コスプレトークンは、コスプレ画像投稿サイトの「Cure WorldCosplay(キュア・ワールドコスプレ)」が、ICOによる資金調達のために発行しているICOトークンをいいます。

ICOは、Initial Coin Offeringの略称で、「新規仮想通貨公開」と訳されることがあります。株式の世界でいうIPO(新規株式公開)に似ていて、ベンチャー企業の新たなプロジェクトで、世界中から資金調達するために用いられる仮想通貨の応用例です。プロジェクトの支持者や応援者が、ICOトークンと呼ばれる仮想通貨を購入することで、企業はIPOよりも容易な手続きで資金調達が可能となります。

ICOトークンの購入者には、株式のような配当金などを企業から受け取ることはありませんが、購入者特典として、プロジェクトの成果物である商品やサービスをお得に受け取ることができる可能性があります。また、そのICOが世間で注目されて人気を集めるほど、ICOトークンの取引価格が上昇しやすいため、キャピタルゲインに期待することもできます。

今回、Cure WorldCosplayが世界に向けて販売しているICOトークンが、コスプレトークン(COT)です。

CureWorldCosplayが行うコスプレトークンICOプロジェクトの概要

このICOの最大の特長は、コスプレ活動家と、その支援者を、経済的により円滑な形で結びつけることで、コスプレ文化の維持・発展を目指そうとする点です。世界中のコスプレイヤーやカメラマンの多くが、かなり経済的に切り詰めて、多くを自己負担で活動を続けています。その現状を打開し、経済的な心配から解放されてコスプレ活動に集中できるプラットフォームを構築しようとしているのです。

「Cure WorldCosplay」は、コスプレ交流コミュニティサイトとして、世界最大級といっていい規模を誇ります。180 カ国以上、72万人以上の会員が、650万枚を超える肖像写真などのコスプレ作品を投稿し、12ヶ国語に対応しています。
会員分布はアジアが大半で、「日本」「中国・台湾」「韓国」だけで会員数全体の約半数を占めます。一方で、アメリカ合衆国やロシア、欧州、ブラジルからの投稿も多くなっています。

「Cure WorldCosplay」は、2001年からコスプレ関連事業などを継続してきたサイト、「Cure」が前身となっています。よって、世界中のコスプレ愛好家から長年にわたる支持を集めている信頼と実績があるのです。

コスプレトークンが実現させる、新たな「コスプレ経済圏」

この「Cure WorldCosplay」のサイトにおいて、コスプレトークンを流通させることによって、従来よりも信頼性と持続性の高い「コスプレ経済圏」とも呼ぶべき独自のコミュニティが構築されるものと期待されています。

投稿されたコスプレ作品を支持するユーザーやファンが、仮想通貨であるコスプレトークンを贈ることができれば、コスプレ活動だけで生計を立てることができる、「プロのコスプレイヤー」が続々と誕生するものと期待されます。仮想通貨であれば、国境を超えての送金手数料もわずかで済むので、世界中から活動資金が集まる可能性があります。

インターネットのおかげで、「アフィリエイター」や「ユーチューバー」など、新たな職業が続々と生まれました。続いて、コスプレトークンの流通や普及によって「プロコスプレイヤー」が、職業として社会的に認知される日も訪れることでしょう。

コスプレイヤーには、高校生や大学生も多く、コスチュームの制作費やコミケ遠征のための交通滞在費などを負担することができず、活動を断念せざるをえないこともあります。そうした若き才能を継続的に支持するのに、コスプレトークンが貢献すると考えられているのです。

また、コスプレイヤーの周辺には、カメラマンやフィギュア造形師など、コスプレ活動を拡張的に発展させる役割の技術者がいます。彼らの活動を経済的に支えるのにも、コミュニティ内で流通するコスプレトークンが役立つはずです。

ブロックチェーンによって、コスプレ活動の透明性を確保

日本から世界に拡大する「コスプレ文化」をコスプレトークンがさらに発展仮想通貨を形づくっている根幹技術であるブロックチェーンは、「不正に改ざんできないデジタル暗号データ」として、通貨以外の使い道も模索されています。「Cure WorldCosplay」では、「評価制度」と「著作権証明」に、ブロックチェーンの機能を応用することによって、世界中のコスプレ活動が安心でき、透明性のあるものとして発展させることを目指しているようです。

まず、「評価制度」は、コスプレ作品をユーザーが評価するだけでなく、コスプレ活動を支える関係者を相互に評価することで、無用なトラブルを回避し、安心して活動を続けられるようにするプラットフォームの構築です。

コスプレ作品は、コスプレイヤー、コスチューム制作者、カメラマン、イベント主催者、撮影スタジオ管理人など、様々な関係者がお互いに関わり合い、協力し合いながら創られていきます。もし、不誠実な対応をしたコスプレ活動関係者がいれば、サイト上に投稿して情報共有することで、他の活動者にとっても有用な情報となります。

しかも、そのネガティブ情報をブロックチェーン上に記録して共有すれば、「Cure WorldCosplay」を運営する株式会社キュアですら、その情報を不正に操作することができなくなります。よって、さらに信頼性や公益性に支えられた評価情報を、サイト内で共有することができるのです。

また、コスプレ作品の「著作権証明」も、ブロックチェーンの重要な応用例として期待されています。たとえば、コスプレ作品の著作権をコスプレイヤー自身が保有している契約を結んでいるにもかかわらず、撮影して作品データを持っているカメラマンが、他に流用して収益化しようとすれば、その動きが自動的に著作権者のコスプレイヤーに通知され、コスプレイヤーは流用を禁止したり、流用を許可して収益金の分配を請求したりすることが可能になります。また、コスプレ作品の不正な改ざんが行われた場合も、ブロックチェーンが検知できます。

コスプレトークンの購入について

コスプレトークンは、総発行枚数が1,000,000,000COT(10億COT)とされ、そのうち、400,000,000COT(4億COT)が最初のICOセールで売りに出されます。

コスプレトークンは、仮想通貨イーサリアム(ETH)との交換によって取得できます。よって、新規発行のコスプレトークンを入手するには、まずイーサリアムを購入しなければなりません。ビットコインに次ぐメジャーな仮想通貨ですので、国内でも多くの仮想通貨取引所で扱われています。

コスプレトークンの交換レートは、1ETH=10,000COTとされていますので、2017~18年のレートで、1COT=数円ほどの価値を持つことになります。1ETHが最低購入単位ですので、数万円の投資が最低でも必要ですが、期間限定で1ETH=11,000COTのレートで10%お得に購入できるプレセールも開催されていました。

モナコイン(MONA)など、熱意のあるサブカルチャーのコミュニティから存在感を発揮して、メジャーな仮想通貨へと進化した前例もあります。そのことから、コスプレトークン(COT)が将来、同様の経過を辿って存在感を増す可能性もあります。

ただし、日本では金融庁の方針によって、ICOトークンは金融庁に正式な登録のある仮想通貨取引業者でしか取り扱えない運用となっています。日本国内の居住者は、コスプレトークンのICOセールに参加できません(5月初旬のプレセールのみ参加可能でした)ので、くれぐれもご注意ください。

2018年6月現在では、日本国内のいずれかの仮想通貨取引所で、コスプレトークン(COT)が上場されるまで待つことが正攻法の手段です。