2017年の仮想通貨バブルが過ぎ、2018年5月の仮想通貨市場は新たな局面へと向かっています。それは、これまで通貨として注目されていた仮想通貨が、プラットフォームやブロックチェーン技術を活用した別分野の応用などシステム面で活用されています。その要因の1つが、個人でも仮想通貨を発行できることのよる、新しいアイデアやシステムがスピーディに生まれる点でしょう。

従来であれば、企業がプロジェクトチームを発足し、資金調達を行った上で開発が進みます。従って、大きなプロジェクトを動かす力はありましたが、一方で革新的なアイデアを実行するリスクを優先させるので、新しいプロジェクトが生まれにくい側面がありました。しかし、仮想通貨・トークンは、誰でも発行することができますし、ICOによる資金調達も可能です。

しかし最近では、敷居の低さと仮想通貨への資金流入から、中には価値の疑わしい仮想通貨も発行されていることや、ICOで資金調達を募っている事例があります。ですので、仮想通貨投資初心者は、新たなプロジェクトへ参加する前によく開発元の確認の必要性を知ることが大切です。そこで、今回は、2017年頃にICOのセールに関する情報が出ていた、Digital Gold Coinについて紹介します。

仮想通貨Digital Gold Coinとは

仮想通貨Digital Gold Coinの将来性仮想通貨Digital Gold Coinとは、2017年12月頃にICOプレセールなどの宣伝をしていた通貨及びプロジェクトの名称です。Digital Gold Marketing (デジタルゴールドマーケティング社)という2016年に設立された企業が、Digital Gold Coinを開発しています。2018年5月時点では、国内外の取引所で上場されているという情報はありません。また、レートや通貨発行上限枚数、どのような取引承認方式かも情報が公開されていません。

Digital Gold Coinプロジェクトの概要は、金鉱山の開発事業で得た金を仮想通貨Digital Gold Coinの担保にするという流れになっています。しかし2018年5月時点で、Digital Gold Coinの担保となる金の担保額やどれだけの金鉱山開発事業は、情報がなく大まかな概要のみが公開されている状況です。

一見すると、金を担保としている仮想通貨のように見えますが、正確には金鉱山を開発している企業を担保としているといえます。つまり、金自体の価値は比較的安定している為、その採掘事業を行っている企業にも一定の価値が存在するといった内容と捉えることができるでしょう。そして、その担保となる企業は、地蔵鉱山株式会社と明記されております。

ICOについてですが、公式サイトでは2017年12月頃にDigital Gold CoinのICO実施を知らせる、情報が載っていましたが、2018年5月時点でどれほどの資金が調達できたのか、ICOが実施されたのかという情報については公開されていません。

公式サイトで記載されているICOの内容によると、リップルをベースにした仮想通貨と発表されています。また、2018年3月29日に仮想通貨交換業者から完全撤退をした、当時運営されていた東京ゲートウェイへ上場する趣旨の説明もしています。しかし、前述で触れたように、東京ゲートウェイは2018年3月29日に発表された金融庁の発表の中で、仮想通貨交換業者の登録申請取り下げ及び完全撤退を行った業者です。つまり、みなし業者でした。

次に、Digital Gold CoinのICOの情報についてですが、2017年12月頃にプレセールを行う趣旨の情報を発表及び日本仮想通貨総合研究所で販売していましたが、既に終了しています。また、ICOに関する情報公開以降更新もストップしており、開発状況についても不明といえるでしょう。更に、上場予定として挙げられていた東京ゲートウェイは、みなし業者のまま運営し2018年3月29日に完全撤退しました。このことにより、取引所に上場している可能性は低いといえるでしょう。

仮想通貨Digital Gold Coinの評価

仮想通貨Digital Gold Coinの評価ですが、極一部の仮想通貨投資家には知られていた可能性もありますが、一般的には知られていないといえるでしょう。また、公式サイトもありますが、運営に関する基本情報や経営状態もサイト内からは確認できないので、2018年5月時点での状況は明らかになっていません。

また、仮想通貨投資のブログやサイト運営をしている、多くのユーザーが取り上げていないことや、実際に仮想通貨が開発されているか、公式な情報も2018年5月時点では更新されていない状況です。また、国内の認可された取引所で販売されていないですし、海外の大手取引所でも取り扱っていない事から一般の仮想通貨投資家が購入することは極めて難しいでしょう。

従って、仮想通貨Digital Gold Coinの評価は、国内外の取引所で取引されていない事やICOについていの更新情報もないので評価情報はありません。

仮想通貨Digital Gold Coinの将来性

金鉱山を開発している企業を担保としている仮想通貨Digital Gold Coin仮想通貨Digital Gold Coinの将来性についてですが、2018年5月時点で公式な動きもなく、開発状況に関する大きな情報も発表されていません。また、公式サイトに記載されていた、上場予定の取引所である東京ゲートウェイはみなし業者且つ既に撤退済みです。従って、将来性については不明といえます。またそもそも上場していないので、取引所による取引もできません。

仮想通貨の見極め方

Digital Gold Coinは、開発状況や経営状況について公開されている情報について限定的です。さらに、認可済み取引所へ上場していないなど、購入候補として考えにくいです。

仮想通貨は数1,000種類以上発行、開発や上場予定についての情報が多数公開されています。しかし、全てが実際に開発・運営されている訳ではありません。従って、仮想通貨投資家は常に、購入しようと考えている通貨の信頼性や開発状況についての見極めの力が必要です。

また、仮想通貨の見極めを初心者でも実行できるやり方として、開発・運営元や企業の基本情報について調べるとよいでしょう。例えば、開発元の多くは公式サイトも開設しているので、そこから所在地や開発チームの情報について確認できます。また、他の仮想通貨投資家が発信している情報にも、注目するのもおすすめです。

仮に何かしらの問題が起きている仮想通貨であれば、それを購入した投資家がSNSやブログなどで情報発信している場合があります。ただ、その信ぴょう性については確実性に欠ける場合もあるので、複数の情報と公的な機関で何かしらの情報が公開されていないか確認しましょう。

仮想通貨投資初心者が見極めるには

前述のような仮想通貨の見極めは、初心者には難しい作業でもあります。仮想通貨の中には欧米で開発されたものもあるので、英語の公式サイトもあります。ですので、英語が苦手であった場合は読み取ることは難しく、見極めも困難でしょう。初心者は、まずビットコインやイーサリアムといった、広く知られていて、開発元の情報も公開されているメジャー仮想通貨を購入する選択肢も考えましょう。

ビットコインやイーサリアムなどの、メジャー仮想通貨は他の通貨と比較して出来高が多く、開発チームの情報などもオープンになっています。まずは、国内の認可済み取引所で購入できる、仮想通貨で取引に慣れる事が大切です。