仮想通貨はさまざまな種類が存在しています。800とも1500ともいわれており、よく耳にするものはそのうちのほんの一部に過ぎません。仮想通貨は国や中央銀行が価値を保証しているものではなく、購入する人たちがコンセプトや将来性を検討して取引をしています。したがって、人気の高いものとそうでないものとが分かれ、相場に反映されていきます。ただ、種類が豊富になった仮想通貨からどれを選べばいいのか、判断が難しいところです。ここでは主な仮想通貨の種類とともに仮想通貨が生まれた経緯やおすすめの銘柄をご紹介します。

ビットコイン以外の有名な仮想通貨

仮想通貨はビットコインだけじゃない仮想通貨は一種類ではなく、いくつもの銘柄があります。その数は800種類以上とも1,600種類を超えるとも言われており、今後ますます増えていくと予想されます。

なかでも「仮想通貨の王様」であるビットCOINを筆頭にイーサリアム、リップル、リスク、モナコインといったあたりはテレビニュースでも耳にすることがあるメジャーな銘柄です。仮想通貨はその銘柄ごとに開発されたコンセプトや採用されている技術のほか、将来性や決済可能なTPOまで、それぞれの特徴があり、多様な顔を持っています。

なお、日本で開かれている取引所には全部で14種類の銘柄が上場されていて、日々将来性に応じてそれぞれ相場が値動きしています。日本は金融庁の許可のもと上場、取引がされており、別の言い方をすれば1,600種類以上もの銘柄のなかから選りすぐりの銘柄を国が教えてくれているといえるでしょう。

仮想通貨が誕生したプロセス

そもそも仮想通貨はなぜ誕生しどのように発展してきたのでしょうか。まず、構想されはじめたのは2008年頃。最初のビットCOINがプロトタイプのようなかたちでごく限られた範囲で取引されたのは2009年1月とされています。その後、2010年に世界で初めての取引所が生まれました。これが世界で初めてビットCOINが世の中に存在するようになったはじまりです。ここからしばらく「仮想通貨=ビットCOIN」という時代が続きます。

誕生した2010年から2012年まではビットCOINの相場はゆるやかに成長していきました。時価総額が初めて100万ドルを突破したのが2010年11月。翌年には1ビットCOINは1ドルからはじまって、6月には日本円で1,489円まで上昇。このあたりからビットCOINの将来性に目をつけた企業のなかに仮想通貨でビジネスができないか模索する動きが生まれてきます。

翌2013年に入ってから、ビットCOINの相場は知名度や将来性を背景に急激にうなぎ上りしていくこととなります。3月には4,736円、10月には13,356円と約半年でおよそ3倍まで膨れ上がったかと思えば、そこから2ヶ月後の12月には一気に11万円を超える高騰を見せました。

ビットCOINの快進撃は2014年以降も加速し続けます。いよいよ現実の世界で感じられるようになったニュースが相次ぎました。6月、東京で日本初のビットCOINのATMが開設。7月にはビットCOINで取引可能な企業が現れはじめ、日本国内では今につながる取引所が次々とスタートします。

2014年は日本でもビットCOINの名前が一般にまで広まった一年でした。とりわけ国内の取引所で起きた115億円分のビットCOIN消失事件はこれまでになくビットCOINにまつわる大きなニュースとしてネットはもちろんテレビや新聞といったマスメディアでの報道もされ「仮想通貨という新しいお金がある」「投資対象の一つでビットCOINが生まれたようだ」といった認識を人々に与える結果となりました。

