東南アジアの地域に適した仮想通貨OmiseGo

日本では現在、まだ知られていない仮想通貨にOmiseGo(オミセゴー)というものがあります。Coincapという800近い仮想通貨の中でも現在13位、時価総額900億円とかなり上位に食い込んでいます。日本人起業家である長谷川潤氏が立ち上げた「Omise」という企業が提供していることからOmiseGoと名づけられました。

オミセゴーは2016年のICO(initial Coin Offering)のときから非常に人気で、その人気は高くプレセールの時点で売り切れになったほどです。ICOとは、新しい資金調達方法として注目されている方法です。企業がトークンと呼ばれる通貨を発行することで投資家たちから、トークンをビットコインなどの仮想通貨で購入してもらうという出資方法です。現在、中国や韓国では禁止されていたりしますが、今後大きく広まる可能性が高いです。

オミセゴーはプレセール後も大きく急上昇し、上場後は40円ほどでしたが、現在の価格は960円と上場開始直後から約25倍もの値がつけられています。先日、海外の有名取引所であるPloniex(ポロニエックス)もオミセゴーを取り扱うようになってから俄然注目されているようです。そこで今回はオミセゴーについて説明していきます。

仮想通貨オミセゴーとは

前述したようにオミセゴーは日本人起業家である、長谷川潤氏の運営しているオミセがサービスを提供しているところからオミセゴーとなりました。オミセゴーは、「日本と東南アジアの決済分野の不具合を解決し、決済サービスを円滑に済ますことができること」をコンセプトとして掲げています。2013年にタイのバンコクで設立をされてから、現在に至るまでに日本、シンガポール、インドネシアとどんどん事業の拡大をしています。

オミセゴーがどうしてこんな短期間に値を上げたかというと、アドバイザーにイーサリアムの創設者であるVitalik Buterin氏がいること。そして出資者にSBIホールディングスや三井住友フィナンシャルグループ、みずほ銀行などといった大手銀行が出資をしているということが上げられます。さらにタイのマクドナルドで使用可能になるということ、タイの金融庁でも採用されること、イーサリアム保有者にAirdropを行うなどのニュースが続きました。Airdropとは、ある条件を果たした人に無料で運営側が配布するというものです。3つの要因が重なりあったことからオミセゴーの価格が急騰しました。

仮想通貨オミセゴーの特徴

日本ではあまり知られていないオミセゴーを理解するオミセゴーはイーサリアムのブロックチェーンを利用していて、主に東南アジアでの決済を目的として作られた仮想通貨です。オミセゴーは、SDK(ホワイトレーベルデジタルウォレットソフト開発キット)を通じることによって、トークンのやりとりをします。デジタルウォレットとはパソコンやスマートフォンからのオンラインの支払いができるようになるというものです。このSDKを使用することでで、国際送金の際に高額な送金手数料や時間の短縮化に成功し、決済を行うにあたって低コストで実行することに成功しました。

次に、オミセゴーはどうして東南アジアというかなりピンポイントな地域での、決済を目的とした通貨を作ったのでしょう。それは、東南アジアという地域が自分の金融機関での口座を中々持つことができないという、地域だからです。日本やその他の国では口座を開設するだけだったら、お金の必要はありません。しかし東南アジア諸国では、口座開設と管理費用としてお金が(タイのバンコク銀行では手数料として年間300バーツ、日本円で大体1000円前後)かかってしまうからです。

そのような事情もあってかアンバンクド(金融機関を利用することができない人)が東南アジアでは約73%もの人がアンバンクドと言われています。ですが、スマートフォンを持っているという人はかなり多いので、オミセゴーはアンバンクドの人たちをターゲットとして作られました。すでにタイでは約3分の2のモバイル会社がオミセゴーのサービスを使用しているなど、すでに一般化しているといっても過言ではありません。以上のことからオミセゴーは、デジタルウォレットとして、今後さらに飛躍的に伸びるのではないかといわれています。

今後オミセゴーはどうなる?

2020年までに決済向けデジタルウォレット市場は、3兆1400億ドルに達し、この半分はアジア太平洋地域だといわれていますすでにオミセゴーは、タイ、ベトナム、インドネシア、カンボジアなど2000万人以上のユーザーがいる、TrueMoneyとも協働していることもあって、国際送金や小売り、公共料金の支払いをすることができます。

それにすでにオミセゴーはタイだけではなくインドネシアやシンガポールにも拠点があります。それにタイの金融庁でもすでに採用されているという実績もありますので、今後、各国の官公庁の採用される可能性は以上に高いのではないでしょうか。そうすれば今以上に、オミセゴーの価格は上がっていくことでしょう。

オミセゴーの今後の価格推移

オミセゴーのチャートを見てみると市場公開後は約40円前後からスタートします。期待の高さからか、わずか一ヵ月ほどでオミセゴーの価格は、市場公開価格の10倍の価格である 400円まで到達します。前述した通りタイ金融庁の正式採用、マクドナルドとの提携、Airdropの発表と、立て続けに3つの大きな出来事もあってか、オミセゴーは、8月16日には1000円まで目前である979円まで到達します。その後一時800円台前半まで下落の後、900円台前半まで回復します。そして8月28日を皮切りに再び一気に急上昇しました。9月1日でピークである1316円を記録。おそらくこのときにオミセゴーがAirdropが配布されたのだと予測できます。その後は964円まで急降下してしまいます。

この大きな下落はオミセゴー配布後の影響だと考えられています。なぜならば、Airdrop配布後は大きく急落し易いことが分かっているからです。おそらく、Airdropで配布されたオミセゴーを一旦売却したものだと思っていいでしょう。このAirdropの際に配布されたオミセゴーの総量は約700万といわれ、約50億円分だといわれているので、約50億円分が下落したと考えられるのです。

ですが、オミセゴーの人気は凄まじく、すぐに直近高値である9月1日につけた1316円を超えて、1401円にまで急騰します。その後は、大きく調節期間に入ったようにみえます。9月2日に1180円まで上昇しましたが、今は下降トレンド中だといえるでしょう。現在の価格である960円前後で止まればいいと思いますが、個人的にはもう少しオミセゴーの価格は落ちるのではないかと思っています

そうはいっても、チャートを見る限り900円台前半くらいになったら、大きく上昇しやすいようなので、確実に下落が止まったと分かったときに買うとよいでしょう。しかし今下落中だったとしても、オミセゴーの価値が無くなったわけではないので、そこまで危惧する必要はないでしょう。それにオミセゴーはおそらく、今まで以上に色々な国や企業から提携のオファーがあるに違いないだろうし、その提携内容によっては、最高値である1401円を超えたとしてもなんの不思議はありません。

東南アジアの地域に適した仮想通貨オミセゴー

オミセゴーは仮想通貨としても優秀もさることながら、東南アジアの地域に適した仮想通貨だからこそ、ここまで広まったのでしょう。日本のように無料で銀行口座やクレジットカードの作成、さらに、金融機関が無料で管理してくれる国の場合だと中々、スマホで決済するということは、中々浸透しないような気がします。それでも日本のいくつかの店舗では、ビットコインが使用できるなど進展があるのも事実です。少しずつではありますが、日本でもこれから先、スマホで決済をすることが可能になっていくのではないかと思っています。