バブル真っただ中の仮想通貨でも情報分析は必要
仮想通貨の値動きは、総じて激しい物であり、仮想通貨の種類により異なりますが、少ない物では数円、多い物で数万円の値動きが一日で起こりえます。また、値動きには深く関係するのは、仮想通貨ごとに異なる情報と動向です。これは、仮想通貨がユーザーの期待値で値段が決まっているという側面を持っているためであり、個々または仮想通貨全体に影響を与えることも少なくありません。
特に、仮想通貨で利益を上げることを目指すのであれば、情報が必要ということを体感することになるでしょう。情報を入手し、購入するタイミング、売却するタイミングを見極める事でしか利益は確保できません。また、多々ある情報の中でも、単体・全体に関わらず仮想通貨の動向に関しての情報は重要である為、購入を検討している仮想通貨がある場合は、購入の前にその仮想通貨の動向を把握しなければなりません。
ビットコインの動向について知る
仮想通貨の代表格として知られているビットコインは、現在では1BTC60万円を超えている状況です。ビットコインの価格の高騰についての情報を知っている人は多いと思いますが、逆に暴落の情報についてはあまり知られてはいません。しかし、ビットコインも過去においては、暴落する事態が何度も起きており、今までの暴落原因は、2011年6月 MT.GOX社のハッキング被害、2013年12月 中国政府による国内銀行へのビットコイン禁止令、2014年2月 MT.GOX社の破綻、2017年9月 中国政府によるICOと仮想通貨規制の発令等です。
まず、2011年6月 にMT.GOX社がハッキング被害を受けたことでビットコインの価格が12ドルから2ドルとなり、過去最大の80%に及ぶ暴落が起きています。次に2013年12月に は、 中国政府が国内銀行に対してビットコインの取り扱いを禁止する通達を出したことにより、取引所のサービスが停止する等の混乱が起き、1150ドルから459ドルまで60%程度の暴落が発生しています。2014年2月には MT.GOX社が破綻、このニュースは大々的に報道された為、ビットコインの知名度は高まったものの、怪しい、詐欺なのではないかという風評が広がり、ビットコインに対してマイナスのイメージが持たれ、820ドルから400ドルへ50%程の暴落が起きました。
2017年9月には、中国がICOを違法と判断し全面禁止、その後に国内のビットコインをはじめとする仮想通貨の取引制限を行ったことにより、中国の大手取引所が操業を停止する事態が起き、最高値4850ドルから2950ドルまで下がり40%の暴落が発生しています。こうして、ビットコインの暴落の歴史を見てみると取引会社へのハッキングや取引所に対するリスク、政治的な理由によって何度も暴落しており、そのたびに暴落を乗り越え価格の上昇を続けているため、非常に需要の高い通貨として世界に認められているということになります。また、ビットコインの今後の動向として注目されているのは、ビットコインの更なる分裂です。8月に分裂した際には、ビットコインから分裂しビットコインキャッシュが誕生しましたが、10月25日には新たに新通貨「ビットコインゴールド」が誕生し、11月にも新たな分裂がおこることが予想されています。仮想通貨は分裂時に大きな値動きがあることに注意して動向を見守りましょう。
時価総額の高い仮想通貨2位イーサリアムの動向
2013年に誕生したイーサリアムは2017年まで価格に大きな変動はありませんでした。ししかし、2017年1月には1ETHあたり約943円程でしたが、3月から価格の高騰が起き、3月に5,000円を突破し5月には1万円を突破、6月に更に高騰、一時48,000円台を記録しています。2017年上半期だけで約50倍の価格上昇を記録しており、その要因となった出来事は2017年3月中旬、2017年4月末、2017年5月下旬に発生しました。
