コミュニケーション用トークアプリとして抜群の知名度、そして利用率を誇っているLINE。LINEは若者だけではなく今ではビジネスの場でも活用されるようになっており、会社内でLINEを使ってコミュニケーションを取ったり、連絡を取り合ったりしている人たちも少なくありません。LINEスタンプ以外にも多様なビジネスに乗り出しているLINEですが、そのLINEがなんとLINEファイナンシャルという会社を設立し、仮想通貨に事業に進出しようとしています。ではないファイナンシャルのねらいや同社の内容は一体どのようなものかを探ってみましょう。
LINEが仮想通貨に参入する時期
まず気になるのは、このLINEファイナンシャルはいつから仮想通貨取引所に参入するというところではないでしょうか。LINEファイナンシャルが発表されたのが2018年の1月末です。ちょうどコインチェック社の仮想通貨流出騒動が発表されたタイミングの直後であり、LINEが仮想通貨に乗り出すという話題も、コインチェック社の話題に押しつぶされてしまった感がなきにしもあらずです。
そしてその後日本の投資家の中でも仮想通貨ブームが一旦落ち着きを見せているため、LINEファイナンシャルとしても、具体的にいつから仮想通貨取引所を開始するのか、どういった内容はまだ明らかにされていません。なかなか取引所の開設のタイミングがわからないということは、それだけ入念に準備を行っておりセキュリティなどにも気を配っていることの表れとも考えられます。ただし2018年以内にはおそらくサイト開設を行うのではないかとみられています。
LINEが仮想通貨に参入する意味とは
ではなぜLINEがLINEファイナンシャルという会社を設立して、仮想通貨取引所を開始しようと考えているのでしょうか。LINEはすでにLINEPayという決済システムを有しています。このLINEPayのシステムを利用して、高いセキュリティ性とさらに利便性を仮想通貨取引ビジネスに与えようとしているのではないでしょうか。
LINEPayはこれまでセキュリティ上の問題が発生したこともほとんどなく、若年層が使うことが多い電子通貨取引ながらも、非常に高い安全性と使いやすさを誇っています。LINEPayは様々なショッピングアプリなどとも連動しており、LINEPayを通じてクレジットカードを持てないような若者たちでも様々な買い物ができるようになっているのです。
仮想通貨取引所ビジネスで未成年が参加できるかどうかはまだ明らかにはなっていませんが、もしかしたらこのLINEPayサービスとLINEファイナンシャルの仮想通貨取引所を連動させることで、未成年でも仮想通貨取引が可能になるかもしれません。そのような幅広いユーザーを獲得できるようになれば、従来仮想通貨にそれほど興味がなかったユーザーを取り込んで、さらなるビジネスの拡大を望むことができます。
またLINEの端末のほとんどはスマートフォンです。モバイル性のある仮想通貨取引をより容易にすることで、仮想通貨取引自体が活性化される可能性もあります。アジアで2億人以上の利用者がいると言われるLINEですから、日本だけではなくアジア全体で仮想通貨取引サイトを展開し、LINEの利用者を増やす。そしてLINEファイナンシャルの仮想通貨取引所の利用者も増やすという相乗効果を狙っているとも考えられます。
LINEはどんな銘柄を扱うのか
仮想通貨の取引サイトとなると、どんな銘柄を扱うかでサイトの利用者層は変わってきます下多くの銘柄を扱っていればそれだけ利用者も増えていきます。残念ながら具体的な取扱い銘柄は発表されていません。しかし当然ながらビットコインは使われるでしょうし、その他にもイーサリアムやリップル、NEMといった著名なアルトコインの数々を取り扱うことになるのは想像に難くありません。なんといってもLINEは現在大変規模の大きな会社になっていますから、LINEファイナンシャルも最初から大規模な会社としてスタートすることが想像されます。
仮想通貨取引ビジネスに乗り出した会社はこれまで多々ありましたが、その中でいくつもの会社が金融庁からの指導を受けて業務停止処分に追い込まれています。豊富な人材を持ちビジネスに対する蓄積も十分なLINEですから、そのような不手際を起こさずに最初から数多くのの銘柄を取り扱って、競争力の高いサイトを作っていくことが予想できるでしょう。
セキュリティ性に問題はないのか
仮想通貨に今一番問題を感じる人が多いのは、やはりそのセキュリティ面です。LINEファイナンシャルでもコインチェック社の仮想通貨流出騒動を受けて、記者会見の場でもセキュリティには大変気を使って運営を行うとの意向を発表しています。
高い技術力を有して大規模なビジネスを展開しているLINEですから、その安全性の高さにも定評があります、同社はセキュリティ面でハッカーから攻撃を受けたことも何度もあるでしょう。それでいながら、これまで目立ったセキュリティ関係の欠陥が明らかになったことは一度もないため、LINEのセキュリティ性はかなり高いものだと予想できます。
ブロックチェーン技術を応用して高い適用を持つのが仮想通貨のメリットになっていますが、運営側のセキュリティが脆弱なものでは、せっかくの仮想通貨のセキュリティ性が活かされません。
LINEファイナンシャルに関しては、その心配は比較的薄いとは言えるのではないでしょうか。LINEだけではなくDMMなど著名な会社も仮想通貨ビジネスに乗り出してきていますが、やはりそういった大きな会社であればあるほど、セキュリティには大変気を使っているようであり現時点で大きな問題はこれまで起きていません。事業者リスクの面で考えれば、LINEファイナンシャルのリスクはかなり小さいと言えるでしょう。
LINEファイナンシャルの実態とは
そして気になるLINEファイナンシャルの実態ですが、現在発表されている内容は以下のようになっています。
社名
LINEFinancial株式会社
代表者
代表取締役出澤剛(現LINE株式会社代表取締役社長)
取締役
舛田淳(現LINE株式会社取締役)
黄仁埈(ファンインジュン)(現LINE株式会社取締役)
資本金
50億円
設立年月日
2018年1月10日
代表者を見る限り、社長はLINE株式会社と兼任であり、取締役などもLINE本社から派遣されてくるようです。最初から資本金の規模も50億円と非常に大きいものであり、豊富な資産力を活かした大規模なビジネスを展開していくことが予想されるでしょう。
LINEPayを使えば、現在公共料金など様々な支払いも可能になっていますが、LINEPayと仮想通貨を連動させることで、仮想通貨を使ってもしかしたら気軽に買い物をしたり公共料金の支払いができるようになることも考えられるでしょう。
このようにこれまでLINEが構築してきたネットワーク、そしてビジネスのノウハウを活かして全く新しい仮想通貨取引所になることも考えられます。2018年度に入ってから仮想通貨取引もやや落ち着きを見せており、相場の動きも上向きは重く、しかし下も手堅いものになってきています。仮想通貨で一攫千金を狙いたいという人にはあまり美味しい状況とは言えないかもしれません。LINEファイナンシャルが仮想通貨取引サイトを動かすようになることで、仮想通貨取引所が再び活性化し、また全く新しい仮想通貨の活用法なども考えられるようになるかもしれません。