仮想通貨投資初心者の多くが購入する通貨として、ビットコインがあります。ビットコインの取引承認方式は、PoWとなっているのでマイニングマシンの処理能力によって、報酬を受け取れるかどうかが変わります。しかし、課題として挙げられているのが、マイニング業者などの台頭により大規模なマイニング設備が整う反面、個人ではマイニング上位に上がるのが難しくなっているという点にあります。

他にも、51%問題がありマイニングによる過半数を超えてしまうと、問題が起きてしまいます。特に初心者にとっては、マイニングに関する知識やマシンの準備に関して不十分な部分があり、なかなか簡単にマイニングを始める事ができません。しかし、仮想通貨Decredは、取引承認システムにある方法を用いて課題を解決しようと試みています。仮想通貨Decredの基本スペックや特徴、取引承認方式の特徴からメリット・デメリットについて紹介していきます。

仮想通貨Decred(ディークレッド)の基本情報

仮想通貨Decredディークレッドの将来性と購入方法仮想通貨Decred(ディークレッド)は2016年2月に発行された、いわゆる仮想通貨バブル以前の通貨となっており、仮想通貨の中では長く市場で取引されているといえます。通貨の正式名称は、Decredで日本語ではディークレッドと読みます。通貨単位は、DCRで通貨発行上限枚数は、21,000,000DCRとなっています。時価総額は、45位前後とメジャー仮想通貨の一歩手前といえますが、後述でも紹介する技術により仮想通貨投資家などから注目されています。

仮想通貨Decredは、最近発行されている仮想通貨のように、大きなプロジェクトや別分野のプラットフォームとして開発された通貨ではありません。ですので、仮想通貨投資家の中には、画期的なシステムが組み込まれていないということで、注目しない場合も有りますが一方で視点を変えると投資家にとって役立つ通貨といえます。それは、大衆的なアルトコインといえるからです。

非中央管理システムといわれる仮想通貨ですが、多くの新規アルトコインの開発チームの動きとしては、あくまで開発元が決めた仕様やアップデートに、ユーザーが従う形になっています。しかし、Decredの場合は、何かしらの機能を実装する際には、Decredユーザーに投票をし実装を決める事ができます。従って、仮想通貨が持つ本来の理念であるユーザーファースト・非中央管理方式に則っているといえます。

仮想通貨Decred(ディークレッド)の特徴

Decred(ディークレッド)の特徴はいくつかあり、まず1つ目が取引承認方式について、PoSとPoWのハイブリット型という点です。多くの仮想通貨投資家が利用している、ビットコイン・イーサリアム・リップルなどといった通貨は、PoSかPoWどちらかの承認方式を採用していますが、両方を実装してはいません。まずPoWとは、ビットコインなどで採用している取引承認方式です。内容を簡単に説明すると、マイニングマシンの計算処理能力によって、マイニング報酬が貰えるか決まります。

従って、より多くの計算を行ったマシンが評価されるので、一般で販売されているPCではマイニングはできますが上位に入るのが難しいです。その為、マイニング専用のマシンを自作する方もいて、最近ではマイニングマシン専用の書籍なども販売されています。マイニングマシンに関しては、仮想通貨投資とは別ジャンルなのでPCの自作経験がある方や、CPUや基盤の知識を持っている方でないとマシンの構築は厳しいです。

次に、PoSについても簡単に説明します。PoSは、DASHなどで採用されている承認方式で、通貨をどれだけ保有しているか・使用しているかによって、報酬が貰えるかが決まります。従って、マイニングマシンの性能やマシンを準備する必要はなく、どちらかというと仮想通貨をどれだけ利用しているかが重要になります。こちらの場合は、仮想通貨投資家にとって有利といえますし、いわゆる配当利益として見込めるので安定した収益になります。

そして、仮想通貨Decredは、前述の2つの機能を実装したハイブリッド型です。具体的には、報酬にようる目的で開発されたのではなく、2段階による検証方式を採用することで、ビットコインなどで起きた通貨の分裂リスクを抑える役目を果たしています。つまり、Decred自体の安定化に繋げる為に、ハイブリッド型にしたということです。

次の特徴は、利用者に向けて情報が公開されている点です。多くの仮想通貨は、企業が開発しており具体的なソースコードや進捗状況については、限定的な情報公開であることが多いです。例えば、開発プロジェクトの概要は、ホワイトペーパーや公式サイトで確認する、リアルタイムな進捗状況についてはSNSなどで発信された情報をチェックするなど、情報を閲覧する場が少ないともいえます。

Decredの場合は、大衆に向けたアルトコインを目指しているので、公式サイトでソースコードを閲覧することができますし、新規機能についてもサイト内で議論されているので状況を確認することができます。運営側が独占的に通貨を利用するのではなく、あくまで利用者も公平に取引できるよう考慮されています。

仮想通貨Decred(ディークレッド)のメリット・デメリット

PoSとPoWの2つの機能を実装したハイブリッド型仮想通貨Decred続いて仮想通貨Decred(ディークレッド)のメリットから紹介していきます。

1つ目は、前述でも少し紹介していますが、ユーザーの投票によりアップデートや仕様変更などが決まることです。PoSを利用した投票システムにより、合理的な投票ができるようになり、コミュニティ同士での議論がまとまらないといった事も防ぐことができます。また、開発者側で独占的にプロジェクトを進めるといった、中央管理方式のシステムも排除することができました。これにより、ユーザーファーストといえる仮想通貨Decredとして、期待されています。

2つ目は、ブロックチェーン技術を利用して、取引所を介さずDecredと別の仮想通貨の交換が出来るという点です。元々直接取引ができた仮想通貨でしたが、専門的な技術が必要な為、結果的に取引所を経由して売買や交換を行うようになりました。また、不正ハッキングのリスクもある取引所以外の、簡単な取引方法を作り出す必要もあり、そこでDecredと他の仮想通貨の直接取引機能が実装されたということです。

次にデメリットについて紹介します。それは、メリットでもあった投票システムです。開発陣が設計したロードマップも、投票により却下されれば実行できません。従って、開発が進みにくく、ロードマップも作りにくい側面があります。また、開発者からすると、思うように開発ができないことで、開発自体のモチベーションも下がることになり、不安定な状況になりうる可能性があります。

仮想通貨Decred(ディークレッド)のチャートと将来性

仮想通貨Decred(ディークレッド)のチャートは、2018年5月16日時点で、1DCR=9758円付近を推移しています。他のマイナーな仮想通貨と比較すると価格から見て、成長しているといえます。多くのマイナーな仮想通貨は、100円単位であることが多く、その点からDecredが期待されていることが分かります。

2018年初頭に起きた、仮想通貨市場の下落相場により、Decredも一時1DCR=4100円付近まで下落し底値が見えない状況でした。しかし、市場全体が上昇基調へ変化したことにより、Decredも上昇傾向へと推移しています。将来性について、大きなプロジェクトやプラットフォームとしての動きはありませんが、投票制度など利用者がより集まれば、安定した通貨となる可能性があり今後も期待が持てます。