イーサリアムクラシックは、約1000種類ほどあるといわれている仮想通貨の中で、10位に位置し、イーサリアムクラシックは時価総額も1500億円とかなりの規模をもった仮想通貨です。詳しくは後述しますが、イーサリアムクラシックという仮想通貨は、2016年6月、イーサリアムを使用したプロジェクトの際にハッキング事件が起こったことが原因で、つくられた仮想通貨です。イーサリアムクラシックがイーサリアムから独立した際は、まだ数百円ほどでしかなかったのですが、1ETC、1800円と100円前後だったと考えてもすでに18倍も価格が上がっています。
そして仮想通貨イーサリアムが11月10日に200億円以上に相当する通貨の取引が凍結されるというトラブルが起こりました。ウォレット(仮想通貨を電子的に保管しておくもの)に重大な不具合が見つかったためのようです。今のところ、大きな影響はないようですが、そんなこともあってか仮想通貨イーサリアムクラシックに、再び注目が集まっているようです。
後程説明しますが、11月13,14日と香港でイーサリアムクラシックの大きなカンファレンスがあるようで今、イーサリアムクラシックを保持している人は、非常にこのイーサリアムクラシックのカンファレンスに期待をもっているようです。今後イーサリアムに代わる、仮想通貨になり売るか? 今回は仮想通貨イーサリアムクラシックについて書いていきます。
イーサリアムクラシックが生まれた経緯
冒頭でも書いた通り、仮想通貨イーサリアムクラシックは、仮想通貨イーサリアムのプラットフォームを使っている仮想通貨THE DAOを使ったプロジェクトを行っている最中に、ハッキングが起こった際にできた仮想通貨です。このハッキング事件をTHE DAOと呼んでいます。どうしてハッキング事件が起こってしまったかというと、THE DAOから生じたバグが原因でした。そしてハッキング事件の結果、約52億円分のイーサリアムが不正取得されてしまいました。
そのとき仮想通貨イーサリアムの開発者たちは、ハードフォーク(分裂)させることによって、不正取得されてしまった、イーサリアムを強制的に切り離すという行為にでます。その結果、仮想通貨市場にあまり影響を出さずに、解決へと向かいました。しかし仮想通貨イーサリアムを強引にハードフォークさせたということで、開発陣に対立ができてしまいます。
なぜ対立ができてしまったかというと今後また、開発者の都合で再びハードフォークが行われるのではないか、という疑念が生まれてしまったからです。ハードフォークというのは、今まで守られていたルールが自分たちの都合で、捻じ曲げてしまうということだからです。そして、ハードフォークに反対をした一部の開発陣が、仮想通貨イーサリアムから脱退をし、仮想通貨イーサリアムクラシックを作りました。以上がイーサリアムクラシックの経緯です。
イーサリアムとイーサリアムクラックの違い
基本的にはイーサリアムもイーサリアムクラシックも大差はありません。イーサリアムクラシックはイーサリアムと同様にスマートコントラクトも兼ね備えています。イーサリアムクラシックとイーサリアムの違うところは、イーサリアムは発行枚数が決まっていませんが、イーサリアムクラシックは、発行枚数が2億1000万ETCで2億3000万枚を超えることはないところです。
もう一つイーサリアムクラシックの違うところは、イーサリアムは中央集権型、イーサリアムクラシックは非中央集権型というところです。中央集権型というのは、何か問題(ハッキング等がされたなど)が起こったときは、開発陣の多数決によって決められてしまうということです。この場合のメリットは、考えるべき最悪の手段を回避できるということでしょう。THE DAO事件のように、被害を最小限に抑えることができることです。
デメリットは、前述したように開発陣の都合でハードフォークなどが行われてしまうという危険性があります。イーサリアムクラシックの場合は、元々イーサリアムが誕生した経緯から非中央集権型、「コードこそ法(Code is law)」にのっとり合意形成がイーサリアムクラシックには行われています。
イーサリアムクラシックの非中央集権型のメリットは全てコンピューター重視のため、公平なジャッジをしてくれるというところです。逆にデメリットは、もしハッキングなどが起こったとき場合、コンピューターがハードフォークなどを不必要と裁断をすれば、ハードフォークなどの処置がとることができないため、被害が広くなってしまう可能性がある、というところです。
現在、中央集権型か非中央集権型のどちらが良いかというのは、結論を出すのは難しくのが実情となっています。実際ビットコインは現在、マイナー(マイニングをする人たち)の多数決によって決められています。ビットコインでは、未だSegwitをするかしないかで大きく分かれています。先日もハードフォークされるはずにも関わらず、ハードフォークがされなかったせいで、ビットコインの価格は大きく下落してしまいました。
その結果、ビットコインは一時的に1bit、63万円まで下落してしまい、逆にビットコインキャッシュは、3日で3倍近くの価格である1BCH、26万円台後半まで上昇しました。現在、ビットコインは74万円まで回復し、逆にビットコインキャッシュは12万円台後半まで大きく下落しています。
このように、マイナーの多数決で決められているビットコインは、ほぼ中央集権型であり、中央集権型の弊害によって派閥が起こり、何度も市場に混乱を引き起こしてしまっています。ですが、中央集権型か非中央集権型のどちらが良いかというのは現況での解決は大変困難で、これからの課題となっていくことでしょう。
イーサリアムクラシックの今後の値動き
チャートを見てみるとイーサリアムクラシックの特徴は、大きく上がって大きく下がるというのを、何度も繰り返してことです。5月の中旬から現在にかけてイーサリアムクラシックには、2500円前後に分厚い壁があるかごとく、どうにも超えられていないのが気になります。しかし、現在香港で行われているイーサリアムクラシックのカンファレンス次第では、直近の高値である2528円を超えていく可能性があります。
トレンドですが、やはりカンファレンス効果もあってか、上昇トレンドを形成中です。底値は9月15日に1ETC、1000円をつけたところが今のところの底値のようです。もし買い足しをするのならば、1000円前後で少し買ってみるのもいいかもしれません。ただ、今回のカンファレンスの結果次第では、大きく下落してしまう可能性がありますので、購入するときは、しっかりと底値を確認してから、買うようにしましょう。
逆に何かしらのプラス材料が発表されたときは、大きく急上昇する可能性が高いので慌てて買わずにしっかりと、押し目(一時的に下げ止まったところで買うこと)を確認してから買うようにしましょう。くれぐれも高値で買わないように注意をしないといけません。
イーサリアムクラシックの価格に影響するカンファレンスとは?
11月13,14日に香港で行われている、イーサリアムクラシックサミットのことです。このサミットの期待値はチャートにしっかり現れています。サミットが始まる3日前から大きく値を上げていることが分かります。現在1ETC、 1739円と下落していますが、前日の12日には2300円まで上昇しました。Twitterを見てみると、今のところサミットで重大な発表をしたということはないようです。買う予定のある方は、チャートをしっかり注視しておいたほうが良いようです。
近々のイーサリアムクラシックの価格はカンファレンス次第となっていきそうです。イーサリアムの場合、過去何度もハードフォークをしてしまうなど、幾度となく市場を不安してきました。ですが今のところイーサリアムクラシックは、ハッキングや不具合が発見されることがないばかりか、「Code is law」の方針をしっかり守っています。今後イーサリアムかイーサリアムクラシックどちらが主流になっていくかを予測するのは、難しいです。しかしイーサリアムクラシックは、今の価格以上に評価されるべき、仮想通貨なのではないかと考えています。