仮想通貨取引所と聞かれて思い浮かべるのは、国内ではビットフライヤーやザイフ・海外ではバイナンスではないでしょうか。そして最近の仮想通貨業界では、仮想通貨取引所でも通貨を発行する事例が増えてきています。大手取引所のバイナンスもその1つで、仮想通貨BinanceCoin(バイナンスコイン)を発行しています。
2018年の仮想通貨市場は、需給関係のみで動くような相場ではなくなってきています。発行元のプロジェクトチームや企業、開発内容や目的などの要因を複合的に判断して潜在的価値を見極めます。従って、BinanceCoinのように、何かしらのファンダメンタル要因がなければ注目されないということです。
これから仮想通貨取引を始める初心者・未経験者の方で、2017年の相場のように右肩上がりで楽に稼げると思ったら間違いです。自分で仮想通貨の価値を見極めて、社会や誰かの役に立つような機能を備えた通貨に資本が流入していきます。ですので、今回紹介するBinanceCoinの特徴や将来性について知って、どのようなポイントに着目すればいいか覚えましょう。
仮想通貨取引所バイナンスとは
BinanceCoin(バイナンスコイン)について紹介する前に、発行元である仮想通貨取引所のバイナンスについて説明していきます。仮想通貨取引所バイナンスは、2017年7月に設立された香港に拠点を置く企業です。中国企業と説明されることも多いですが、2018年時点で中国では仮想通貨取引所の運営が禁止されている為、香港企業と認識する方が良いでしょう。
設立は2017年7月と数多く存在する取引所の中でも最近ですが、取引高が世界1位と世界的な取引所へと成長しています。取り扱っている通貨の数は、約100種類以上と国内の取引所とは比較にならない程となっており、国内の仮想通貨投資家の多くがバイナンスを利用しています。
ユーザー数は約300万人を超えているともいわれ、文字通り大手取引所の仲間入りを果たしています。そして、最近注目されているポイントとしては、今回のテーマでもあるBinanceCoinについてです。一見すると、取引所が仮想通貨を発行しているのは、イメージしにくく発行メリットがあるのかと疑問が湧くでしょう。しかし、国内の取引所でも仮想通貨を発行している所はありますし、後述でも紹介しますがメリットも存在します。
バイナンスが発行しているBinanceCoin(バイナンスコイン)
仮想通貨取引所バイナンスは、仮想通貨BinanceCoin(バイナンスコイン)を発行しています。名称は、BinanceCoinで通貨単位はBNBです。発行日は2017年7月で、取引所が設立と同じ時期に発行されているので事前の計画に含まれていたと考えられます。通貨発行上限枚数は、200,000,000BNBとなっており、市場に流通している枚数は50%の約100,000,000BNBとなっています。時価総額は20位台を推移しており、新興の仮想通貨の中では成長が早く、今後の開発状況や何かしらのサプライズによって資金流入が起こる可能性があります。
BinanceCoinは、元々バイナンス取引所を設立させる上で必要だったICOの為に発行されていました。従って、当初は明確な利用用途について、仮想通貨投資家は考えにくかった側面もあったでしょう。しかし、後述で紹介するBinanceCoinの特徴には、バイナンス取引所が掲げる目標の同取引所であらゆる通貨の交換が可能になるという部分に関連しています。
バイナンス取引所は、取引手数料が低いことでも有名ですが、BinanceCoinも利用して取引コストを抑えた売買も可能です。ですので、ICOの為に発行されたBinanceCoinも、2018年では技術的にも期待されている仮想通貨として投資家の間で注目されています。
仮想通貨BinanceCoin(バイナンスコイン)の特徴
仮想通貨BinanceCoin(バイナンスコイン)の特徴の1つ目は、ERC20規格であることです。ERC20規格というのは、ブロックチェーンの規格名称のことで、イーサリアムのブロックチェーンです。従って、イーサリアムは勿論、ERC20規格で開発された他の仮想通貨と、ウォレットなど設定を変更せずに取引・管理することができます。また、イーサリアムのブロックチェーン技術の規格であるERC20は、スマートコントラクト機能も実装しているのでBinanceCoinもこの機能を利用することができます。
BinanceCoinが注目されている理由の1つは、ERC20規格とスマートコントラクト機能です。スマートコントラクトを使えば、様々なシステムを構築することができるので、拡張性が広がります。バイナンスのホワイトペーパーには、分散型取引所DEXの設立を目指す趣旨が記載されており、BinanceCoinのスマートコントラクト機能を使えば、実現できると予測されています。ですので、DEXの設立も兼ねてERC20規格にしたのではないかと、仮想通貨投資家の間で考察されています。
2つ目の特徴は、BinanceCoinの手数料割引です。元々バイナンス取引所の取引手数料は0,1%と、他の取引所と比較して非常にコストが抑えられています。そこに、BinanceCoinを利用した取引をすると、最大で0,05%まで取引手数料が下がります。これは、仮想通貨投資家にとってメリットになる仕組みで、手数料割引を目的にBinanceCoinを購入する方も多いです。しかし注意も必要で、BinanceCoinの手数料割引率は、発行初年度で50%、2年目で25%、3年目で12,5%、4年目で6,75%、そして5年目には割引率が0になります。従って、2017年7月1日に発行されたBinanceCoinは、2018年5月時点で数えると残り2ヶ月程で0,05%の取引手数料の利用が出来なくなります。
ですので、仮想通貨投資家からは価値が下がっていくのではないか、という考え方もあります。しかし、バイナンス取引所では、手数料の割引率低下と価値の低下に備えて、対策方法を準備しています。それが、4半期ごとに利益の20%を買い戻す方法です。バイナンス取引所の利益20%を4半期ごとに買い戻すことで、BinanceCoinの供給量を減らします。通貨というのは供給量が減ることで、必然的に需要が高まり価値が上昇します。これをバイナンス側は事前に考えていたので、BinanceCoinの価値低下を防ぐ役割を担っています。
続いて3つ目の特徴は、新規上場通貨の事前購入にバイナスコインを利用する点です。バイナンス取引所では、新規に上場する予定の仮想通貨を事前配布する際に、その購入方法としてBinanceCoinを設定しています。従って、BinanceCoinを保有している人の方が、早く仮想通貨を購入することができて得する点も多いです。
BinanceCoin(バイナンスコイン)の相場と将来性
BinanceCoinは、2018年5月30日時点で1BNB=約1391円で取引されています。2017年に発行された仮想通貨の中では、比較的価値が上昇している通貨といえます。同時期に発行された仮想通貨の中には、1円に満たないレートで推移している通貨もあるので、BinanceCoinは投資家からの注目度が高いことが分かります。
2018年5月の相場は、レンジ相場で推移しており大きな動きはありませんでした。しかし、BinanceCoin自体が持つ機能や価値については、一定の注目度があるので2018年も上昇傾向であることが予想されます。また、価値の上昇にはバイナンス取引所の業績や運営状況が大きくかかわっているので、BinanceCoinを購入する方は、取引所の運営状況についてもチェックすることが大切です。ちなみにですが、BinanceCoinの購入方法は、バイナンス取引所のみとなっています。