2018年6月の仮想通貨市場は、各仮想通貨がおおむね緩やかな上昇基調へと進みつつあります。従って中には、上昇基調の始まりのような相場を見て、仮想通貨投資を始めようと考える方もいるでしょう。しかし、投資未経験者の方で仮想通貨投資を始める場合には、いくつか気を付けるべき点があります。

それは、2017年の仮想通貨バブルをイメージして、取引するパターンです。投資未経験者ですと、当然ですが2018年の仮想通貨市場や最新の情報について、知らない事がほとんどでテレビなどで取り上げられた情報のみでイメージする場合が多いです。しかし、2018年に入ってテレビで仮想通貨に関する特集や紹介をしている機会は少なく、ニュースなどでも取り上げられる回数が2017年よりも少ない傾向にあります。従って、これから仮想通貨投資を始める人の中には、2017年の右肩上がりで簡単な相場をイメージして今後投資を検討する場合もあります。

特に、ビットコインやイーサリアムといった、2017年に急成長・注目した仮想通貨については、初心者の方が取引に慣れる為などで最初に投資する銘柄でしょう。ただ、これらの通貨にも課題が残されており、そういったポイントを押さえた投資をしていく必要があります。そこで今回は、ビットコインやイーサリアムの課題を解決する、比較的新しい仮想通貨Aeternityについて紹介していきます。

仮想通貨Aeternity(エターニティ)の基本情報

Aeternity(エターニティ)の将来性と実用性仮想通貨Aeternity(エターニティ)は、2017年5月29日に上場・発行された比較的新しい仮想通貨になります。通貨単位はAEで、通貨発行上限枚数は274,000,000AEとビットコインよりも桁数が違う発行枚数です。時価総額は、約38,000,000,000円と新興の仮想通貨の中では大きい金額といえます。ベースとなったプログラムはイーサリアムのブロックチェーンで、さらにAeternity独自の機能も実装していることで様々な改善が為されています。

後述でも詳しく解説しますが、Aeternityはビットコインとイーサリアムが抱えている課題を解決できる、改善・独自の機能を実装した仮想通貨です。従って、主に送金処理や処理能力といった通貨のシステム面で期待されている側面があります。その為、新たなプラットフォームとしてよりかは、仮想通貨としての機能を優先させたい投資家との相性が良いといえるでしょう。

続いて、開発目的についてですが、前述のように通貨の機能面での改善が目立ちますが元々市場予測をする為の仮想通貨でした。しかし、発行されたAeternityの利用用途は様々なで、送金スピードの速さから送金をメインに利用するユーザーがいたり、新たな機能を実装したスマートコントラクト機能を使ったアプリケーションの開発を検討したりと実に様々な用途が考えられています。

また、こちらも後述で詳しく説明しますが、イーサリアムをベースにした仮想通貨なのでスマートコントラクト機能が利用できますし、分散型アプリケーションのリリースも予定されています。さらに、仮想通貨Aeternityの開発者は、Yanislav Mahalov氏で元々イーサリアムについて興味関心があったことから、イーサリアムベースの仮想通貨開発がスタートしたとされています。なお、Aeternityの公式ウォレットについては、2018年6月時点でリリースされていません。

仮想通貨Aeternity(エターニティ)の特徴

実生活で役立つ予約アプリなどがリリースされる可能性もあるAeternity仮想通貨Aeternity(エターニティ)の特徴についてですが、イーサリアムベースで開発されたこともあり機能面で共通している部分がいくつかあります。従って、新興の仮想通貨ですがイーサリアムを購入している方には使いやすい通貨といえるでしょう。

まず1つ目の特徴についてですが、ビットコインも抱えているスケーラビリティ問題を解決できるステートチャネルを実装している点です。まず、スケーラビリティ問題について簡単に説明すると、仮想通貨のブロックチェーンで取引をすると、取引内容や処理データを1つのブロックに格納しトランザクションします。この時、ビットコインのブロック容量は1MBなのですが、利用者増加に伴いデータ容量も急激に増加しているので、ブロックに格納しきれない状態になることが予想されています。

そうすると、トランザクションに遅延が起きて、送金処理スピードが遅くなります。さらに、送金手数料コストも増えるのでユーザーにとって使いにくい仮想通貨になります。そして、2018年に入りスケーラビリティに関する問題解決法を、各エンジニアが模索しているのですが仮想通貨Aeternityではそれらを解決する機能を実装させました。

それがステートチャネルで、内容はオフチェーンを利用した処理機能のことです。従来の取引処理は、送金をする・される双方のブロックチェーン(オンチェーン)で処理を行っていました。従って、データ容量を圧縮する方法のみしか、送金処理の遅延を防ぐ方法がありませんでした。しかし、オフチェーンの場合は、トランザクションの結果のみをオンチェーンで行い、それ以外の取引処理を第三者のチェーン(オフチェーン)で行ってもらい、送金処理の負荷を軽減させます。これが仮想通貨Aeternityに実装された、ステートチャネルの内容です。

2つ目の特徴は分散型オラクルシステムです。分散型オラクルシステムというのは、イーサリアムで開発されたスマートコントラクト機能を発展させたシステムです。既存のスマートコントラクトは、いわばネットワーク上の条件に関するプログラムについての自動契約でした。従って、例えば「バスが何時に到着したら」といった物理的な条件に関するプログラムや自動契約はできませんでした。

そこで、仮想通貨Aeternityでは、スマートコントラクト機能を発展させたことで飛行機やバスといった現実に存在するモノやサービスと関連付けた、自動契約サービスシステムを構築させることが可能となりました。例えば分散型オラクルシステムを使って、○○交通のバスが○○のバス停に到着したら、ある条件を実行させるといったアプリケーションを開発することができるようになります。そうすると、実生活で役立つ予約アプリなどがリリースされる可能性もあり、仮想通貨Aeternityへの注目が高まることが期待されます。

続いて3つ目の特徴は、取引承認方式に関する独自の機能「Cockoo Cycle」です。これは、PoWでもPoSでもないハイブリットタイプの取引承認方式のことで、両方のアルゴリズムを取り入れてユーザーのメリットが増えたと言えます。

また、PoWのみの場合はマイニングマシンの演算処理能力が上位にならないと、マイニング報酬が貰えませんでした。そしてPoSの場合は、通貨の保有量が高くないとマイニング報酬を効率的に受け取ることができない側面もありました。

そこでCockoo Cycleでは、演算処理能力が高い時にはPoW方式の報酬、一方でAeternityの保有量が高い時はPoS方式での報酬と切り替わります。そうすることで、マイナーにとって効率よく報酬を受け取ることができるようになりますし、市場の活発化にも繋がります。

仮想通貨Aeternity(エターニティ)の購入方法

仮想通貨Aeternity(エターニティ)の購入方法についてですが、国内の仮想通貨取引所では取り扱っていません。ですので、海外で取り扱っている取引所で取引する必要があります。また、海外の仮想通貨取引所では、バイナンスやCoinbene、あるいはLiquiなどで取引することができます。

仮想通貨Aeternity(エターニティ)の将来性

既存の機能を発展させたものや、独自のシステムなどで注目を集めている仮想通貨Aeternity(エターニティ)ですが、今後も将来性に期待できるといえます。その理由は、いくつかありますが特に分散型オラクルシステムは、企業などがアプリケーション開発の際に利用するメリットがあるので、そのような動きが活発化すれば価格も高騰する可能性があります。