2017年3月の高騰要因は2つあり、1つ目は、イーサリアム同盟の『エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)』設立です。この同盟には、JPモルガンやマイクロソフト、インテルなどの大企業が参加している為、イーサリアムが注目され価格が高騰しています。もう1つの要因として、同時期にビットコインの上場投資信託化が認められなかったという出来事があり、これを受けてビットコインの投資家が他の仮想通貨へ流れていったことがイーサリアム価格高騰に結び付ついています。仮想通貨においては、他の仮想通貨の流入は決して珍しい出来事ではありません。
2017年4月末の高騰要因は、3月にビットコインが否決となっている上場投資信託化をイーサリアムも行うと表明したことが要因です。時価総額ランキング第1位のビットコインで否決された上場投資信託化に挑む姿勢が投資家に評価されたものと見られています。2017年5月下旬の高騰要因は、2017年3月に発足した「EEA」にトヨタやサムスンなどのアジア大手企業が参加したことが要因として挙げられています。
また、韓国では、イーサリアムはビットコイン以上に支持を集めている仮想通貨であるため、トヨタやサムスンがEEAに参加したことで価格が変動しています。しかし、価格高騰が続いていたイーサリアムですが、2017年6月中旬以降にICO多発により処理が追い付かなくなるスケラービリティ問題が発生し、さらにビットコインの分裂問題が発生した為、価格下落に繋がりました。6月中旬には1EHT約5万円目前でしたが、一時期1ETH2万円を下回る状況となり、現在では3万円台で推移している状況です。
2017年に激しい動向を迎えたイーサリアムですが、時価総額第2位に位置する代表的な仮想通貨であり、他の通貨と比較しても大企業からも信頼が厚く、将来性も十分にある為、現在は3万円台で推移していますが、今後の動向次第では、数倍以上の価値を見出せるでしょう。
日本発の仮想通貨モナーコインの発生と動向
モナーコインは日本の巨大掲示板2ちゃんねるから生まれ、2013年12月23日に公開された日本発の仮想通貨です。日本発の通貨として発行されましたが、発行された当時の価格は3円程度であり、現在の底値の100倍以下という状況でした。
モナーコインの高騰の要因は、全部で3つあり、それぞれで時期が異なります。2014年8月1日の高騰要因は、経済情報番組「ワールドビジネスサテライト」で取り上げられた事です。情報番組で取り上げられることによって、仮想通貨の価値が高値になるという予想が今後しやすくなる出来事でした。ちなみに、ワールドビジネスサテライト放送前の価格は3円、ここから最高値の99円まで上昇しています。
2017年7月1日の高騰要因は2017年7月16日に迎えた「半減期」にあります。半減期とは仮想通貨発掘によって手に入る量が半分になる時期のことであり、これはモナーコインに限った話ではありません。2017年10月8日の高騰要因は、モナーコインが仮想通貨取引所「ビットフライヤー」での取り扱いが開始された事が挙げられます。
ビットフライヤーは、世界中の仮想通貨の中でも取引高上位に入っている主要な通貨である、ビットコインやイーサリアム等を取り扱っています。ビットフライヤーで取り扱っている仮想通貨は、仮想通貨の資産ランキングで上位に入る有名通貨ばかりであり、その中にモナーコインが加わったことから、モナーコインへの期待が高まり、2017年10月14日には一時過去最高値の728円を記録するという結果になりました。また、ビットフライヤーでの取り扱い通貨という立ち位置の為、今後何かしらの有益な情報によって更なる高値が期待できます。
仮想通貨価格の上昇下落と世界の動きをリンクさせる
仮想通貨の価格は、市場参加者が価格の上昇を見込めば、価格の上昇は継続し、価格の下落を見込めば、価格は下がります。しかし、単純に買い手と売り手のバランスで、仮想通貨の価値が決まるわけではありません。金融・経済・仮想通貨の知名度の上昇、仮想通貨の分裂、仮想通貨取引所での取り扱い開始、国家による仮想通貨の取引規制等価格に直結する情報はそれが錯綜したものにしろ、真実にしろ、常に流れています。それらの情報を元に動向を把握し、自分なりの見立てを立てる事で、価格が上昇した場合はもちろん、価格が下落した時にも冷静な判断が可能です。仮想通貨取引で利益を出し、読み違いによる損を最小限に抑え、迅速に動向の把握を行いましょう。