが連動しやすい点にあります。なぜなら、短期間のチャートを見てみると、需給関係で取引されている傾向が強い為にあります。また、ファンダメンタル要因は情報が発表されてから、少しタイムラグが発生して徐々に市場へ波及することが多いので、短期売買のような短い時間の価格変動には影響が限定的といえます。

短期売買では、デイトレードという方法があります。こちらは、1日の中で売買を完了させる方法です。また、チャートは短期間になればなるほど、値幅が小さくなるので1回の利益は小さくなる傾向にあります。従って、何回も取引を繰り返して、利益を積み重ねる方法が多く用いられています。また、資金を回転させること、元々利益が少ない傾向なので資金力も必要です。ですので、仮想通貨投資の初心者で、少額資金から取引を始めたい方には、デイトレードはハードルが高い可能性もあります。しかし、仮想通貨は、取引単位が細かいので取引そのものは進めることが可能です。

短期取引は、利益を積み重ねることがポイントなので、テクニカル指標で分析力を鍛えて、損失を抑えつつ回転率を上げていくことが大切です。