国際送金を行う際に欠かせないSWIFTとは
一般的に海外の銀行に送金を行う場合にはSWIFTと呼ばれる国際送金ネットワークが利用されて送金が行われます。このSWIFTは国際銀行間通信協会の略称で、1,1000を越える世界各国の金融機関をネットワークで結び、国際送金を円滑に行っていくために欠かせない組織となっています。
SWIFTが行う国際送金の方法は例えば日本からタイに送金を行う場合、送金元の銀行からSWIFTに送金先や金額そして通貨等の情報を暗号化したメッセージが送られます。そしてそのメッセージがコレスト銀行と相手側の国の銀行に送られ、そのメッセージに沿った金額がコレスト銀行によって現地通貨に両替されて相手側の口座に入金されることになります。
ただこのSWIFTには大きな問題点がありました。1つは国際送金に数日かかってしまう点です。また、ハッキング等による不正送金や詐欺等の被害を受ける銀行があらわれたり、マネーロンダリングの温床にもなっていました。インターネットが発達する前は。SWIFTは有効に働いていましたが、このようにインターネット社会になりSWIFTは大きな問題点を抱えてしまうことになったのです。しかしこの問題点を解決する送金手段として仮想通貨が注目を浴びるようになってきました。
仮想通貨がSWIFTに替わる送金手段として注目されている3つの理由
仮想通貨が国際送金の手段として注目を集めるようになった主な理由としてはブロックチェーンの技術があげられます。仮想通貨の取引の中心となるブロックチェーンによって取引情報が守られているためにハッキングによって取引情報が改ざんされることはなく、ビットコインやイーサリアムなどの一般的な仮想通貨の場合は取引情報が公開されているためマネーロンダリングが行い難くなっています。
そして送金そのものも仮想通貨の場合は即日に行うことが出来るため、送金に数日かかってしまうSWIFTに代わる送金方法として注目されてきているのです。
一方送金手数料はゆうちょ銀行から海外の銀行口座に送金する場合は2,000円の手数料がかかります。そして例えば国内の三井住友銀行から海外の三井住友銀行の口座に送金する場合は3,500円の手数料がかかります。しかし仮想通貨の場合国境の概念がないため国内に送金しても海外に送金しても手数料は同じになり、数百円程度で送金を行うことが出来るのです。
例えばbitFlyerから海外の取引所に送金を行う場合、ビットコインで0.0004BTCの手数料がかかります。現在ビットコインは90万円前後ですから360円の手数料を支払うだけで海外の取引所にビットコインで送金することが可能となります。
ただ取引所によって送金手数料が違い、GMOコインなどのように送金手数料が無料の取引所もあるため、送金を頻繁に行う場合は手数料が無料といった取引所を選ぶことが更に安く国際送金を行うポイントとなります。
SWIFTに替わる送金手段として実証実験が進むリップル
特にリップルは送金に適した仮想通貨ということができ、実際にリップルで送金を行った場合には3秒程で送金を行うことができます。イーサリアムでの送金の40倍程速く送金が可能となります。
そして送金手数料も例えばbitbankの場合では、ビットコインの送金手数料が0.001BTC(現状900円)であるのに対して、リップルの送金手数料は0.15XRPとかなり安くなります。現在リップルは70円ほどですので10円程で送金することが可能となり、bitbankで取り扱っている仮想通貨の中でも最も手数料が安い仮想通貨の1つに入っています。
一方、処理能力も高く、1秒間に1500トランザクションの処理を行うことが可能で、将来的には更に増える可能性があるため、クレジットカード等に代わる決済方法となる可能性もあります。
各種銀行が国際送金手段としてSWIFTからリップルに移行予定
このようなことからSBI Ripple Asiaが行っている内外為替一元化コンソーシアムに参加している地銀やネット銀行と提携して国際間送金の実証実験を行っていますし、三菱UFJファイナンシャルグループと三菱商事はタイからシンガポールに送るリップルによる国際送金の実証実験を始めることを発表しています。
そして、スペインのサンタンデール銀行はリップルのプラットフォームを採用した国際送金を行えるアプリをリリースすることを発表しており、この事によっても多くの銀行がリップルをSWIFTに替わる送金手段として注目していることが分かります。