2018年5月末の仮想通貨市場で大きな情報が発表されました。それは、国内大手のIT企業、GMOインターネット株式会社が、クリプトチップスという新サービスを始めることについての発表です。2018年8月にゲームアプリに実装予定になるのですが、本格的な仮想通貨に関するサービスを開始するのは珍しいことといえます。従って、SNSなどでもGMOの新サービス、クリプトチップスについて注目が集まっており、仮想通貨市場が更に盛り上がるのではないかという予想もされています。
これから仮想通貨投資を始める人、あるいは仮想通貨投資を最近始めた方は取引テクニックなどに力を入れるのも大切ですが、それ以上に様々な情報を分析する力も必要です。2018年に入り、仮想通貨市場も単純な需給関係ではなく、企業が新サービスにブロックチェーンを活用したり、社会インフラに役立てられるのではないかと考えられたりと、様々な価値が見出されています。
そのような状況で、2017年のような需給関係を主軸にした取引では、長期的な取引時に分析を誤る可能性があります。そこで今回は、仮想通貨投資初心者も知っておくべき、大手IT企業GMOの仮想通貨事業参入について紹介していきます。
GMOとは
GMOの仮想通貨事業について説明する前に、GMOとはどのような企業か簡単に説明します。GMOインターネット株式会社は、1991年5月24日に創業した会社で本社は東京です。近年では、仮想通貨事業に参入することを発表し、マイニング事業などに力を入れています。また、後述でも紹介しますが2018年6月には、マイニングマシンに関するパーツを販売しマイナーや仮想通貨投資家が注目しています。
事業に関しては、インターネット金融・インターネットインフラ・インターネット広告やメディア事業・仮想通貨事業を展開しており、幅広い事業を進めています。さらに、仮想通貨事業に関しては前述でも紹介したように、マイニング事業や仮想通貨交換業も行っています。
特に仮想通貨交換業は、仮想通貨投資家にとって1度は聞いたことのある事業ではないでしょうか。それが、国内大手の仮想通貨取引所でもあるGMOコインです。以前はFXや株式投資などの事業も行っており、そうしたノウハウも蓄積していることから、仮想通貨投資家からの信頼性も高いでしょう。
GMOコインとは2017年に開設した仮想通貨販売所で、仮想通貨初心者は勘違いしやすい部分があります。それは、取引所ではなく販売所である事です。ちなみに、取引所とは個人間の取引のことで、対して販売所は運営側の提示した価格で売買するシステムのことです。従ってGMOコインを利用する場合は、運営側が設定した価格で購入するようになります。また、メリットは価格設定が高めになりますが瞬時に取引が完了するスピーディな売買システムで、デメリットは取引所と違い価格設定が割高な所にあります。
GMOがサービス開始予定のクリプトチップス
GMOが行っている事業については、ある程度イメージできたでしょう。ここからは、今回紹介するメインテーマでもある「クリプトチップス」サービスについての説明になります。
2018年5月31日にGMOが発表した内容とは、ゲームアプリ内で勝利した際の報酬やランキング上位に入る、またはゲーム内で指定のミッションをクリアした際に仮想通貨が配布されるサービスのことです。実施時期は2018年8月で、関連会社を通じてビットコインを提供していく予定とされています。また、今後クリプトチップに対応させる仮想通貨の種類が増える見込みもあります。
ちなみにですが、ゲームアプリは既にリリースされているので、2018年6月時点で遊ぶことができます。クリプトチップスを利用したいと考えているビットコインユーザーは、先にゲームアプリをダウンロードするのがよいでしょう。また、そのゲームというのは、後述でも紹介するウィムジカル・ウォーという陣取りゲームです。
冒頭でも紹介したようにGMOは、2017年から仮想通貨事業に参入しており現在では主力事業になっています。内訳は、マイニングマシンの開発・販売や従業員の給与の一部に関して、仮想通貨で受け取ることができる制度も導入しています。特に給与の一部に仮想通貨を導入するなどの制度は、仮想通貨を身近に感じられる活動といえるでしょう。GMOの取り組みは仮想通貨市場にとっても好材料として考える事ができ、特に仮想通貨を長期的に保有している投資家にとっては潜在的価値が高まるきっかけと捉える事ができるでしょう。
クリプトチップスのメリット・デメリット
クリプトチップスのサービスについて考えられる、メリット・デメリットを紹介していきます。まずメリットについてですが、1つ目はゲーム好きなユーザーが、クリプトチップスを通じて仮想通貨に触れ、興味関心が湧く可能性があることです。さらに、仮想通貨に興味が湧くことで、本格的に仮想通貨投資を始める人口が増加することが見込まれます。
2つ目は、一般の方にもゲームを通じて仮想通貨に触れてもらうことで、身近に感じるきっかけとなることです。仮想通貨の認知度は向上し、投資未経験者も参加するようになりましたが、一般社会において仮想通貨は距離のある存在といえます。その理由の1つが、投資商品として考えられている為一般的ではないというイメージがあることと、仮想通貨に対する警戒心からくるものと予想されます。
そこで、ゲームという一般の方にも馴染みのある媒体を通して、仮想通貨を受け取ると、自然と安心感と信頼感を高める機会にすることができると考えられます。
続いてデメリットですが、ゲームアプリを仮想通貨と連動させることで重課金ユーザーが増えることが懸念されます。昨今重課金による生活への影響も指摘されており、そこに仮想通貨を導入すると報酬を優先したユーザーも出てくる可能性があります。しかし、これについては、ユーザー側も重課金をし過ぎない意識を明確に持つことが大切でありシステム自体に問題がある訳ではないでしょう。
導入第一弾のウィムジカル・ウォー
2018年8月にクリプトチップスが実装されるゲーム第一弾は、GMOがリリースしているウィムジカル・ウォーというゲームアプリになります。こちらのゲームは、2018年6月時点で既にリリースされており遊ぶことができます。
AndroidOS、iOSどちらにも対応しており、基本プレイは無料です。ゲーム内容は、陣取り合戦のようなもので、キャラクターを配置しスタートすると自動で動きます。そして、プレイヤーは自動で動くキャラクターが陣取りできるか見守ります。ゲームに慣れていない方も比較的遊びやすい内容なので、仮想通貨投資家も新サービスを経験する一環として遊ぶのもいいでしょう。
GMOの仮想通貨事業
ここまで、GMOが進めているクリプトチップスの概要が理解できたでしょう。しかし、GMOはクリプトチップスやGMOコインの他にも事業を進めています。その1つがマイニング事業です。クリプトチップスで注目を集めているGMOですが、同時期の6月6日にGMOマイナー B2という、マイニングマシンを発売しました。SHA256に対応しているのでビットコインは勿論、ビットコインキャッシュのマイニングにも対応しています。
クリプトチップスや、GMOに興味・関心が湧いた仮想通貨投資家の方は、他にもGMOコインやマイニングマシンについての新情報に注目するといいでしょう。また、ゲームアプリについても、今後他のアプリにクリプトチップスを実装予定で、ゲームユーザーからの注目集めることが予想されます。従って、2018年8月以降の仮想通貨市場にも注視する必要があります。