2016年から2017年にかけて、仮想通貨市場は長期上昇相場となりました。その要因は、仮想通貨そのものに対する大きな期待があります。また、テレビやネットなどで注目され始めたことと、取引が手軽にできることで一般の方、特に会社員や学生・主婦といった方達が仮想通貨取引を始めるようになり、仮想通貨人口が増えたことも考えられます。

そして、2017年11月頃には、一時1BTC200万円を超える急騰となり、一夜にして大きな利益を確保した「億り人」なる方も表れました。このように、仮想通貨は株式やFXよりも大きな価格変動が起きたことで、2017年は成長の年となりました。ただし、2017年の急騰後に、ビットコインは反落します。そして、そこから再び上昇するかと思いきや、2018年1月から急落や下落基調が強まり、2017年の上昇相場から一転2018年は下落相場からスタートしました。

仮想通貨取引初心者の中にも、この下落相場により市場撤退した方や引き続き取引をしている方など、様々な方向性で動くことになりました。そこで今回は、2018年も取引を続けている仮想通貨取引初心者に向けて、基本やチャートパターンについて解説していきます。知識を入れることで、分析方法にも幅が出ますよ!

仮想通貨の定義とは

自分の仮想通貨取引スタイルを確立するまず、仮想通貨取引を行う前に、国内のおける仮想通貨の定義について知る必要があります。売買には、一見すると関係ないように感じますが、仮想通貨の定義すなわち何を取引して、何に価値があるのかについて知らなければ、市場の動向についてもあいまいな考察になってしまいます。

国内の法律では、2016年5月に成立、2017年4月に施行された「改正資金決済法」に、仮想通貨とは何か定義されています。分かりやすく説明すると、インターネット上で不特定多数の人と物やサービスの売買時に、決済手段として利用できる財産として価値のあるものということです。つまり、円などの法定通貨同様に、決済手段として認められています。しかし、少し勘違いしそうな所があります。それは、決済手段として認められているが、正確には「通貨」ではないという点です。確定申告時に税区分される際に、あくまで資産として区別される為に通貨ではないとされています。分かりにくくなりそうですが、ここを間違えて覚えると、手続きなどでややこしいことになります。

仮想通貨で得た利益も、一定の要件を満たすと確定申告が必要なので注意が必要です。勘違いして通貨だから、株式などと違って確定申告しなくてもよいという考え方では違法になるので気を付けましょう。
もし、会社員の方で年間を通して本業以外により得た収入が、20万円以上になると所得税の確定申告の必要があります。所得区分は雑所得で、他の所得と合算する総合課税・収入に応じて税率が変わる累進課税ということも覚えておく必要があります。

仮想通貨取引の裁量・システムトレード

2018年のビットコイン相場は、下落基調で時々レンジ相場になっています。今年から仮想通貨取引を始めた方や、2017年から仮想通貨取引を始めた方にとっては、大変な相場であり対応の仕方に悩む状況といえます。ビットコイン相場が下落になった際に、投資の基本である価格変動リスクを覚えているか、それともビットコインは、これから下がり続けて上昇しないと考えるかで、今後の取引方針が大きく変わります。

どちらが正しいかは、まだ答えはでません。しかし、前者のように価格変動リスクを理解して、冷静に市場を見ていた方が、今後上昇する兆しがでた時にサインを見逃さずにエントリーできる可能性があります。なぜなら、冷静に市場を見ているという事は、細かな価格変動に一喜一憂しにくいので、全体の方向性を掴むことができます。従って、小さな動きにばかり注目していると、全体が見えませんが市場全体を、分析する力があれば将来の方向性についても自分なりの予測ができます。急落や下落相場になっても、焦ってはいけません。

冷静に仮想通貨取引をする為には、どのような方法を取ることがよいのかというと、ひとつはシステムトレードという選択肢があります。システムトレードとは、自分が決めた売買ルールに従って機械的に取引を行う手法です。自動売買ソフトのこともシステムトレードと呼ばれていますが、厳密には違います。システムトレードとは、売買ルールを決めてルールを遵守し、取引を行う事なので極端な例では紙に書いた売買ルールに従って取引することもシステムトレードといえます。

もし、現在裁量取引、つまり感覚的な取引で損失を増やしているのであれば、システムトレードに切り替えてみるのもありです。なぜなら、システムトレードは、極力心理的要因を排除した方法なので、つい感情的になり過ぎて取引をしてしまう方には良い方法といえます。

逆に、裁量取引で利益を継続的に出している人は、システムトレードは合わない事もあります。決められた時間帯やルールで取引することが、ストレスになって損失を出してしまう原因になる場合もあるからです。まずは、現在の取引スタンスと自分の性格、利益が出ているのか・損失が発生している状態なのかを、一旦整理して確認することが大切です。

自分の取引スタイルを確立する

仮想通貨初心者は知識のインプットと取引のアウトプットの両方が必要前述で、裁量取引とシステムトレードについて解説しましたが、仮想通貨取引も含め投資は、自分の取引スタンスを編み出すことが、上級者として市場に残る方法といえます。仮想通貨市場は、他の金融商品と比べて価格変動が激しく短時間で大きく変わります。その為、いつまでも同じ取引スタンスや、半年前や数年前の取引スタンスを真似していると、新しい市場に対応できなくなります。勿論、初心者のうちは既存の取引テクニックを、真似することは上達に繋がりますし、基本を覚えなければオリジナル(応用)のテクニックも作ることが難しいです。

しかし、今後1年単位と仮想通貨市場で取引を続けていきたいと考えている場合には、基本を押さえつつ新たなスタンスを常に生み出し続ける力を付ける必要があります。

取引スタイルは、時間も関係があります。会社員や学生・主婦といった方達は、いわば副業的な時間の組み方で取引をします。従って、1日のうちに仮想通貨取引に充てられる時間は、あまり多くはありません。ですので、自分が仮想通貨取引に充てられる時間に合わせた、取引スタイルを確立する必要もあります。例えば、休日の土日にビットコイン取引を行い、日曜日の午後にはビットコインの買い注文だけを入れておきます。そして、平日は保有しているビットコインの価格をチェックしながら、上昇している限りは次の土日まで保有し続けます。

このような、休日は短期取引・平日はスイングトレードを組み込むことも考えられます。また、他にも仕事終わりの夜に数回スキャルピング取引を行い、休日は更にスキャルピングの回数を増やす方法もあります。これは、保有し続けるのが不安と感じる方におすすめの方法ですが、資金に余裕がないと利益も少なく比較的分析も難しいです。また、レバレッジ取引で利益を大きくする方法もありますが、これもリスクが高くなるので初心者は避けた方がよいです。

仮想通貨取引にもインプットとアウトプットが必要

仮想通貨取引で、オリジナルの取引手法や様々な分析手法を覚える為には、仮想通貨や株式などの書籍を読むことが大切です。取引だけを続けていると、日々の時事情報やチャートパターンなどは、覚えることが出来ますが、各分析指標やチャートの意味について理解するには、書籍などで学ぶ必要があります。そして知識をインプットしたら、再び取引に向き合うアウトプットも欠かすことができません。