その後、相場の高騰は続き、いくつかの消失事件を繰り返しながら2017年には仮想通貨の基軸通貨としてビットCOINの存在感は非常に大きなものへとなっていきます。

仮想通貨の基軸通貨「ビットコイン」

仮想通貨はなぜこんなに種類が多くなったのか数多くの仮想通貨の中でなぜビットCOINは「基軸通貨」と呼ばれるのでしょうか。「基軸通貨」とは複数の銘柄のなかでその国の経済力を背景に国際的な基準となる通貨をいいます。かつて現実の世界での基軸通貨は長らくイギリスのポンドという時代が続き、第二次世界大戦後は世界経済に与える影響力がアメリカに移ったことからアメリカドルが基軸通貨に変わりました。ただ、基軸通貨とは世界全体で話し合って決められたものではなく、時代によって市場が認めていくものといえます。

仮想通貨の世界では最初に誕生したビットCOINの存在感は今なお圧倒的で、基軸通貨として取引されています。ただ、イギリスポンドからアメリカドルになったように仮想通貨の基軸通貨もビットCOINからほかのアルトコインへ移り変わる日が来るかも知れません。

いまのところ仮想通貨の世界でも一般の認識も仮想通貨といえばビットCOINです。ただ、将来的にはコインの将来性や相場によって新たな基軸通貨が誕生する可能性は十分にあります。

ビットコインとアルトコインの関係

アルトコインとは、ビットCOIN以外の仮想通貨の総称です。「アルト」には英語で「代替の」「変わりの」「その他の」といった意味で、最初に誕生したビットCOINと分けるために使われてきました。ビットCOINのように世間では有名なものとしてイーサリアムやリップル、ビットコインキャッシュ、ライトコインなどがありますが、すべてアルトコインに分類されます。

仮想通貨の種類は1,600以上ともいわれますが、基軸通貨として扱われるビットCOINのほかはすべてアルトコインとなるため大変膨大な数です。人気や需要に応じて価格もさまざまであり、日本国内ではすべてのアルトコインが取引できるわけではありません。日本の取引所では世界的に取引量の多い上位5種類くらいしか取り扱っていないので、存在はしていても取引できるのはごく限られた有名なものだけというのがアルトコインなのです。

アルトコインはビットコインのもつ弱点を改善することを目的に次々と生み出されてきました。基軸通貨であるビットコインとは異なる特徴を出そうと細かな違いを売りにリリースされ続けていますが、当然市場のニーズに応じて自然淘汰されていきます。

スタンダードなアルトコイン3種類

それでは代表的なアルトコインを3つご紹介しましょう。

イーサリアム
アルトコインといえばます挙げられるのがイーサリアムです。ビットCOINとの違いは発行量に上限が決まっていないこと、キャスパーと呼ばれるマイニング方式の搭載が決まっておりビットコインより効率的なシステムになること、取引時間に10分程度かかるビットコインと比べてイーサリアムは15秒程度で送金完了できること、などが特徴です。

リップル
イーサリアムと並んで代表的なアルトコインですが、ビットCOINとの大きな違いは開発の目的にあります。ビットコインは現在の米ドルや日本円といった既存通貨のようなお金を目指して開発されたのに対し、既存通貨で成り立っているリアルな金融システムの効率化を目的に開発されました。米ドルから日本円への送金で発生する複雑なプロセスや高額な手数料、決済までの時間をできるだけコンパクトにして、ビジネスを加速させることがリップルの狙いです。

ビットコインキャッシュ
ビットコインの弱点を克服するために開発されたのがビットコインキャッシュです。ビットコインという名前が入っていますが、実際には別の通貨となります。ビットコインは莫大な取引量とともに決済に時間が掛かることが問題となっていました。処理速度の遅いビットコインは一度に記録できるブロックサイズが少ないため、理論上約8倍までサイズアップして設計されたのがビットコインキャッシュです。合わせてマイニングの処理速度をアップさせるため、アルゴリズムの能力を10倍にしました。最近はビットコインキャッシュ建ての取引所が日本でも開設が決まっており、ますます世界的に流通が活発となると予想されています。

ビットコインだけが仮想通貨という時代は少しずつ薄くなる傾向が強まっています。もちろん基軸通貨としての存在感は健在ですが、今後アルトコインの動向もしっかりとチェックしておくことが大切です。