仮想通貨は仮想通貨取引所に登録して始めて売買ができるようになります。仮想通貨取引所とは、株式や債券での証券会社に当たるものです。株式や債券を売買するのに、トレードの相手をリアルで見つけてくるのは困難なため、証券取引所での売買ができるように証券会社の口座を開設します。

仮想通貨は登録する仮想通貨取引所によって取り扱っているコインの種類や手数料がさまざまのため、自分に合ったところを選ぶことが大切です。ここでは、仮想通貨取引所のうち国内と海外の取引所の違いのほか、使い分けが必要なのか、そして初心者におすすめの取引所をまとめてご紹介します。

仮想通貨は既存の通貨と違い為替相場に影響されず、世界中で同じトレードが可能なコインです。ただし、国内仮想通貨取引所と海外仮想通貨取引所では、利用するときできることとできないこと、またメリットやデメリットがあります。

国内取引所と海外取引所の違い

その1 取扱コイン数

国内仮想通貨取引所の場合、売買できる仮想通貨のコインが10数種類というケースがほとんどです。日本の場合、世界的によく売買されているコインに絞って取り扱いされているため、世界中で1,000を超えるといわれる仮想通貨のほんの一部しか取引ができません。また、上場直後のICOコインを取り扱う国内仮想通貨取引所はまずないといっていいため、初期段階から仕込んでおきたいニーズには極めて応えづらい運営となっています。

一方、海外仮想通貨取引所では取り扱いコインが100種類はおろか、200種類や500種類を超えているところも少なくなく、値上がりが予測される仮想通貨を気軽に購入できます。さらに、上場して間もないICOコインの取り扱いにも対応しています。コインの種類が多いほど、投資のチャンスが高まるわけです。海外仮想通貨取引所でマイナーなコインを保有すれば、ビットコインやイーサリアムといったメジャーな仮想通貨より相場が大化けする可能性が高くなります。

もちろん流通数が少ないため取引が難しかったり、急落のリスクもあるものの、一攫千金が期待できる仮想通貨ならではの投資スタイルを実現できるのは海外取引所ならではの醍醐味です。

その2 日本円による入出金

国内取引所では日本円で入金や出金できます。入金は基本的に銀行振込ですが、コンビニ入金に対応しているケースもあります。国内取引所の場合、提携銀行として入金先に住信SBIネット銀行が指定されているところが多く、同じ銀行内や他銀行でも振込手数料無料回数サービスを活用すればコストを掛けることなく取引所に入金できます。出金の場合は日本円出金手数料やビットコイン出金手数料が掛かるものの、取引所によって割引や無料サービスを実施しています。

一方、海外取引所では日本円で直接入出金はできないため、一度外貨に両替したり、ビットコインなど仮想通貨に換えてから入出金をします。したがって、国内取引所に比べると入出金にタイムラグが生じるほか、手数料がかさみやすいのでコスト高になりやすいので要注意です。

その3 手数料

国内の大手取引所でアルトコインを購入する場合、手数料として取引額の約6〜10%が掛かります。もし100万円分のアルトコインなら、6万円分〜10万円分もの負担となるのです。

一方、海外取引所では手数料の安さがポイントで、取引所や取引コインにもよりますが0.1%から0.3%程度で取引できるところが大半です。先程の100万円分の取引で計算すれば、1,000円分〜3,000円分くらいと目に見えて取引コストが変わってきます。仮想通貨を多額に保有する人、こまめに売買する人はとくに国内取引所より手数料の割安な海外取引所を選ぶほうが確実な利益確保につながるのです。

その4 トラブル対応や補償制度

もし取引所にある口座の仮想通貨がハッキングで盗難にあったり、送金したコインが紛失しても、海外取引所ではすべて自己責任扱いになるため、補償が望めません。何らかの理由でコインを失ってもサポートはしてくれますが、やりとりは基本的に英語となるためコミュニケーションの壁でうまく解決まで導くことができない場合もあります。

海外取引所の取引は英語で行われているもの、売買や多少の手続きなら英語が苦手な方でもある程度対応できるはずです。ただ、盗難や紛失といった大きなトラブルでサポート窓口に相談する際、どこまで英語でやりとりできるかがネックとなります。また、国内取引所に比べればレスポンスが遅れやすいため、返答まで数日待たされることも覚悟しなければなりません。

国内取引所と海外取引所、結局どちらがいいの?

これまでみてきたように、国内取引所と海外取引所では特徴に大きな差があるため自分のニーズに合わせて選ぶ必要があります。日本語による安心取引やいざというときの補償やサポートを考えるのであれば、割高な手数料ではありますが国内取引所を選ぶとよいでしょう。一方、ある程度の英語力がある上で購入したいコインがあったり、手数料をとにかく抑えたい人は、トラブル時の不安は残りますが海外取引所の利用が向いています。

どちらを選ぶにせよ、メリットとデメリットがありますので慎重に選ぶようにしてください。もし迷ったら国内か海外かを問わず、気になる取引所を登録していくつか持っておくと利用したいタイミングですぐに取引へと移れるので便利です。それでは、初心者の方におすすめしたい国内取引所と海外取引所をご紹介します。

初心者におすすめの国内取引所「ビットフライヤー」

あなたに合った取引所の選び方「ビットコイン取引量日本一」を謳う国内最大級の取引所です。ユーザー数が多く信頼度、安全度が高いといわれているのには、ゴールドマン・サックス証券出身のメンバーが経営に携わっていたり、三菱UFJキャピタルやみずほフィナンシャルグループをはじめとして日本を代表する大企業が出資していることが挙げられます。

取り扱いコインは7種類と少なめですが、ビットコインやイーサリアムをはじめ代表的な仮想通貨の取引が可能です。半年に1度のペースで、新たなアルトコインの取り扱いを開始しているため、今後の市場のニーズに合わせて信頼できる仮想通貨の導入をしていくことが期待できます。このほか初心者にやさしい操作画面で使いやすいこと、ハッキングや紛失に対応する補償制度があることがポイントです。

初心者におすすめの海外取引所「Bittrex(ビットレックス)」

世界最大規模を誇る仮想通貨取引所で、約280ものコイン数を取り扱っています。ラスベガスに本社を置き、世界トップクラスの取引量とユーザー数でPoloniexとともに世界の取引所をリードする存在です。アメリカが拠点の取引所だけあって、日本円での入出金はもちろんサイトの日本語表記にも未対応のため一定の英語力は必要なのはしかたありませんが、ネットではレスポンスの早いサポートや高度なセキュリティ対策で高い評価を受けています。

取り扱い数が多いため、これから伸びるであろうアルトコインの購入ができるのが大きな魅力ですが、手数料が0.25%と比較的高いこと、レバレッジが掛けられないのである程度の元手が必要なことがデメリットに挙げられます。国内と海外の取引所にはそれぞれメリット、デメリットがあります。日本円で入出金できるか。信頼や安全性は? 日本語か英語かなど、それぞれの特徴を把握した上で、自分の使いやすい取引所をいくつか持っておくと、幅広い仮想通貨の取引ができるでしょう。