仮想通貨の取引が日々増加している中、仮想通貨投資を考えている方も少なくないでしょう。投資手法として最も始めやすいのが「アービトラージ」という方法です。今でも多くのトレーダーがアービトラージによって利益を生むために、価格を追っかけています。アービトラージを考えている人にはどのような戦略があるのか、注意点、さまざまな戦略・攻略方法をまとめました。
アービトラージ(裁定取引)とは
アービトラージとは簡単にいえば、商品の価格差で利益を出す投資手法のことです。日本語ではアービトラージを裁定取引と言い、FXでも一般的な投資手法です。例えば1ビットコイン90万円台で購入し、1ビットコイン100万円に上昇したら売却することで利益が出ます。このように、アービトラージは一般的にリスクが低い投資手法なので、初心者からでも参入しやすく上級者の投資家でもアービトラージを採用しています。アービトラージは絶対的に利益を得られる投資手法ではありませんが、利損益を把握しやすい投資手法のため人気です。
先ほども紹介したようにアービトラージで利益を出せるのは仮想通貨だけに限った話ではありません。株式やFXなどの価格変動が起こる商品にはアービトラージを投資手段として多くの投資家が扱っています。仮想通貨に限って投資をする魅力は、価格変動が大きく、変動幅の広さから大きな利益を生みやすいアクティブな投資商品だからです。FXや株式は国・企業が安定しているため価格変動が小さく、仮想通貨に比べて少額で利益が出にくいものになっています。
しかし、ビットコインやアルトコインの価格変動が大きいということは、アービトラージにおいて大きな損益を生みやすいということも事実です。また仮想通貨が多くの人に信頼されていないため、購入時は価値があった通貨でも、信頼を完全に失えば価値がなくなってしまう危険性もあります。信頼が上がる仮想通貨を選び、それが現在の価格よりも大きく価格上昇をすると、あなたも仮想通貨の利益で『億り人(1億円稼いだ人)』になれるかもしれません。実際に2017年のビットコイン価格は1年間で10倍以上に膨れ上がり、数百人程度の億り人が出たと話題を呼びました。
仮想通貨で行うアービトラージ3つの戦略
仮想通貨でアービトラージを行う場合に大きく分けて3つ売買手段があります。
アービトラージの1つ目の手段として最も一般的なものは、その価格変動による売買が挙げられます。これはFXや株式の投資手段と変わりません。ビットコインが分裂するかもしれないと論争があったときには大きな価格変動がありました。分裂前はビットコイン自体がどうなるのかという不安から価格が下がっていましたが、分裂後には価格が2倍以上に急激に上昇しました。急激な価格変動では仮想通貨を取り扱っている技術面の動きが活発になってきたことを示します。仮想通貨の信用を担保するのはブロックチェーン技術であり、その技術のアップデートが主な原因です。
アービトラージを行う2つ目の手段として、取引所の価格差で売買する手法があります。有名な取引所はビットフライヤー、Zaif、コインチェックといった取引所です。投資手法としては例えば、ビットフライヤーでのビットコイン価格が100万円だったとしましょう。そのとき、コインチェックのビットコイン価格が101万円だったときビットフライヤーでビットコインを購入し、コインチェックへ送金、コインチェックで売却して購入時と売却時の差額で利益を生む手段がアービトラージとなります。しかし、送金手数料や購入手数料、売却手数料と手数料が発生する取引所があるため確認が必要です。また送金に時間がかかるので、送金時間途中に価格の変動を意識するのも重要かもしれません。
アービトラージの3つ目の手法として、3通貨間でのアービトラージを行う手法です。取り組み方としては日本円(JPY)、ビットコイン(BTC)、その他の通貨、の3通貨間での価格差を狙う仕組みです。日本円でビットコインを購入し、ビットコインでその他の通貨を購入後、再度日本円に戻したときに微妙な売買価格誤差によって日本円が増えているというサイクルを生み出す手法です。このアービトラージの手法のメリットは取引所間の送金手数料が発生せず素早い通貨の交換ができることや裁定価格の変動予想をしなくていいことです。逆に、このアービトラージ方法のデメリットとしては取引所によって大きなスプレット手数料が発生してしまうということでしょう。
仮想通貨アービトラージのメリット
アービトラージのメリットについてです。アービトラージは「安く買って、高く売る。」ただそれだけのシンプルな投資手法だからこそ、投資したことがない初心者でも始めやすいことが最大のメリットです。仮想通貨の技術面なことなどは考えずに変動だけを追っていれば良いので、初心者でもアービトラージ取引を行うことができます。また、仮想通貨に限れば変動が大きい投資商品なので、アービトラージで大きく勝つことも可能です。
仮想通貨ははまだ黎明期のため、今から投資をすることで詳しくなれるということもも素晴らしいメリットです。もし仮想通貨が黎明期から成長期に上がったとした場合、あなたの仮想通貨リテラシーが高ければ素早い投資かつさらに大きく稼げる可能性があります。
仮想通貨アービトラージのデメリット
逆にアービトラージのデメリットについてです。アービトラージはずっと価格変動を追っていることに神経をすり減らします。「安く買って、高く売る」とてもシンプルな投資手法のため、商品を購入してから売るまでは価格レートの変動から目を離せません。また、次に高くなる価格を予測して、最安価格付近で購入するためのタイミングを見計らうことに神経を使ってしまうのもアービトラージのデメリットとなります。アービトラージを行う際は、利益の目標点、損益の目標点を設定することで神経をすり減らさないようにしましょう。
また、ビットコインやアルトコインは未だ広く信用されていない通貨であることを忘れてはいけません。そのためビットコイン価格は大きく増減をしています。信頼を得られているのは仮想通貨のベースとなるブロックチェーン技術であり、技術が成熟するにつれて信頼が徐々に上がるでしょう。また全く信頼できない仮想通貨も登場しているので、投資商品を選ぶ際も注意が必要です。なお、仮想通貨取引所では比較的に信頼ができる商品を取り扱っています。
取引所と連携することで自動売買プログラムが可能
仮想通貨のアービトラージには多くの取引所に設定されているAPIといった取引所と連携するプログラムが用意されています。そのAPIプログラムと連携することで、アービトラージを行えるような自動売買プログラムを作ることが可能です。自動プログラムは自分で購入点や売却点を設定するだけで自分が操作しなくても売買してくれる仕組みとして注目をあつめています。
自動プログラムを使ってアービトラージを行った場合、人間が全く介入することなく自動的に売買することができるため、急激な価格上昇が起きたときや急激な価格下落が起きたときでも素早い対応が可能です。現在ITエンジニアの口コミサイトQiitaに無償オープンソースが公開されているので、気になる方や、アービトラージでずっと価格トレードを見たくないと考えている方にはおすすめのプログラムかもしれません。しかし、このような自動プログラムを導入している方が増えた結果、急激な価格変動が起きたときには取引所のサーバーが落ち、売買に対応できないという問題もたくさん出てきました。