ビットコインキャッシュの時価総額が3位に

今年の8月1日にビットコインから分裂をした、ビットコインキャッシュの価格が上がっています。上がり始めた11月1日のビットコインキャッシュの価格は4万円台後半くらいでした。しかし11月4日にはビットコインから分裂した際に高騰した価格である、81,000円までは到達しなかったものの、直近では最高値である72,000円を超えました。

原因は、11月13日にビットコインキャッシュがハードフォークによって、分裂をするからという理由のようです。詳しくは後程説明致しますがハードフォークというものは、簡単に説明しますとコインが分裂をすることによって、分裂する前に持っていたコインと同じだけの量の新しいコインを配布される、というものです。それによって、一時的にビットコインキャッシュに「買いが買いを呼ぶ」という状態が週末にかけて起こったものだと考えられます。

ただ、ビットコインキャッシュはハードフォークが行われることで一時的に買われた。と考えることもできますが、どうやらそれだけではないようです。その結果、現在時価総額ではリップルを再び抜き、現在3位に上昇しましています。今回は、改めてビットコインキャッシュとは、ビットコインとはどう違うのか、今後ビットコインキャッシュの展望などを説明していきます。

ビットコインキャッシュとは

前述したように今年の8月1日にビットコインから分裂してできたものが、ビットコインキャッシュです。では、どうしてビットコインは分裂しないといけなくなったのでしょうか。

これにはビットコインのスケーラビリティ問題というのが原因です。スケーラビリティ問題というのは、世界的にビットコインの需要が増えたことによって、処理速度の遅延のことをいいます。このスケーラビリティ問題を解決するために、ビットコインは分裂をせざるをえなくなってしまいました。ただ、元々ビットコインは、Segwitが実装され、「Bitcoin Unlimited」になる予定になることになっていました。

Segwitとは、別名ソフトフォークともいわれています。Segwitを実装することによってブロックチェーンに入るデーター量を増やし、コインの性能を高くするというものです。簡単にいうと、コインそのものの性能をパワーアップさせるもの、と考えてください。

逆にハードフォークとは、ブロックチェーンを完全に分岐するものです。ブロックチェーン大きくすることでデーター量を増やします。これによって、分岐されたコインは、例えばゲーム機のPSをPS2に変えるといったものになります。この場合、PSはビットコイン、PS2はビットコインキャッシュになります。つまりビットコインの分裂によって誕生したビットコインキャッシュはビットコインの性能を残さずに、全く新しい性能のビットコインになりました。

ではどうして「Bitcoin Unlimited」にならなかったのか、これにはビットコイン内の派閥争いが関係しています。中国の大手マイニングプールであるBitmain社がSegwitに反対をしたからです。マイニングプールとは大規模なマイニングを行う企業のことをいいます。

このBitmain社は、マイニング業界では非常に強い力を持っていて、このBitmain社による反対で、ハードフォークが行われたといわれています。Bitmain社がSegwitに反対の理由は、マイニングに有利なASICBoost(マイニング専用機器)が利用できなくなってしまうからです。結局、Segwit賛成派とSegwit反対派による話し合いをしましたが、結局物別れになってしまい、Bitmain社がハードフォークを強行するという行為によってビットコインキャッシュが誕生しました。

ビットコインキャッシュの特徴

ビットコインキャッシュの機能はビットコインと比べて2つほど機能が充実しています。まずは、スケーラビリティ問題を解決するためにビットコインキャッシュは作られたので、取引速度の低下などリスクだけではなく、ハードウェアウォレットのセキュリティを向上させることができます。

さらにビットコインのブロックサイズは1Mバイトとあまり大きくはありませんが、ビットコインキャッシュは、最大8Mバイトにまで拡大をさせることができます。ただ、ビットコインキャッシュはビットコインと名前が付けられていますが、アルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)として扱われています。

ビットコインキャッシュの注目度が急上昇

ビットコインキャッシュはビットコインを追い抜くことができるか?日本でもGMOインターネットやDMMもビットコインマイニング事業を立ち上げることを発表して話題になりました。しかしこれらの2企業よりも早く、SBIグループの北尾社長がすでにビットコインキャッシュのマイニングを行っていることを発表しています。そしてビットコイン長者である、ロジャーバー氏もビットコインキャッシュがビットコインを追い抜くと述べています。

さらにviaBTCを運営しているジハンウー氏も「ビットコインキャッシュが本当のビットコイン」と言っています。ビットコインキャッシュがビットコインを抜くところまでいくかどうかは、現段階ではなんとも言えないというのが実情でしょう。しかし、ビットコインキャッシュはビットコインに比べるとまだまだ割安のうちに入ります。少しずつ買っておく分には、問題はないでしょう。

ビットコインキャッシュ今後の展開

8月1日にビットコインから分裂し80,000円越えをしたビットコインキャッシュですが、チャートを見てみると8月の半ばに大きく上昇したこともありました。しかしその後は先月の10月9日までダダ下がりでした。

風向きが変わったのは、10月14日でした。下落トレンドが終了し、値動きの小さい横ばいの状態へと変わっていきました。10月26日からビットコインキャッシュの上昇が始まりました。4万円台前半だった価格は4万円台後半まで上昇しました。ビットコインキャッシュは、この3連休の間に30000円近く値上がったということになります。前述したようにハードフォークによるものでしょう。

しかし週末にかけて、高騰したビットコインキャッシュですが、現在はかなり下落をしている最中のようです。おそらく急激に上昇した分の調節といったところでしょう。きっとハードフォークが行われることを正式に各取引所が発表したら、再び上昇し始めると考えています。

さらにOKCashがビットコインキャッシュの先物取引を発表しました。おそらくこれも今回の上昇に一役買っているのではないかと考えています。さらに、11月19日にはビットコインが再びハードフォークによって分裂をする予定です。これによってもしかしたら、ビットコインからビットコインキャッシュへと資金が流れるのではないか、と考えている人も多いようなので、チャートの動きをしっかりと見ておく必要がありそうです。

あくまでも持論ですが、ビットコインキャッシュがビットコインにとって代わるというのは、可能性としてあるのではないかと考えています。ただ、ビットコインキャッシュも今のビットコインのように派閥同士の争いなどが起こってしまうようですと、中々難しいに違いありません。さらにビットコインも今はハードフォークばかりしていますが、やはりいつかは、Segwitをしないといけないときが来るでしょう。そのときまでに、ビットコインキャッシュはどのような行動をとっているか、非常に重要なのではないでしょうか。

最後に13日に行われるとされているビットコインキャッシュのハードフォークです。今日は11月6日なのでそろそろ各取引所、何かしらの動きを見せてきても何ら不思議ではありません。もし購入を考えているのならば、とりあえず買っておくという手段でも良いでしょう。