2018年も市場規模は拡大し続け、新たな技術や通貨が開発されています。今後も、ビットコインをはじめとする相場は、下落を繰り返しつつも少しずつ安定化していくのではと、予測している意見もあります。また、2018年3月30日時点のビットコイン・ドルレートは、レンジ相場から上昇か下落どちらかにブレイクする兆しが見えてきており、4月にトレンド転換する可能性があります。このような、目まぐるしく変わる2018年の市場に対応していく力を付けていく必要があります。
2017年は長期上昇相場だったので、裁量取引を行っていた人達でも利益が出ていたかもしれませんが、2018年の相場状況は異なります。もしも同じ投資方法をおこなっていて、損失が出ている場合は、投資のやり方を考え直す必要があります。
今後ビットコインなどに投資する場合は、技術的発展や国際政治との関係で、変化により柔軟に対応する必要があり、初心者はまず分析手法から覚えることが大切です。
仮想通貨取引にも投資リスクが存在する
2017年のビットコイン相場は、基本的な知識が不足していたり、十分に分析できていなくても、利益を出しやすい相場でした。また、ビットコインの成長初期ということもあり、方向性が上昇かレンジ相場しかなかったことも、好材料でした。もちろん、このような、比較的わかりやすい状態で分析を行いながら取引を行っていれば、より利益は大きくなったでしょう。
ビットコインなどを取引して利益を得る行為も、もちろん投資のカテゴリーに入ります。従って、投資の基本である価格変動リスクや元本保証が無いこと、未来の価格を100%予測することは不可能であることが、当てはまります。そして、2017年の上昇相場から、2018年1月のコインチェック事件や仮想通貨規制に関する議論などの影響で、急落から下落基調へと進んでいていることを完全に予測はできません。
このように、仮想通貨市場は常にリスクが潜んでいて、そのリスクをいかに抑えながら取引をし、リターンを得るかが大切になります。そこで、投資の世界では、ある方法が編み出されます。それは、分析です。過去や現在の外的・内的要因を分析することで、将来の価格を予測できるのではないかとして、様々な方が過去に指標などを作り出してきました。ビットコインやアルトコインなどを買おうとしている投資初心者も、分析について学びたい・覚えたいと考えているのであれば、既存の分析手法をビットコインなどの価格変動に当てはめ、応用することをおすすめします。
2018年3月時点で、仮想通貨取引に用いられている分析手法は、ファンダメンタル分析とテクニカル分析になります。ファンダメンタル分析とは、ビットコインやアルトコインの時事情報や技術情報、ブロックチェーン技術に関する発表、各国の取引規制に対する姿勢、株式市場やFX市場の動向が考えられます。ただし、ビットコインやアルトコインのファンダメンタル分析については、どの情報や指標が市場に影響を与えているかという検証が完了していないので、現時点では自分でも様々な情報と市場を照らし合わせて、手探りで確認するしか方法はありません。
テクニカル分析は、チャートや出来高で分析を行う事や、チャートから各指標の計算に当てはめてグラフや数値を割り出し将来の価格を予測する方法です。つまり、チャート=数字で予測を行うのがテクニカル分析です。テクニカル分析には、トレンド系指標とオシレーター系指標があり、トレンド系指標は順張り投資に相性が良くオシレーター系指標は逆張り投資と相性が良いです。また、どちらの性質も併せ持つ指標も存在します。仮想通貨取引を行う初心者は、まず自分がどのような取引をよく行うのかということを確認してどちらの方法が良いか整理します。
仮想通貨の短期取引にはテクニカル分析がおすすめ
仮想通貨取引でテクニカル分析を用いる場合、短期取引とも相性が良い傾向があります。これも投資の原則と似ているのですが、株式投資でも取引感覚が短くなればなるほど需給関係の影響を強く受けるので、結果的に需給関係とも関係があるテクニカル分析で取引を行うと相性が良いです。そのコインの価値を決める大きな要因も需給関係なので、よりテクニカル分析と相性が良いといえます。因みに、短期取引とは、1日で何回も取引を繰り返し、1日で全ての取引を完了させることを言います。
また、更に超短期の売買方法も存在します。スキャルピング取引という名称で、主にFXで用いられています。1分という極短い時間で1回の売買を完了させ、いわゆる薄利多売で1日のうちに利益を積み重ねていくスタイルです。基本的に、短期売買はテクニカル分析の精度が重要なので、時間が短くなるほど難易度も上がります。今後、短期における売買で仮想通貨投資を行いたい場合は、ファンダメンタル分析よりもテクニカル分析がおすすめです。
他にも、反対に長期的な視野にたった投資方法も存在します。長期投資とは1度購入したら、年単位で保有することを表します。仮想通貨市場は、価格変動が激しいですがアルトコインの割安な通貨や、成長性のある通貨であれば、長期保有も視野にいれた分析もおすすめです。ただし、株式と違い価格変動が激しいことに注意ですし、テクニカル分析がどこまでビットコインなどに対して有効かということは、未だ答えが出ていないことを意識して取引することが大切です。
仮想通貨取引のコツはテクニカル分析を使いこなすこと
2018年時点では、ビットコインやアルトコイン売買において、テクニカル分析を用いることは有効とされています。また、SNSやブログ等で大きな利益が出せたことを報告している方達も、テクニカル指標で分析している趣旨が記載されており、比較的有効な方法といえます。ただし、テクニカル分析の運用方法や、最終的な予想は人間が行うので経験や知識は必要です。
2018年3月時点の仮想通貨相場をみてみると、3月だけを見ても下落相場です。ですので、裁量取引で行うよりも移動平均線を加えた分析を行うだけでも、相場の方向性が読めます。また、初心者の場合は、裁量取引では一般的に損切ラインやブレイクポイントといった部分を読むことが難しいので、なるべく分析を行った方が損失を抑えることに繋がります。ただし、人によっては裁量取引の方が利益を出しやすいという事もあるので、どちらの方法も視野に入れることも考える必要があります。
テクニカル分析の基本は移動平均線チャート
テクニカル分析を行うのが初めての場合は、まず移動平均線を覚える事から始めます。なぜ移動平均線からというと、初心者でも分かりやすく且つ相場の方向性も読めるようになるからです。移動平均線は、ただ価格の平均値を出しているだけではありません。下値支持線と上値抵抗線といった価格を支えたり、抑えたりするラインも表示されます。また、ゴールデンクロスやデッドクロスといったエントリーポイント・損切ポイントのサインについても、分析できるので移動平均線を覚えると便利です。
次に、出来高についても意識するとよいです。出来高もトレンド転換に関係あります。例えば、通常時の2倍の出来高の日があると、次の日にトレンド転換や急騰といった動きになりやすいです。つまり、取引量が増えるのでどちらかに振れやすいということでもあります。
仮想通貨取引初心者が最初に行うべき事
テクニカル指標は、全て特徴や使い道が違います。従って、仮想通貨取引初心者の方は、
・どの仮想通貨で取引するか
・どのようなチャートの時にエントリーするか
・1週間のうちいつ取引するのか
・資金はどの程度あるのか
・現物売買や信用取引、FXどの投資方法を行うのか
といった事を整理したうえで、テクニカル指標を選ぶことが大切です。
また、人によって使いやすい、使いにくい指標という事もあるので、初心者の方は最初は色々なテクニカル指標を試してみるとよいです。