常にチェックしておくべき仮想通貨の動向と情報
仮想通貨は、株やFX、確定拠出年金とは系統は異なりますが、金融商品の1つに分類できます。仮想通貨は値動きが非常に激しく、仮想通貨の種類にもよりますが、1日で数円から数万円、中には1日で10万円以上の値動きがあることも少なくありません。仮想通貨の値動きは、市場参加者の価値に対する期待を込めた「読み」によって決まっていく為、市場参加者が価値の上昇を見込めば、価値の上昇は継続し、価値の下落を見込めば、価値は下がります。
市場参加者の「読み」に欠かす事の出来ない情報が仮想通貨の動向と呼ばれるものです。情報は溢れるほど存在していますが、その中で取捨選択を行う必要があり、その選択が正しければ仮想通貨を使用した運用で失敗することはないでしょう。仮想通貨における動向としては、知名度の上昇、分裂、仮想通貨取引所での取り扱い開始、国家による仮想通貨の取引規制等があります。それらの情報を元に動向を把握し、自分なりの見立てを立てる事で、価値が上昇した場合はもちろん、価値が下落した時にも冷静な判断が可能となります。むしろ、しっかりとした情報戦略があっても仮想通貨の価値は、一時的なに下がることもあることを忘れてはなりません。
中国のICO規制における仮想通貨全体の動き
2017年9月、中国が仮想通貨の資金調達方法の1つであるICOを違法と判断し全面禁止、その後、国内のビットコインをはじめとする仮想通貨全ての取引制限を行ったことにより、中国の大手取引所が操業を停止する事態が起きました。ICOとは上場を目指すコインの一部を、あらかじめ投資家へ先行販売して資金を調達する方法です。この動向に関しては、8月から中国で規制がされるのではないかとの情報は流れていたものの、確定していた訳ではなく、市場参加者の中には、規制自体行われないという予測が広がっている状況でした。
しかし、9月4日に中国当局が規制内容を発表した内容は、中国でのICO全面禁止、仮想通貨の取引制限、中国大手取引所の操業停止という仮想通貨の市場参加者にとって非常にマイナス要素の強いものであり、希望的観測はこの時点で砕かれています。1つの国で厳しい規制が行われても、仮想通貨は全世界で取り扱われているので問題はないと思われるかもしれませんが、中国の経済規模は世界でトップクラスであり、そのトップクラスの経済力が仮想通貨の市場に対してNGを出したということになります。
中国で厳しい規制が打ち出された影響で、ビットコインの価値が最高値4850ドルから2950ドルまで下がる等仮想通貨全体の価値の下落を招いています。また、現在のビットコインの価値は、中国の規制の影響を抜け出していますが、仮想通貨が広まって行くほど規制に向けた動きが活発になる可能性は非常に高いと言えるでしょう。日本でも2017年9月から2017年4月施行の改正資金決済法で取引所に登録制を導入したことを受け、自己資本や経営管理体制など経営の透明化へ向けた最低限のルール整備が実施されています。例を挙げると、仮想通貨取引所には国への登録が義務付けられ、利用者保護や資金管理体制などの条件をクリアしない限り、登録が不可能という制度が策定されました。日本ではまだ厳しい規制がなされていませんが、将来的に中国のように大規模な規制に乗り出す可能性はある為、仮想通貨に対する国の動向は注視していきましょう。
国際会議「SWELL」とリップルの関連性
SWELLは仮想通貨であるリップルが開催した国際会議のことを指します。リップルはリップルのネットワークを使った銀行間の低コストかつ迅速な送金システムを世界的に進めており、この会議はリップルの今後にとって大変重要な会議でした。出席者は元FRB議長のバーナンキ氏や、インターネットの生みの親であるティム・バーナーズ=リー氏、そしてオバマ政権下で経済の顧問として働いたジーンスパーリング氏などそうそうたるメンバーに加え、仮想通貨の時価総額ランキング第2位のイーサリアムの開発者であるビタリク氏も参加したため結果として大きな注目を浴びました。リップルは仮想通貨の時価総額ランキング第3位の代表的な仮想通貨であることも加え、会議参加メンバーが世界的に有名だったこともあり、発表の内容次第ではリップルの価値が高騰するのではないかとの期待からSWELL開催前に20円台前半で推移していた価値が一時30円台に上昇しています。
