2018年はブロックチェーン元年とも言われ、ブロックチェーンを応用するスマートコントラクトを会社の業務に導入検討をする企業も増えてきました。そんなイーサリアムの技術はマカフィー創業者のジョン・マカフィー氏がツィッターに絶賛する言葉を載せています。そんなイーサリアムの実用性と将来性について解説します。

イーサリアムは19歳の青年が考案したプロジェクト

マカフィー創業者がイーサリアムを絶賛イーサリアムはビットコインに次ぐ人気の仮想通貨ですが、実際は「イーサリアム」というのは「イーサリアム・プロジェクト」の総称です。プロジェクトの目的が、偽造や不正が行えないシステム「分散型プラットフォーム」を作り出し、「モノの自動化」にかかる費用や時間のコスト削減を目指しています。

1994年、ロシアのモスクワで生まれたヴィタリック・ブリテンは小学生の時から数学や経済学の分野でおどろくべき能力を発揮し、プログラミングを学ぶ神童でした。ビットコインのブロックチェーンと出会った彼は、5ヶ月間、ビットコインとブロックチェーンを知る旅に出て、2013年の19歳の時にブロックチェーン・プラットフォーム「イーサリアム」を考案します。

ブロックチェーンは改ざんされないことが最大の特徴です。分散型プラットフォームを元に作られたイーサリアムは、お互いが設定した契約内容や取引契約を、改ざん不可能な形で自律的に執行することが可能になります。

時価総額ランキングでは第2位にいるイーサリアムは、2018年4月3日の時点で約4兆1,700億円を超えています。ちなみに2017年6月の時点で約2兆3,500億円を超えています。10ヶ月で約2倍になっています。

仮想通貨時価総額ランキング

マカフィー創業者がツイッターでイーサリアムを絶賛

マカフィーとは、アメリカのカリフォルニアに本社があるコンピューターセキュリティ関連のソフトウェアとハードウェアを制作・販売している会社です。創業者のジョン・マカフィーはプログラマーでアンチウイルスソフトウェア・デザイン・ウイルススキャナ開発の先駆者です。

そんなマカフィー氏は以前から暗号通貨とブロックチェーン技術を支持してきました。2018年3月30日のツイートにはイーサリアムの幅広い活用と、スマートコントラクトのこれからの利用に対する支援を表明しました。「イーサリアムほど必要で中心的なコインは存在しない」と絶賛しています。

またマカフィー氏は2017年7月に「2017年末までに1ビットコインが5,000ドルになる」と予測しましたが、実際、12月17日には19,303ドルと予想より高くなりました。度々マカフィーはツイッターでコインの予想をすると、そのコインが急激に値上がりしてきたそうで、本人も影響力があることを自覚の上で、ツイートしているようです。

2018年末にはビットコインの価格(2017年12月25日時点)は約10倍になるだろうとツイートしています。

マカフィー創業者がツイッターでイーサリアムを絶賛

とはいうもののブロックチェーンの始まりはビットコインからなので、ビットコインを支持していたとしても不思議ではありません。しかもイーサリアムのスマートコントラクトが注目され始めたのはまだ最近の話です。

しかしイーサリアムのブロックチェーンの開発言語は「Solidity(ソリディティ)」が使われ、一般的な開発者が使う実例は少ないのが現状です。実用性と普及を考えるとその点がデメリットになる可能性があります。

開発言語が豊富なネオ(第9位)、Javaという一般的な開発言語を使用するリスク(第21位)などの仮想通貨の時価総額はイーサリアムと比べるとまだまだ下に位置するので、イーサリアムの知名度は相当高いと言えます。

イーサリアム共同考案者スティーヴン氏は価格が3倍になると発言

現在、イーサリアムは開発者側からすると理想的な形ではなく、スケーラビリティや安全性の問題があり、解決策となる「Plasma Cash」というイーサリアム・ネットワークのアップデートに取り組んでいます。

イーサリアムの共同考案者スティーヴン・ニラヨフ氏は1月のCNBCのインタビューで、2018年後半の動きを予測しました。

「イーサリアムを採用するプロジェクト数は急激に増えており、現在(1月)、イーサリアム・エコシステムには巨額の資金が流れ込んでいます。昨年と比較するとプロジェクト数は約10倍に増えているかもしれません」とイーサリアムを採用するプロジェクト数がかなり増えていることを話しました。

Ethereum Price, Potential and Praise from McAfee

イーサリアム共同考案者スティーヴン氏は価格が3倍になると発言

プロジェクト数の増加に伴い、イーサリアムの価格も今後、2倍、3倍になる可能性があるとしています。可能性なので確実に上がるとは言い切れませんが、イーサリアムの注目度はますます上がるでしょう。

分散型アプリケーションの開発がいくつもある

スマートコイントラクトを活用した様々なサービスを、管理者のいない分散型アプリケーション(DApp)で利用することができます。しかも今すでにいくつもサービスが存在しています。

・スマホで簡単にDAppを利用できるサービス「status」
・個人情報確認システム「uPort」
・市場予測アプリ「Gnosis」
・保険プラットフォーム「Etherisc」
・音楽配信サービス「Ujo」
・会社や組織の運営・管理プラットフォーム「Aragon」
など多数あります。

これらのサービスにおいてスマートコントラクトを実行するために、ETHを消費することになるので、DAppを利用するサービスが開発されるほど、イーサリアムの価格にも影響していくと思われます。

イーサリアム価格の長期予想

ビットコインの神と呼ばれたBitcoin.comのCEO、ロジャー・バー氏はイーサリアムの1日のトランザクションの数は、すでにビットコインをはるかに超えた取引をしていると話しています。またイーサリアムの送金時間は約14秒とビットコインよりもはるかに早く、イーサリアムがビットコインをリードしていく可能性があると、語っています。

時価総額でイーサリアムが2018年中にビットコインを抜くことになりそうか?という質問でロジャー氏は「そうなる可能性が高い」と答えています。

しかもICOに使われる仮想通貨はほとんどイーサリアムです。また海外の仮想通貨取引所の通貨ペアにはETHと何かというパターンも増えてきたので、海外の取引所で仮想通貨を購入したい場合はビットコインを日本の取引所から送っていましたが、イーサリアムでもいいわけです。

イーサリアムの今後の動向と将来性

ここ最近のイーサリアムの価格は2017年12月半ばの仮想通貨バブルになる前の価格とほぼ同じぐらいです。2018年4月3日現在は42,541円です。ビットコインにはない機能を持っているイーサリアムであり、トランザクションなどの指標ではビットコインをすでに抜いているとも言われますが、時価総額ではまだビットコインとは距離があります。

いつの段階でビットコインを抜くのかは定かではありませんが、イーサリアム企業連合というものが設立されたので、イーサリアムを有名企業が利用していく可能性もあります。今後のイーサリアムの伸び代はまだまだありそうです。