今年の4月に法律の改正と7月に仮想通貨に対する消費税の廃止になりました。さらにマスコミによる仮想通貨の紹介なども相まって、ビットコインは、1年前と比べてかなり知れ渡ったのではないかと思っています。実際に、今年の1月までビットコイン購入層はほとんどが中国人でした。しかし現在はビットコイン購入の約6割が日本人だといわれています。
ビットコインは現在時価総額で7兆円以上にもなっています。この時点でダントツの1位で2位のイーサリアムの約2.5倍もの時価総額となっています。そしてビットコインは去年の10月の1ビット67,000円から現在、490,000円と7倍も価格が上昇をしています。先日、GMOインターネットがビットコインマイニングの採掘に参入、さらに大手証券会社であるゴールドマンサックスもビットコインに参入するのではないかという情報が伝わりました。少しずつですが、ビットコインが世界に広がりつつあるようです。それでもビットコインというものが、まだどんなものなのか、分からない方も多いのではないでしょうか。今回はビットコインがどんなものなのか、そしてこれからのビットコインの価格推移について説明していきます。
仮想通貨のパイオニアであるビットコインとは
2008年サトシ・ナカモトという人物が書いた一本の論文から始まり、2009年にビットコインが通貨として発行されました。ビットコインが最初に商品として初めて取引されたのは、あるエンジニアが「ビットコイン1万枚とピザ1枚交換しないか?」とメーリングリストに投稿したところから、始まりました。結果として、売買は成立しました。このことがきっかけで、ビットコインに通貨としての価値が生まれるようになってきたのです。
ビットコインの特徴を理解する
ビットコインの大きな特徴というと、一定の国や組織に管理されていません。例えば、日本円などは、北朝鮮のリスクが高まると、一気に円高になってしまいます。理由としては、様々な説がありますが、トランプ大統領の発言等で一時的な円買いに走るようです、それに実際に日本がミサイルの攻撃対象にはならない、といったようです。少し話はそれましたが、円やドルなどはその時その時の世界政治や経済、もしくは国内の政治体制などによって大きく変動をしてしまいがちなのです。しかしビットコインの場合は、一定の国に属していないので、政治や経済などの影響で価格の変動は起こり難いのです。ただ、今現在のビットコインの動きを見てみると戦争などの危機がある場合、資金が流れ込み価格が上がり易くなるように思えます。
さらにビットコインは4年に一度、半減期といわれているものが発生するように設計されています。ビットコインは総発行数2100万枚と決められています。半減期というのは、マイニングによって得る事のできるビットコインの量が半分に減少してしまうことです。マイニングというのは更新作業のことで、例えばビットコインを取引した際に、ブロックチェーンに更新しないといけません。このことをマイニングといいます。同じ量をずっと採掘し続けると、すぐに無くなってしまうので、半減期によってビットコインの価格が少しずつ上昇するように作られているということです。
ビットコインの持つ2つの革新的な技術
ビットコインは現在800種類近くあるといわれている、仮想通貨の元祖ともいえる技術を2つ持ち合わせています。
誰でも閲覧可能な台帳、ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、ビットコインが誕生してから今の今まですべての取引が記録してあるインターネット上で誰でも閲覧可能な台帳です。ブロックチェーンの「ブロック」というのは、台帳1ページの事を示し、その台帳1ページごとに繋いでいるものを「チェーン」だと考えてください。このブロックチェーンの優れている点は、『インターネット上で誰でも閲覧が可能』という点です。誰でも見ることができるので、ハッキングなどが難しいという利点があります。
P2P
P2Pとは、同格のパソコンなどのデバイスから別のデバイスなどへ直接ファイルなどの情報を送るという技術です。と、言ってもち難しいと思いますので詳しく説明していきます。例えば、新情報を探すために企業のホームページにアクセスをする、好きな芸能人のブログをチェックや、Twitterなどのサービスを使う。というのは全てクライアント(私達が使用するスマホやパソコンなど)がサーバー(サービス提供者)にアクセスをする、という形をとっています。これをクライアントサーバーシステムと呼ばれています。
このクライアントサーバーシステムの欠点は、混雑が起こることにより画面に表示されるスピードが極端に遅くなったりします。しかしP2Pの場合は、サーバーを介さずにデバイス同士で情報の共有をしているため、込み合ったりするということはないのです。ビットコイン以外にもSkypeでP2Pが使用されています。
今年のビットコインの価格推移とこれからの予測
今年はビットコインが飛躍した年でした。今年の年始は1ビット10万円前後でした。そして、法律の改正と消費税の廃止に伴い5月の下旬には、338,000円を記録します。その後、しばらく均衡状態の後、ビットコインキャッシュの分裂騒動もあってか7月15日に210,000円まで下落してしまいます。しかしビットコインキャッシュとの分裂が終了したのをきっかけに8月30日の520,000万円まで上昇します。その後、中国の仮想通貨取引所の閉鎖やモルガン銀行CEOによる「ビットコインは詐欺だ」という発言によって、390,000円台まで下落してしまいました。
一時的に450,000円まで上昇するのですが、この上昇は「ビットコインは詐欺だ」と発言をしたモルガン銀行がビットコインを買ったのではないか? と言われています。再び410,000円ほどまで落ちてしまいますが、現在は上昇傾向にあるようにみえます。ただ500,000円の壁を二度超えよう試みていますが、かなり壁が厚いようです。近々の目標としては、500,000円の壁をいつ乗り越えることができるか。ということにありそうです。12月に再びビットコインは分裂するのではないかと言われています。ビットコインキャッシュの場合、その数週間前に大きく下落しました。
12月にビットコインが再び分割の危機
以上のことから、仮にビットコインが12月の上旬に分裂をすると仮定するならば、11月の中旬前後に再び大きく下落することが予測できます。分裂騒動の終了次第、再び上昇していく――ビットコインキャッシュ分裂時から考察することができます。
ただ、今回起こると予想している騒動は、8月の騒動より数段危険だという話もあります。実際問題、分裂後ビットコインキャッシュのときのように大きく上がるのか、それとも大きく下げるのか、どちらになるかはわかりませんが、10月25日にビットコインからビットコインゴールドというものが新しくできるようです。ただ、これに関しては現在の市場を見る、限りあまり心配はいらないように思えます。とにかくいつ何が起こってもいいようにリスクオンの状態にしておくことが、必要なのでしょう。ただ個人的には中長期の保有、安くなったら買い足しというのがベストではないかと思っています。
現在、ビットコインに分裂騒動が騒がれていますが、個人的には非常に将来性の高い仮想通貨だということは、変わらないものだと思っています。元々ビットコインは決済用として作られたのが最初ですが、決済スピードなどは、他のアルトコインのほうが勝っているというのが現実です。ただ、他のアルトコインなどと比べて発行量が圧倒的に少ないので、個人的にはビットコインは今後、金と同じような立ち位置になるではないかと思っています。