仮想通貨の値動きが起こるタイミング

仮想通貨は日々値動きを続けており、一気に価値が上昇したかと思えば、一気に価値が急落することもあります。価値が乱高下する要因の1つとして、各仮想通貨に関連する情報が大きな影響を与えているのは明白でしょう。仮想通貨の情報で大きく注目されるのは、国による仮想通貨の規制、仮想通貨取引所での新規仮想通貨の取り扱い開始等です。そして、これらの情報が流れた時には、仮想通貨は大きな値動きを見せます。ここでは具体的な例から仮想通貨の値動きを見ていきましょう。

情報により乱高下したビットコイン価値

現在の仮想通貨累計資産ランキングで1位を誇り、その価値の高さから非常に有名な仮想通貨と言えば、ビットコインでしょう。しかし、ビットコインの変動制もさることながらある情報により大きな急落を見せました。9月1日の時点で中国の仮想通貨ICOに中国政府による規制が行われるのではないかという情報が流れ、9月2日には過去最高の55万円台を記録していたビットコインですが、急激に価値が下がり始めます。そして9月14日時点で43万円台に下落していたビットコインは更にマイナス要素のニュースにより、価値を更に下落させます。内容は、ビットコイン等を取り扱っていた3大仮想通貨取引所BTCC・OK・Huobiに対して、9月末~10月末での取引停止を決定したという情報です。

結果論にはなりますが、9月1日の段階でICO規制時に中国の取引所も停止になる可能性があるという情報は流れていました。その時点では確定した情報ではなかった為、大きな影響を受けないまでも価値の下落は始まっており、この段階で多くの人が市場に対する危機感を抱いたということでしょう。

この流れを受けて、9月15日に中国が突然取引所の停止を発表した為、仮想通貨市場全体が下落するという事態が起きています。また、前日まで43万円台であったビットコインの価値は、中国の発表を受け、価値が落ちる前に利益を確定させようという動きが高まり、売り注文が一気に増加し、急激な価値の下落を招いています。9月15日の最低価値は33万円台、前日の9月14日の43万円から一日もせずに10万円下落するという事態となりました。仮想通貨は、既存のどの通貨よりも情報による価値の変動は大きいものでしょう。また、現在は過去最高値だった55万円台を更新し、60万円台で推移していますが、今年8月の分裂に続き、10月中に再度分裂するということで、価値が再度大きく変動する可能性があります。

モナーコイン急騰の陰に情報あり

10月に入ってからの仮想通貨の大きな話題として取り上げられているのは、ビットコインの価値上昇とモナーコインの価値上昇です。モナーコインとは、簡単に説明すると日本の巨大掲示板サイト2ちゃんねるのソフトウェア板で、わたなべ氏によって開発されている日本初の仮想通貨であり、通貨単位表記は「MONA」。2014年1月1日に正式にリリースされ、有名な仮想通貨に比べると、リリースされてから4年も経っていないこの仮想通貨が大きな値動きを果たしたことから、大きな注目を浴びています。

まず、過去の最高値について見ていきましょう。過去の最高値を記録したのは3回であり、日付は2014年8月1日、次に2017年7月1日、2017年10月8日です。まず、2014年8月1日の価値上昇要因は、テレビ東京系列を始め、BSジャパン・日経CNBCで1988年4月4日から放送されている経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」で取り上げられた事を発端に価値が急騰。ワールドビジネスサテライト放送前の価値は3円、ここから最高値の99円まで価値が跳ね上っています。価値の跳ね上がりの後には価値の急落があり、2014年8月1日に最高値99円を記録したモナーコインは、その日の内に40円台まで一気に下がり、50円台の価値下落を記録しています。一日で3円から99円、99円から40円台までの大規模な変動は仮想通貨らしい流動性と言えるでしょう。

モナ―コインとビットコインから考える半減期と価値の関連性

仮想通貨の上昇、下降と各仮想通貨に流れる情報との関連性モナーコインが、2度目に最高値を記録したのは2017年7月1日です。この時の上昇の要因は2017年7月16日に迎えた「半減期」です。半減期について簡潔に説明する為に、ここではビットコインの半減期を例に挙げます。ビットコインは発行数に限りがあります。逆に無限に発行可能できるものとして、ドルや円などが挙げられます。ビットコインは、有限でありながらもまだ現在はマイニングという主担でビットコインを発掘して入手することが可能です。

しかし、利益を上げる発掘は誰でも手軽にできるものではなく、発掘システム構築に莫大な資金が掛かるため膨大な資金を持っている方でなければ行う事はできません。4年に1回のオリンピックイヤーに合わせて、発掘によって手に入るビットコインの量が半分になる事が決定されており、このルールを半減期と呼びます。つまり、半減期を迎える仮想通貨は同じ作業に対して手に入る通貨が2分の1になるということです。例を挙げると、これまではビットコインが100個手に入れる作業を同じように行っても50個しか入手出来なくなる為、半減期の前後には相場が2倍にならなければ、コストをかけて発掘する意味かなくなってしまいます。
ビットコインの相場は市場参加者の需要によって決まっていく為、市場参加者が「ビットコインの価値は上がる」と思い行動すれば、価値の上昇は継続します。ちなみに、ビットコインは、2016年に半減期を迎えた際には、半減期を前に価値がりし上半減期を過ぎると下がっています。このことから仮想通貨は半減期前に価値が上がる傾向にあるといえます。モナーコインも同様に半減期前の2017年7月1日に99円を記録し価値が上がり、半減期後の2017年7月17日には43円台を記録しています。

モナ―コイン急騰と仮想通貨取引所との関係性

3度目の上昇は2017年10月8日です。この時の要因に関しては、2017年10月2日にモナーコインが仮想通貨取引所「ビットフライヤー」での取り扱いが開始された事が挙げられます。ビットフライヤーは、2014年に設立された比較的新しい会社ですが、大手の企業から出資を受け取っており、現在は他の取引所に比べ急成長を遂げており、日本での取引所のなかでは資本力はトップクラスになります。

ビットフライヤーは、世界中の仮想通貨の中でも取引高上位に入っている主要な通貨である「ビットコイン」と「イーサリアム」「ライトコイン」「ビットコインキャッシュ」を取り扱っており、これらの仮想通貨は仮想通貨の資産ランキングで上位に入る有名通貨ばかりです。その中にモナーコインが加わったことから、モナーコインへの期待が高まり、2017年10月8日には過去の最高値99円を記録し、その後も上昇を続け、2017年10月14日には一時728円を記録しました。現在は400円台を推移しているものの、底値でさえも過去の最高値99円の数倍の値になっています。ビットフライヤーに登録されることによりモナーコインの需要は今後増えていくでしょう。

仮想通貨の値動きの見極めには情報が必要

仮想通貨の価値の見極めには、情報収集が不可欠です。特に仮想通貨を運用目的で取り扱おうとする場合は、調べもせずに仮想通貨を購入すると、下落した場合の対処が遅れ、価値がなくなるというリスクもなくはありません。
仮想通貨の市場の価値の上昇・下降は市場参加者の「需要」によって決まります。株などの取引と同じように市場を「読む」もあります。また、各仮想通貨の情報は市場参加者の多くが事前に把握している為、情報を知らずに利益を出す事は非常に困難でしょう。仮想通貨売買は一種の情報戦であり、情報を把握し仮想通貨を的確に運用する事でしか利益を上げる事はできません。その為、これから仮想通貨を運用していこうと思う方は、最低限自分の購入を検討している仮想通貨の情報については細かく調べましょう。