世界中には、多くの決済サービスが運営されています。近年は仮想通貨を利用している決済サービスも登場しており、日本でも将来的に導入される可能性があります。そんな中、アフリカを中心に話題を集めているBitPesaが徐々に浸透しています。アフリカ圏で多くのユーザーを集めているこのサービスは、仮想通貨を利用して次々と決済を行える方式を登場させ、海外送金の問題点を解決しているのです。

BitPesaとはどのような決済サービスを導入しているのか

BitPesaは、仮想通貨を活用しているブロックチェーン決済を行っています。仮想通貨で一番利用されているビットコインを採用し、ビットコインを送金することで海外送金にかかる手間を省いているのです。

これまでの海外送金というのは、送金する側の手間を避けるために、通貨を合わせる必要もありました。ドルならドルに交換して送金し、相手企業に負担をかけさせないようにしているのです。しかし、BitPesaを導入している企業は、ビットコインを利用して送金できます。この送金方法を利用していることで、通貨を交換して送金するという手間がなくなります。

また、ビットコインは自由に通貨に交換できる仮想通貨です。保有している仮想通貨取引所などから現金に変えれば、簡単に現地通貨に変えられるメリットもあります。BitPesaを導入していることで、後から通貨に交換するという方法が使えて、企業が必要であればビットコインをお金に変えることで資金を得ることも可能になりました。

BitPesaを導入している企業は、銀行を介さずに資金移動を行えるメリットを持っています。銀行を経由してしまうと時間がかなりかかる作業も、BitPesaに変更していることで作業時間はわずかで済みます。短時間で相手企業に対して送金できる方法として、アフリカ圏の企業を中心に導入が行われています。

BitPesaが決済サービスとして地域を超えて拡大している

決済サービスとして誕生し、海外送金の手間を劇的に減らせることが判明したBitPesaですが、現在はアフリカの5ヶ国で導入されています。最初はケニアで導入されていた決済サービスですが、徐々に近隣諸国にも広がりを見せており、コンゴやウガンダ、タンザニアとナイジェリアでも導入されました。

多くの国が導入を進めている背景には、やはり決済サービスの不満が大きいためです。決済サービスに対して非常に多くの不満を抱えているために、何とかして決済サービスを変えたいという思いがあったのです。そこでケニアが導入していたBitPesaに目を付けることで、新しい決済サービスに変更し、仮想通貨を利用した海外送金が可能になりました。

さらに多くの企業や個人に対してBitPesaを利用してもらいたいと考え、現在でも導入を行う国を増やす取り組みが進められています。現在はまだ5ヶ国だけが導入している技術ですが、これからさらに導入する国が増えていくと、アフリカ圏全体で活躍する決済サービスになるでしょう。

BitPesaはビットコインの暴落に耐えられるのか

ブロックチェーンを利用したBitPesa決済サービスはなぜ拡大しているのか多くの方が気にしているポイントとしては、ビットコインが突然暴落している時に、正しい海外送金が可能になるかという部分です。ビットコインの暴落は2018年に起きている現象であり、決済サービスがその変動に対応できていないと、正しい金額を送金できていない問題が生まれてしまうのです。

BitPesaは、ビットコインのレートを注視して、そのデータを決済に反映させられるようにしています。決済のタイミングで、ビットコインのレートを現金に換算して、その金額で決済が行えるのがBitPesaのシステムです。送金する金額をある程度の数字で固定していることで、ビットコインのレートが突然変動したとしても、送金する価格というのは変わらないのです。

もちろん計算を行っていく間に、レートについてはしっかりと計算されています。かなりレートが落ちている場合でも、決済を行う直前に現在のレートなどを踏まえて計算が行われ、正しい金額と必要なビットコインについて表示しているのです。BitPesaを利用することで、決済中にビットコインの金額が変動し、勝手に金額が変わってしまうなどの問題は起こらないのです。

支払い額を固定させることで、BitPesaは安定してビットコインの送金を行います。決済途中でレートが変動するなどの問題は起こらないため、固定された金額でビットコインを送金できます。これは企業間や個人間での取引において、とても安心感をもたらすポイントです。

BitPesaを導入している企業や個人はどのような仕事をしている?

アフリカで導入が進められるBitPesaは、導入している企業が150社以上と増えています。個人ユーザーも増えつつあるBitPesaですが、最大の顧客はアフリカの企業です。企業として決済サービスを導入してくれると、より海外送金などの手間がなくなり、簡単に送金できるメリットが生まれます。

現在導入している企業には、飲食店や中古車販売店など、身近な店舗も含まれています。これらの企業の中には、仕入れ先が銀行口座を持っていないなどの問題を抱えており、何らかの方法で決済を行う必要を抱えていました。そこで導入されたのがBitPesaです。導入を行ったことで、仮想通貨によって国を超えて決済を実施し、銀行口座を持っていない人にもお金を渡すことが可能になりました。

また、アフリカの企業間での取引でもBitPesaは活躍しています。既に導入している企業は、銀行での送金からBitPesaでの送金に対象を変えています。送金の方法を変更させることで、手数料などの削減につながる他、瞬時に送金されたことを確認し、問題がないことを把握できるのです。送金のトラブルなどが起こらない点もメリットの1つです。

次々と導入している企業が増えていることに加え、アフリカ圏の問題であった、銀行口座を保有していない人に対する支払いという部分で、BitPesaは活躍しています。特にアフリカの漁師は、銀行口座を保有していない人も多くいましたが、BitPesaを導入したことで個人に対しても即座にお金の支払いができるのです。

BitPesaは先進国以上のデジタルサービスを提供する

先進国を中心として、ブロックチェーンを利用した決済方法が検討されています。しかし、実際に導入しているのはBitPesaくらいです。先進国以上の技術力をケニアから発信し、実際にアフリカの国で次々と導入されたことで、先進国以上にアフリカのデジタル技術は発達しているのです。

デジタル決済の普及率なども、先進国以上にアフリカは増えています。それだけ一般的な銀行振込などの方法から、BitPesaのような方法を利用する決済サービスへと変わりつつあります。ビットコインによる決済は、送金スピードの速さに加えて、固定された金額での送金が確実にできるという利点もあり、海外送金をより加速させています。

これからもBitPesaを中心として、アフリカではデジタル決済が行われます。予想以上に発展を遂げ、更に多くの国への進出を目指しています。これから先、もしかしたらBitPesaのように、ビットコインを使った決済方法が世界中で導入され、海外送金の手間が省かれる可能性もあるでしょう。

そして、日本などの先進国が、こうした決済サービスをどのタイミングで実用化できるのか、更にはデジタル決済による恩恵を受けられるのかも含め、先進国ではブロックチェーンを利用した決済を開発、導入することに力を入れるでしょう。動きが加速していくと、より決済方法は楽になっていくのです。