仮想通貨が開発・発行されてから約10年後の2018年では、企業が仮想通貨事業に参入したり航空業界が空港内の店舗や航空券の決済に仮想通貨を導入したりと、仮想通貨市場は大きく変動しています。仮想通貨が開発された当初の主な理念は、世界中で平等に共通の通貨を交換することによって世界的な経済圏を構築させることが考えられていました。
そして、その開発開始から10年後の2018年には、前述で説明したような企業や団体の仮想通貨導入も含めて、通貨としての実用性が徐々に認められてきているといえます。つまり、仮想通貨の当初の目的である通貨として利用されることについては、少しずつ実現しているでしょう。
国内を見てみると2017年の仮想通貨バブルで、仮想通貨の認知度が向上しただけでなく投資未経験者の方も仮想通貨投資を始めるようになりました。その理由の多くは、仮想通貨で資産を構築していきたいという考えがほとんどでしょう。また、実際に仮想通貨を使って資産構築している方もいます。こうした通貨としての発展や、それを活用した資産構築など様々な発展をしている仮想通貨ですが、ある課題も残されています。今回は、その課題解決のポイントとなる仮想通貨Bytomについて紹介していきます。
仮想通貨Bytom(バイトム)の基本情報
仮想通貨Bytom(バイトム)は2017年6月20日に上場された、仮想通貨バブルを起きた2017年に発行した通貨になります。通貨単位はBTMで、通貨発行上限枚数は1,407,000,000 BTMとなっており、ビットコインなどのメジャー仮想通貨と比較して発行数の多さに注目です。時価総額ランキングでは30位台と、2017年に発行された新興の通貨としては上位に位置しているといえます。
開発元は中国で、開発理念は仮想通貨などのデジタルでできた資産と、不動産などの現物資産の仲介や同列に管理することが可能になることを目的としています。例えば、仮想通貨取引している仮想通貨の管理は、取引所のウォレットか自身で用意したウォレットに保管します。
2018年時点では、ビットコインなどは円に換金できますが、換金しなければデジタル資産として扱うことになります。対して、不動産による資産を保有している場合は、建物や土地といった現物資産を管理していますが、デジタル資産と何らかの関連性が全くないです。他にも株式取得による資産と、仮想通貨資産も関連性がありませんし資産同士を繋ぐシステムもありません。
そうした、社会問題を解決するために開発されたのが、中国初の仮想通貨Bytomになります。次に取引承認方式についてですが、PoW(プルーフオブワーク)を採用しています。PoWは、ビットコインでも採用されている取引承認方式です。つまり、取引承認時の処理をユーザーに協力してもらい計算処理の負荷を軽減しています。これがPoWで、計算処理の協力をしたユーザーの中でも、上位にランキングされた場合にマイニング報酬を受け取ることができます。
この部分については、仮想通貨投資家の多くはビットコインで取引しているので、比較的理解しやすい基本機能でしょう。また、ERC20規格のブロックチェーンで開発されており、イーサリアムと互換性があります。また、この規格で開発されていることによって、スマートコントラクト機能を活用した、プラットフォームが実装されています。
仮想通貨Bytom(バイトム)ではウォレット管理の一括化が可能
仮想通貨Bytom(バイトム)の特徴は多数あるので、ビットコインやイーサリアムと同様の価値を期待する仮想通貨投資家も存在します。
まず1つ目の特徴は、新しいウォレット管理です。従来のウォレット管理は、仮に複数のウォレットを管理している場合、それぞれの秘密鍵で管理する必要がありました。しかし、Bytomのプラットフォームを利用すると、HDウォレットというマスターキーのようなシステムによって1つのキーで複数のウォレット管理が可能になります。
仮想通貨投資初心者の多くは、1つのウォレットのみを使用して取引することがほとんどですが、取り扱う仮想通貨が増えてくると、専用のウォレットを使う必要もでてくるので複数の管理をしなくてはいけない場合もあります。このような時に、HDウォレットを活用出来れば、ウォレット管理の一括化が可能となります。つまり、冒頭でも紹介した様々な資産を繋げるという目的に沿った、管理方法といえるでしょう。
サイドチェーンを利用した資産管理
次の特徴は、サイドチェーンを利用した資産管理方法です。こちらも資産管理に関する機能ですが、Bytomの開発目的の1つでもある、他の仮想通貨資産との互換性や繋がることを想定しています。簡単に説明すると、サイドチェーンを生成することによりBytomと、他の仮想通貨のブロックチェーンを繋げる事が可能になります。さらに、ERC20規格がここでも機能するのですが、サイドチェーンとスマートコントラクト機能を組み合わせることで、仮想通貨以外の資産との連携もできるということです。
続いては、送金処理に関する機能で、冒頭の基本機能でも紹介したように取引承認方式はPoWを採用しています。さらに、ビットコインと同じアルゴリズムを使っていることで、トランザクションの処理速度が早くなっている利点があります。従って、イーサリアムと同じブロックチェーンですが、送金処理速度はBytomの方が早いのでこの点も注目されています。また、送金に関する特徴は他にもあり、UTXOモデルという送金処理方式が採用されており、内容としてはいくつかの金額をまとめて1つの送金処理で完了させることができます。
UTXOモデルのメリットとしては、1回の送金で手続きが完了するので二重送金を防ぐことができますし、何度も送金しないのでデータ自体が簡略化されてスピーディな送金になります。また、処理が少なければ少ない程ハッキングリスクも減るので、セキュリティ面でも効果が期待されています。ここまでは資産を繋げる、いわば資産をまとめる為の機能を紹介してきました。続いて紹介するのは、資産を適切に任意で分割管理できるシステムです。
資産を分割管理するためには、プラットフォーム側が各資産を個別に認証できるシステムが必要です。例えば、机にしまったシャープペンシルと鉛筆があるとします。それぞれ、どこかの棚にしまっているのですがメモもしてない、棚にラベルを貼っていないのでどこに何があるか認識できていません。
これが、分割管理ができるようになると、ラベルを貼っていたり、あらかじめメモを残していたりと各資産の管理が明確になります。これを実現したのがODIN standardsという認証方式です。各資産を階層別ににsン証する為に必要な技術で、Bytomのプラットフォームに実装されています。
仮想通貨Bytom(バイトム)の購入方法
仮想通貨Bytom(バイトム)の購入方法は、2018年6月時点で国内の仮想通貨取引所では取り扱っていないので、海外の仮想通貨取引所で購入する必要があります。海外でBytomを取り扱っている取引所は、
・フオビ
・ビボックス
・ゲート
・オーケーイーエックス
などが挙げられます。
尚、全て円による入金ができないので、まず国内の仮想通貨取引所でビットコインを購入後に海外のそれぞれ登録した取引所へビットコイン入金をする必要があります。
仮想通貨Bytomの将来性
仮想通貨Bytomは、資産管理に関するプラットフォームの開発・改良を進めており、2017年末頃の6~10円台から、2018年6月には1BTM=70円台で数倍に価格が上昇しています。仮想通貨同士の連携や、現物資産との一括管理など新しいアイデアやシステムが盛り込まれたBytomは、今後も注目のアルトコインの1つでしょう。