ブロックチェーンを活用した地域通貨「さるぼぼコイン」で地域の活性化

地域の活性化を目指してブロックチェーンを活用した地域通貨の発行やICOを行なおうという動きが各地の自治体などで起きています。例えば飛騨高山地域では、2017年5月15日からブロックチェーンを活用した「さるぼぼコイン」という地域通貨を発行して実証実験を行なっていました。そして実証実験が終了して金融機関との調整が終了したことで「さるぼぼコイン」の実用化にメドがつき、その結果2017年12月4日から「さるぼぼコイン」の実用化が開始されることになりました。

この「さるぼぼコイン」はスマホアプリを開発しているアイリッジと飛騨信用組合が共同で開発を行ない、飛騨信用組合の窓口で1円を1コインとして交換を行なうことができ、専用のスマホアプリを利用して高山市内の店舗などにて使用することが可能となっています。支払いはスマホアプリを起動して支払うを選択し、暗証番号を入力した後に店舗のQRコードを読み込んで支払い金額を入力してから「さるぼぼコイン」で支払いを行ないます。飛騨高山地域は「君の名は。」のモデルにもなった地域のため外国人の観光客も多く訪れており、観光客が「さるぼぼコイン」の使用を行なうことで地域の活性化を目指しています。

林業に頼る西粟倉村の現状

地方自治体独自の地域仮想通貨岡山県と鳥取県の県境にある西粟倉村では、ビットコインなど仮想通貨のICOを行なうことで地域の活性化を図ろうとする計画が持ち上がっています。西粟倉村は世帯数が594世帯あり総人口で1485人が暮らしている村になり、主要産業は面積の85%ほどを占めている人工林を活用した林業となっています。そしてその西粟倉村では2008年から百年の森林構想を立ち上げて林業を活用した村お越しを行っていましたが、その結果2014年には農林水産省からバイオマス産業都市に認定されています。そのことにより年度単位の計画や5年後10年後までの計画を立てて地域の活性化を目指しています。

具体的には間伐材をチップにしたり合板にして販売を行なったり、あわくら温泉や村の施設などの燃料をバイオマスに切り替えたり、太陽光発電なども行なって再生可能エネルギーの活用に力を入れています。また地域事業を支援する「ローカルベンチャースクール」や西粟倉村の自然を体験する体験型観光のツアーなども企画されて実施されています。

西粟倉村の新しい財源にICOを活用

このように西粟倉村の特徴を活かした地域の活性化に向けて対策を経てて実施していましたが、村の財源を得るための方法としてビットコインなどのICOを行なう構想を経てることになりました。この構想にはブロックチェーンの技術開発会社であるchaintope社やecショップのweb開発やビットコインなどの決済サポートツールなどの開発を行っている村式株式会社、そして地域の企業を育成したり、地域の産業に貢献しているエーゼロ株式会社の3社が共同して、ICOを活用するための研究を行なったりしています。

具体的な仕組みは、ビットコインなどのICOを投資家に募り、ICOが行われるとその発掘されたビットコインなどの仮想通貨が西粟倉村に入り、その一方でICOを行なった投資家に(仮称)西粟倉コインが発行されます。そしてその西粟倉コインをECサイトや来村して使用することが出来ますし、西粟倉村は日本円にして村の事業に活用する計画になっています。

現在発行されているビットコインは上限の76%ほどとなっていて、今後採掘されることが可能なのは24%ほどしか残っていないのですが、ビットコインにはビットコインキャッシュがありますし、ビットコインゴールドが付与されて取り扱いが可能となると、ビットコインゴールドのICOも可能となってきます。そのためこの構想が成功すると地域の新しい財源を確保することが出来ると同時に、地域の活性化にも寄与することが可能となるため今後の行方が注目となります。