仮想通貨取引業者が加盟する2つの団体

2017年以前から日本国内で仮想通貨の取引を行っていた業者は大きく別けて2つの協会に所属していました。1つは日本仮想通貨事業者協会でもう1つが日本ブロックチェーン協会でした。

日本仮想通貨事業者協会はマネーパートナーズの代表取締役が会長に就いていて、ビットバンクやコインチェックそしてSBIバーチャルカレンシーズの代表取締役が理事を務めている協会で、ビットフライヤー以外の後に金融庁に認定された業者ばかりでなく、コインチェックなどのみなし業者も含めた日本国内で営業している仮想通貨取扱業者の多くが加盟していました。

一方日本ブロックチェーン協会はビットフライヤーの代表取締役が代表理事を務めている仮想通貨事業者の団体になります。会員にはクラーケンやGMOコインそしてコインチェックなどが加盟していますが、その多くは日本仮想通貨事業者協会にも加盟していました。

どちらの団体も仮想通貨交換業者の適正な運営と利用者の保護を目的に内部規約を設け、会員になっている取り扱い業者の監督や啓蒙活動を行っていました。

仮想通貨交換業者の登録と資金決済事業者協会を認定する動き

一方金融庁はテロや犯罪による資金のマネーロンダリングなどを防止する目的で仮想通貨の取引を規制することになり、仮想通貨の取引を行うには金融庁の認定が必要になりました。

その金融庁の認定を受けるには1000万円以上の資本金があり、日本国内で仮想通貨の取引を行える純利益を挙げている株式会社でなければならず、取り扱っている仮想通貨の種類や特徴などリスクを含めて利用者に説明するように求められています。
一方利用者の保護を目的にセキュリティなどに対する体制強化も求められていて、それらの基準に合格した業者を認定してきていますが、現在は16社の仮想通貨取り扱い業者が認定されています。

その一方でその取り扱い業者を管理監督する資金決済事業者協会を認定して、その認定された資金決済事業者協会に加盟している取引所が仮想通貨の取引を行えるようにも決められました。
ただ当時は日本仮想通貨事業者協会と日本ブロックチェーン協会が存在していましたが、そのどちらも資金決済事業者協会への認定を目指していたためどちらかを認定することが出来ないでいましたが、コインチェックからのネム流出事件以降、日本仮想通貨事業者協会と日本ブロックチェーン協会がまとまって自主規制団体を発足させることの話し合いがもたれてもいました。

日本仮想通貨交換業協会設立によって強まるみなし業者への向かい風

日本仮想通貨交換業協会設立とみなし業者への向かい風仮想通貨事業者が加盟する団体は大きく別けて2つの団体が存在していましたが、統合に向けての話し合いなどを経て3月29日に日本仮想通貨交換業協会が設立されました。
そして、4月23日に総会と理事会を開催して会長や理事の選出が行われ、その結果会長にはマネーパートナーズの社長が務め、ビットフライヤーの社長とビットバンクの社長が副会長を務めることになり、その他5人の理事が決まりました。
今後は10人程度からなる理事局を中心にして、自主規制ルールを策定して各取り扱い業者の調査検証を行い、その結果利用者保護やマネーロンダリングなどを防ぐように加盟している取り扱い業者の監視を行っていくことによって、早急に資金決済事業者協会に認定されることを目指しています。

一方日本仮想通貨交換業協会が発足する以前、マネーパートナーズの社長が会長を務めていた日本仮想通貨事業者協会にはみなし業者も複数加盟していましたが、今回同じマネーパートナーズの社長が会長を務める日本仮想通貨交換業協会にはみなし業者は加盟していません。
しかしそのみなし業者として運営を行っている業者に対しても日本仮想通貨交換業協会は加盟している16社と同等の規制を守るように求めて、その一方で助言などを行う用意があることを日本仮想通貨交換業協会会長は述べています。

将来的には仮想通貨の取り扱いはこの日本仮想通貨交換業協会に加盟している取引所でないと出来ないことになっていくため、現在のみなし業者は認定に向けての努力が必須となり、その中では撤退していくみなし業者も増えてくる可能性があります。