日本居住者向け取引を停止したクラーケンとは

クラーケン日本撤退の意味と日本の今後の立ち位置ユーロ圏内でのビットコイン取引量はトップクラスで世界でも10番目の取引量を誇るクラーケンが、日本居住者向けのサービスを6月末までに全て停止することを発表しました。

このクラーケンは2011年にサンフランシスコで設立されて2014年10月に日本に進出し、2015年にはマネーパートナーズと業務提携を行っていて、金融庁が認可している仮想通貨交換業者ではありませんが、以前から仮想通貨の取引を行っている業者であることからみなし業者として、日本人向けのサービスを行いながら仮想通貨交換業者の申請も行っていました。

そのクラーケンで仮想通貨の取引を行うには、チャートなどを見るだけで取引が出来ない認証レベル0からデジタル通貨のみ取引が行える認証レベル1、そして入出金額が上がり仮想通貨の現物取引が行える認証レベル2や、更に入出金額が上がってレバレッジ取引が行える認証レベル3、そして高額取引が行える認証レベル4と、5段階の会員種別があって認証レベルが上がるに従って本人確認がより精密になっていくシステムになっています。

そしてセキュリティは高くて入出金や発注などには2段階認証が行われ、インターネットから切り離されているコールドウォレットで暗号化された状態で扱われているため、安心して利用出来る取引所になります。

一方取り扱っている仮想通貨はビットコインやビットコインキャッシュそしてイーサリアムやライトコインなど日本でもメジャーな仮想通貨から、ダッシュやモネロそしてジーキャッシュのような匿名通貨や、メロンポートやイコノミなどのマイナーな仮想通貨まで16種類程の取り扱いを行っています。

クラーケンが金融庁に認可されなかったのは匿名性の高い仮想通貨がネックに

このようにユーロ圏内を中心に世界で利用されているクラーケンですが、金融庁が認める仮想通貨交換業者に認められませんでした。

しかもコインチェックのネム流出事件から仮想通貨交換業者やみなし業者への対応が厳しくなり、認可されている業者と同レベルの基準をみなし仮想通貨交換業者にも求められるようになっていき、その結果Mrエクスチェンジや東京ゲートウェイなど仮想通貨交換業者から撤退するみなし仮想通貨交換業者が増えてきていました。

そのような中でクラーケンは高いセキュリティを誇っていて経営体質も悪くはなかったのですが、金融庁に認可されないで、みなし業者のままであったのは、コインチェックと同じく取り扱っている仮想通貨の種類にあると推測されます。

特にダッシュやモネロそしてジーキャッシュといった匿名性が高い仮想通貨を取り扱っていることによって、マネーロンダリングやテロ資金への流用など犯罪に使用される資金が誰にも検知されることがなく送金されていく危険性があるため、金融庁として安易に認めることが出来なかったものと推測されます。

仮想通貨取引のガラパゴス化を防ぐ為に日本は国際的な規制と法整備の先頭に立つ必要があり

クラーケン日本撤退の意味を理解することによって防ぐ日本独自の規制によるガラパゴス化クラーケンが日本向けのサービスを全面的に停止することを発表した理由としては、急速に拡大する事業のグローバル化を最適化することを検討した結果であるということであり、金融庁の規制は関係ないということになっています。

しかし匿名性の高い仮想通貨を取り扱っていることがネックとなって日本国内で仮想通貨を取り扱える交換業者に認可されないということであれば、日本で仮想通貨を取り扱うために日本に居住している人はダッシュやモネロそしてジーキャッシュの取引を行うことが出来ないということになってしまいますし、逆にクラーケンの取り扱う仮想通貨からこれらの仮想通貨を取引出来ないようにすれば、既に取引しているユーザーに不利益を与えてしまう危険性が出てきてしまいます。

しかもクラーケンの取引量としてはそれほど多くない日本の規制に合わせることによって、一番取引量が多いユーロ圏内の取引に影響が出ることは避けたいでしょうから、日本から撤退してユーロ圏内中心で仮想通貨の取引を行うことの法がリスクが少ないと判断された可能性もあります。

ただそのようなことから日本向けのサービスを停止することになったとすれば、先んじて行ってきた仮想通貨取引に関する規制と法整備は先に行きすぎてしまい、その結果ガラパゴス化が進んでしまって逆に日本の仮想通貨取引の衰退を招く危険性があるということが出来ます。

そのため日本としては仮想通貨取引の規制や国際的な法整備を先頭に立って行なっていくことが重要になってきます。