インターネット証券大手マネックスグループは3日、仮想通貨交換業者大手コインチェック(東京)の買収に向け、最終調整しています。金融庁は、巨額の仮想通貨を流出させたコインチェックに、経営体制の基本的な見直しを求め、マネックスが経営陣を派遣し、再生を今後目指し、顧客基盤や技術を引き継いで、仮想通貨事業に本格的に進出する予定です。

マネックスが過半の株式を取得する方向へ

マネックスが過半数の株式を取得し、買収額は数億円の見込みだと、マネックスとコインチェック両社が、週末にも発表しました。マネックスは3日、「買収を検討していますが、現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表しました。

コインチェックは積極的な広告で、事業を拡大させました。しかし、1月下旬に約580億円の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した。金融庁が2回にわたり、業務改善命令を出し、経営改革を要求していました。

コインチェックの流出事件後、金融庁は登録申請中のすべての「みなし業者」の立ち入り検査にのりだし、リスクの管理体制が整っているかなどを調べ中です。新規登録も含め、審査は事実上、厳しくしている。みなし業者として営業してきたコインチェックは、登録を受けるには今後経営陣の斬新が不可欠で、和田晃一良社長取締役が役員から外れる方向で調整中でした。

仮想通貨交換業への参入に意欲があったマネックスは、新規登録を目指すより、コインチェックの経営基盤を引き継ぐ方が得だと判断しました。金融庁は、マネックスによる買収後のコインチェックの経営体制や経営計画などを精査し、登録の可否を判断する方向です。  

コインチェックを巡る動き

2018年1月26日 コインチェックから、顧客が保有する約580億円ぶんの仮想通貨が流出しました。29日は金融庁がコインチェックに一度目の業務改善命令を出しました。2月2日、金融庁は、コインチェックに立ち入り検査をした。13日は、コインチェックが再発防止策を報告し、日本円の出金を再開しました。

3月8日は、金融庁がコインチェックに2度目の業務改善命令を出しました。12日は流出したネムを保有していた顧客約26万人に約466億円を補償しました。仮想通貨の引き出しや売却といったサービスを一部公開した。22日に業務改善計画を提出しました。

4月3日は、マネックスグループの傘下入りの検討が明らかになりました。

仮想通貨交換みなし業者を一斉処分

金融庁が仮想通貨交換業者として登録申請中の複数の「みなし業者」に、4日業務改善命令などの行政処分を出す方針を固めました。一斉処分は、3月以来2回目。早ければ週末にも実施する予定だ。立ち入り検査で、内部管理体制が不十分だと判断しました。顧客保護のためにも見直しを迫り、コインチェック(東京)で1月仮想通貨流出のような不祥事を防ぐこととなりました。

みなし業者は、登録制導入前から営業していた交換業者に特別例として、認められる形だ。金融庁は、処分による監視に加えて登録審査を事実上、厳格にしています。対応できずに登録申請を取り下げて撤退する業者が増えて、選別が進む予定です。

仮想通貨交換業の登録が済んでいるのは16社である。コインチェックを含むみなし業者も16社あります。同庁はみなし業者全ての立ち入り検査を順次進めて、登録業者を含む7社を3月に処分しました。既にみなし業者のうち5社がすでに撤退を決めています。

他社にも預かり資産の分別管理、サイバー攻撃の防御策といった顧客保護体制に不備が見つかりました。営業継続の意向を示す複数のみなし業者に新たに業務改善命令を出す。3月と同じく、一部に対して業務停止も命じる可能性が十分にあります。

これまで2度処分されたコインチェックは、インターネットは、インターネット証券大手マネックスグループが買収に乗り出した。矢継ぎ早の処分は、新たな再編のきっかけとなる可能性もあります。