2018年の仮想通貨は様々な企業事業として参入し、システム開発に利用している事例も見受けられます。しかし、仮想通貨投資初心者の中には、仮想通貨があらゆるアプリケーションやシステムに活用されるという意味が分からない場合もあるでしょう。それは、名称が仮想通貨ということもあり、通貨以外の用途として用いられることがあるのかと思う事もありますし、決済や送金手段以外の機能のイメージが湧きにくいこともあります。

しかし仮想通貨を構成している技術の1つであるブロックチェーンは、決済や送金・交換の為だけの機能ではなく、様々なシステムに用いる事ができると期待されているのです。ただ、仮想通貨開発者でもブロックチェーンが具体的にどのような範囲までカバーできるかは、解明できておらず2018年現在でもその検証や実験が繰り返されています。これは裏を返せばブロックチェーンの技術的可能性は、まだまだ残されているといえますし、今後の仮想通貨市場の価格上昇要因としても考える事ができます。

そこで今回は、仮想通貨の新たな展開の1つとして、様々な企業や開発チームが開発を続けている医療系仮想通貨について紹介していきます。仮想通貨投資初心者にとっては、医療と仮想通貨という一見結びつかないジャンルとも感じるでしょうが、近年注目されている分野でもあります。ですので、医療系に関心が無い人も、投資の分析材料として医療系仮想通貨について知っておくと役立ちます。

ICOプロジェクトが予定されている医療系仮想通貨MBS(マイクロブラッドサイエンス)コイン

MBS(マイクロブラッドサイエンス)コインとは、株式会社マイクロブラッドサイエンスというベンチャー企業が立ち上げた、比較的新しい仮想通貨プロジェクトのことで、2018年にICOプロジェクトが始まるとされています。MBSプロジェクトが掲げている目的とは、予防医療の普及を目指しており微量血液検査とブロックチェーンを組み合わせた新たなプラットフォームを確立させようとしています。

なぜ、医療系仮想通貨実現と予防医療普及に力を入れているのかというと、まず血液検査の方法が100年以上前から変わっていない事を危惧して、株式会社マイクロブラッドサイエンスが開発した微量血液検査を開発しました。そして、この微量血液検査を医療系仮想通貨と組み合わせて、より役立たせようと考えて発足されたプロジェクトといえます。そして、微量血液検査とブロックチェーンを組み合わせたプラットフォーム確立のための、コンセプトについても発表しています。

簡単にまとめると、1つ目は従来の血液検査から株式会社マイクロブラッドサイエンスが開発した、微量血液検査を含めた簡易検査キットを世界的に広める事で迅速かつ手軽な血液検査を実現させます。

2つ目は、既にリリースされているスマホアプリの「Lifee」で、自身の健康状態を簡単にチェックできるようにすると同時に、イーサリアムのブロックチェーン管理にすることによって、改ざんなどの不正ハッキングを防止するように努めます。

3つ目は、医療プラットフォーム「Lifee-Chainシステム」のAIによって、分析された血液検査の結果に基づくアドバイスをLifeeで聞くことができるようになります。さらに、同アプリではいつでも気軽に健康・生活に関するアドバイスを、各専門家から受ける事もできるメリットがあります。

4つ目は、微量血液検査によって収集されたデータを様々な予防医療に役立てるように、MBSコインのブロックチェーン上でいつでも閲覧可能とさせることが掲げられています。

5つ目は、地域の検査センター機能を提供し、MBSコインのブロックチェーンネットワークを活用して、円滑で効率的な運用を目指しています。つまり、MBSコインは医療系仮想通貨であることは勿論ですが、役割としては通貨ではなくブロックチェーン技術を活用した医療研究データの管理や、Lifeeの運用システムに利用することなどシステム関係に活用することを想定しています。

医療系仮想通貨の代表的な運用方法ともいえるMBSコインですが、2018年6月時点ではICOも準備段階ですが2018年中の実施を目指しています。続いてICOで購入する場合に重要なホワイトペーパーの有無についてですが、日本の企業ですのでオリジナル版も日本語で作成されており、読みやすい内容となっています。また、MBSコインの発行元は株式会社マイクロブラッドサイエンスの子会社が発行する予定となっていますが、この点について問題になる部分はないでしょう。

医療系仮想通貨SHIVOM (シボム)はDNAに焦点を当てている

続いて紹介する医療系仮想通貨は、SHIVOM (シボム)という通貨です。日本語の読み方はシボムで、2018年6月4日に海外の仮想通貨取引所「CoinBene」で上場した、新発行の仮想通貨といえます。医療系仮想通貨に分類されている仮想通貨シボムが開発された目的は、ゲノム情報をブロックチェーンにより管理し、医薬品メーカーなどがその情報を購入することで、新薬開発などに役立てるということです。

また、献血などでシボムプラットフォームにドナー登録を行うと、仮想通貨シボムが報酬として受け取ることが出来る予定とのことで、一般ユーザーにもメリットがある医療系仮想通貨といえます。6月時点での価格は、1 OMX=約12円で上場直後の仮想通貨としては一般的な価格帯といえますが、医療系仮想通貨ということもあり今後の価格変動に注目です。

AIと組み合わせた医療系仮想通貨NAM (ナム)コイン

MBS(マイクロブラッドサイエンス)コインとNAM (ナム)コインの購入時の注意点医療系仮想通貨の中でも注目されている通貨の1つが、NAM (ナム)コインです。2018年6月時点では上場していませんが、ICOセールが実施されていることもあり多くの仮想通貨が取り上げています。NAMコインとは、AIと医療業界を組み合わせた、医療系仮想通貨の中でも特に実現が難しいと言われるほど大きなテーマを立てています。つまり、AIで現在課題とされているあらゆる医療に関する事象を解決しようと、考えられているということで、そのプラットフォームがNAMコインになります。

例えば、NAMコインのAIによって定期的な問診を受ける事ができれば、体調に異変があっても仕事で忙しい方にとって便利なツールとなるでしょう。また、他にも電子カルテを作成できるところまで考えられています。つまり、医師と患者の診察のやりとりを全て記録し、そこから電子カルテを作成し医師の業務を効率化させる役割も担うことが想定されています。

また、他にも大きな特徴があり、NAMチェーンというブロックチェーンでは、患者の電子カルテを都度更新して、常に新しい情報で管理される点です。ですから、病院内のカルテではなく病院同士でネットワークが形成されて、患者がどの病院で受診しても共通の電子カルテを用いて診察することができることに繋がります。

医療系仮想通貨のICO購入時の注意点

ここまで医療系仮想通貨についていくつか分かりやすく説明してきましたが、仮想通貨投資初心者の中には、医療系仮想通貨の購入あるいはICOに参加したいと考える方もいるでしょう。他の仮想通貨と比較して、社会的意義のあるプロジェクトが多く価値の高さにも注目されます。しかし、ICOに参加する時は特に注意が必要です。それは、医療系仮想通貨ということで注目のジャンルなのですが、公式サイトからではないルートでICO購入を促して高額に売りつける事例もあります。

従って、ICOに参加する時は公式サイトから参加するように心がけましょう。仮想通貨のICOは正しいプロジェクトであれば、原則公式サイトがあります。