インターネットが世に普及してからは様々な情報を世界中から集めることが出来るようになりました。しかし、実際にはそこに制限が掛かることもあり、本当の意味での自由な情報収集や情報発信は出来ないのが現状です。今回解説する「Orchid」は、匿名通信によって自由なインターネット環境を目指し、これらの問題を解決しようとしています。
仮想通貨Orchid(オーキッド)の目的と特徴について
日本に住んでいるとインターネットの制限を感じることはまずありませんが、世界に目を向けると使用に制限があることが確認出来ます。国際団体「Freedom House」が2013年から2014年にかけて65カ国を対象に行った調査によると、36カ国でネット規制が厳しくなっていたことが分かっています。例えば、日本では日常的に使用できるTwitterやFacebookと言ったSNSはイランでは使用出来ませんし、中国ではGoogleが規制されTwitterやLINEが使用出来ません。そして、国によっては閲覧内容が監視、検閲されていることもあります。Orchid(オーキッド)はこのように不平等なインターネット環境を変えるために、仮想通貨業界に参入してきています。
そして、OrchidはイーサリアムをベースにしたERC20に準拠したトークンのため、ブロックチェーンの安全性について一定の信頼性がありますし、開発スピードの速さが期待出来ます。また、詳しい説明は後述しますが、開発メンバーには元イーサリアムのメンバーが参加しているため、ERC20トークンであることをより上手く活用して開発が進むことが期待されます。
開発メンバーに元イーサリアムのメンバーがいることはご紹介しましたが、有名投資ファンドが出資していることも大きな特徴です。Orchidには、「Sequoia Capital」「Andreessen Horowitz」「DFJ」と言った有名投資ファンドが出資しています。「Sequoia Capital」は約183兆7178億円を運用する世界最大のベンチャーキャピタルですし、「Andreessen Horowitz」の運営者であるMarc Andreessen氏とBen Horowitz氏は、ForbesやCNETの投資家ランキングで上位に入っています。この3社が出資していることは豊富な資金で開発を進められることを意味し、社会への影響力も大きいため価格の上昇が期待出来ます。
大きな期待の集まるOrchidですが、ICOでは一般向けのトークンセールは行われていません。そのため、上場後には多くの投資家が一気に購入し、価格が上昇することが予想されます。また、現在プライベートセールの情報が確認出来ますが、それらは企業向けトークンセールの転売と考えられます。
期待を集めるプロジェクトメンバーと有名投資ファンドによる出資
Orchid(オーキッド)には大きな期待が集まっていますが、元イーサリアムのメンバーがいることと、有名投資ファンドが出資していることがその理由です。Orchidは2017年に設立された「Orchid Labs」によって運営されていますが、非常に豪華なメンバーが開発に関わっています。
まず、イーサリアムの共同創業者で前CTOでもあるGavin Wood氏が技術アドバイザーを務めています。次に、元イーサリアムのコアデベロッパーを務めていたGustav Simonsson氏がOrchidの共同創業者でありブロックチェーンCTOを務めています。そして、ケンブリッジ大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得し、仮想通貨取引所Bitstampにも所属していたSteve Waterhouse氏がOrchidのCEOと共同創業者です。
出資をしている投資ファンドのSequoia Capital、Andreessen Horowitz、DFJの3社は、これまでにGoogleやYahoo!、Apple、You Tube、Skype、Twitter、テスラ・モーターズ、SpaceX、Facebook、Airbnbなど、誰もが知っている会社に出資しています。特にSequoia CapitalはAppleへ投資した際には12.4万倍という運用利回りだったため莫大な利益を得ており、Orchidに対しても大きな期待を持って出資しているものと考えられます。
そして、このようなプロジェクトメンバーと有名投資ファンドからの出資があることを踏まえると、潤沢な資金の元で確実に開発が進めらることが期待出来ます。その結果、上場した時には価格が上昇し、Orchidを購入したい人が大勢現れることが予想されます。また、どんなメンバーが開発に関わっているかはICOに参加する投資家にとって一つの判断材料になるため、豪華な開発メンバーが揃っていることは非常に重要な事と言えます。
仮想通貨Orchid(オーキッド)のメリットとは?
現在のインターネット環境では簡単に情報の発信元が特定出来てしまいます。しかし、Orchidでは「Orchid Market」と言う通信技術を使い、完全に匿名な通信を行うことが可能です。この通信技術により、政府などの機関でさえも監視や検閲をすることが出来ないため、匿名性を保って通信することが出来ます。そのため、この点がまずは1つ目のメリットと言えます。
ちなみに、この「Orichid Market」という通信技術は自分のパソコンの空き容量(余剰帯域)を提供するOrchidユーザーで構成されるものです。そして、このパソコンの空き容量を提供したOrchidユーザーのネットワークをランダムに経由することで、政府などの第三者から監視されずに匿名な状態で通信することが可能になります。
次に、ICOの案件を選ぶ際にはホワイトペーパーの存在が非常に重要です。そして、Orchidの場合はこのホワイトペーパーが51ページと非常に長く内容がしっかりと書かれているため、この点もメリットと考えられます。ICOの中にはホワイトペーパーが存在しないものもあるため、より内容がはっきりと分かっていることは信頼性に繋がると言えます。
仮想通貨Orchid(オーキッド)の4つのデメリット
Orchid(オーキッド)は匿名性が大きな特徴ですが、参加者が多数存在することが大前提です。つまり、参加者が少なくなれば経由出来る帯域提供者のネットワークが少なくなり、それに伴い依存性も高まることがデメリットと言えます。大きな期待を集めるOrchidですが、より多くの参加者を得るための努力や工夫をすることが今後の課題と言えます。
そして、Orchidは現在プライベートα版の公開が行われていますが、一般向けの製品が公開されていないこともデメリットと言えます。また、公開された製品が期待はずれの可能性もあるため、未知数な部分が多いとも言えます。
次に、Orchidは大手仮想通貨取引所であるBinanceに上場出来ない可能性があります。BinanceのCEOであるZhao Changpeng氏が、5月7日にTwitter上で「Orchidに出資しているSequoia Capitalと関係がある通貨に申告を求める」旨の発言をしています。Sequoia CapitalとBinanceは以前にトラブルを起こしているため、氏の発言はOrchidがBinanceに上場出来ないことを示唆しているものと考えられます。まだ草コインの一つであるOrchidが世界でも大手の取引所であるBinanceに上場出来ないとなれば、相当な痛手になります。
さらに、ICOに関する情報がほとんど確認できないこともデメリットとして挙げられます。通常のICOでは、ホームページでトークンの配分やボーナスなどの情報が確認出来ます。Orchidはプライベートセールのためかこのような情報は出ていないため、不透明なICOと判断せざるを得ません。
仮想通貨Orchid(オーキッド)の将来性について
Orchid(オーキッド)は大きな期待を集めていますが、仮想通貨に詳しい人からも注目されています。ブロガーのイケダハヤト氏もその一人ですし、ノアコインやADAコインを広めた泉忠司氏もOrchidを強く薦めています。これらのことから、多くの人がOrchidの将来性に期待していることが分かります。ただし、期待が大きいため偽サイトなどの存在も多く、投資をする際には十分な注意が必要と言えます。
そして、非常に豪華なプロジェクトメンバーが揃っていることは間違いありませんし、有名投資ファンドも出資していることを考えると、将来性は非常に期待出来る仮想通貨の一つと考えられます。そのため、Orchidに興味があるという場合には、情報収集目的でプライベートセールに参加してみるのも一つの手段と言えます。