しかし、SWELL開催によって高騰が期待された価値は、10月16日~10月18日の3日間の開催期間で上昇するどころか、結果として下落しています。理由としては、3日間にも及ぶ国際会議でリップルの価値上昇に繋がる動向が示されなかったことにあると言えるでしょう。会議の内容として、リップルの有用性や今後の可能性に期待が持てるといった内容は盛り込まれていたものの、あくまでもそれは将来性の話であり、市場参加者から見れば、現在のリップルの価値上昇に繋がる訳ではないと判断されたということになります。
また、この動向から読み取れることは、仮想通貨ではそれぞれに仮想通貨独自のイベントがあります。イベントの日付が決まっている場合、期待感から値段が上がる事がありますが、実際に開催されると値段が落ちてしまう場合も少なくありません。逆に開催前に値下がりし、開催後に急騰する場合もある為、イベントに関しては、細目に情報を集めて備えなければ、ベストなタイミングの取引は難しいでしょう。
イベントが発表されることによる価値の急騰
イベントに関連したもので、2017年8月20日から8月末にかけて、リスクという仮想通貨の価値が一気に高騰し、200円台から800円台へ、1週間で約4倍まで高騰しています。高騰の要因と考えられるものが複数ありますが、どれもプラスの要因です。
1つ目は8月24日にインドで開設された仮想通貨取引所「BitBay」の取扱い通貨として、リスクが扱われることが発表されたことが影響しています。インドは、特に仮想通貨業界の中でも注目の市場であり、経済的にもこれから伸びていく可能性が非常に高い国である為、仮想通貨のユーザーの期待値も高くなったと考えていいでしょう。
2つ目は9月にリブランディングを行う事を発表したことです。リブランディングとは今までのブランドを再構築して、より効果的なブランドを立ち上げることです。簡単に言えば、携帯電話やパソコンなどでシステムのアップデートなどと同じものであり、仮想通貨でもシステムのアップデートが行われます。結果としてシステムの情報処理速度の向上や、ハッキングなどを防止するセキュリティー面が強化されるなど仮想通貨の安全性、信頼性を高めることにつながる為、リスクという仮想通貨全体の価値を根本的に変える可能性を有しています。
3つ目はリスクのCEOであるマックス・コーデック氏がインタビューの中で、2017年9月に【Lisk core 1.0】のアップデートを行うことを発表し、リスクの大幅な改善が見込める可能性が出てきました。
2017年8月20日から8月末にかけて、リスクの価値上昇に繋がるイベントが実施、発表された結果リスクの価値は高騰しています。実際には、発表した内容のものはほぼ延期となりましたが、その時期が来れば高騰することは目に見えているため、リスクに対する将来的な期待は非常に高まったと言えるでしょう。
仮想通貨動向やイベントについて詳しく知る
仮想通貨はイベントにより価値の傾向が大きく変わります。その為、予定されていたイベントの延期が決まった場合などは値下がりに対しての注意が必要です。また、価値が変動する時期が異なるだけではなく、延期した時期によっては、他の仮想通貨のイベント時期と重なりその影響を受ける場合がある為、保有している仮想通貨の動向は把握しておきましょう。
仮想通貨の価値には、上昇・下落に関わらず動向やイベントが関連しています。国家による規制、各仮想通貨の国際会議やイベントなど様々なものがあり、仮想通貨市場は市場参加者の読みで価値の変動が起こる為、動向やイベントについて詳しく知る事で価値の変動に対応する事が可能です。
逆に情報を持たずに、仮想通貨を購入する事は大きなリスクに繋がります。仮想通貨投資はリスクを軽視してリターンばかりに目を向けていては、利益を得るどころか、大きな損失を出しかねません。仮想通貨の動向、イベントの情報を確認した上で仮想通貨に投資しましょう。