仮想通貨には様々な機能が実装されており、エンターテインメントを重視したり実用性を重視したりとコンセプトやアイデアも千差万別で見ているだけでも興味関心が湧く通貨ばかりです。しかし、仮想通貨投資初心者の中には、仮想通貨の通貨としての機能とプラットフォームとしての機能という別々の役割があることについて理解しにくいと感じる部分があるのではないでしょうか。また、一般的にテレビなどで紹介される際の仮想通貨についての紹介時には、通貨としての機能が強調されることが多くシステム的な特徴については、紹介されにくい傾向にあります。
従って、仮想通貨・トークンを活用したシステム作りに関しては、仮想通貨上級者や仮想通貨に精通した方達など限定された範囲でしか理解されていないことがあり、仮想通貨投資初心者が勉強しようと思ってもなかなか情報が見つからないです。そこで今回は、仮想通貨とゲームを連携させたGameCreditsの概要や特徴、仕組みなどについて紹介していきます。仮想通貨投資初心者も、今回の記事を読んでプラットフォームなどについて学んでみましょう。
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)の概要
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)は、2014年9月に上場された通貨で2017年のビットコインバブルが起きる前から流通されていました。従って、黎明期に開発された仮想通貨ともいえますが、2018年時点でも取引することが可能です。名称は、GameCreditsで日本語ではゲームクレジットと読みます。通貨単位はGAMEで2018年6月時点の価格は1GAME61円程になります。通貨発行上限枚数は、8400万枚と2017年・2018年に発行された新興仮想通貨と比較すると少ないですが、現在の所問題は起きていません。
取引承認方式はビットコインと同じ「PoW」(プルーフオブワークス)を採用しているので、マイニングとマイニング報酬が存在します。開発元はGameCredits Inc.で、主に仮想通貨市場ではなくゲーム市場をブロックチェーンと組み合わせた、最先端のゲーム市場を構築するような考えがあります。仮想通貨GameCreditsは、オンラインゲームのプラットフォームとして開発されたので、通貨としてよりゲームのシステムとして活用を想定しています。
従って後述でも紹介しますが、オンラインゲームのゲーム内通貨として用いることができるので、資産価値のある通貨をゲームで使うことが可能です。また、GameCreditsを使って安価にゲーム開発もできるということなので、ゲーム会社が導入する事例もあります。
GameCreditsが注目されている理由には、従来のゲーム内やゲーム購入の際の決済方法に手間が掛かることなど課題が残されていたからでした。既存のオンラインゲームで、ゲーム内通貨を追加しようとするとクレジットカード決済が主流なのですが、こちらの選択肢しかないことでクレジットカードを保有していない方は、新たに作る必要があったのでゲーム内通貨の使用を諦めることや、クレジットカードの手間が面倒で作らないといった事もありました。
そこで、GameCreditsが開発されたことによってクレジットカードを作らずとも、ゲーム内でアイテムが購入出来たりゲームを購入したりと手軽に利用できるようになりました。このように、従来のゲーム環境というのは手間が掛かる事も多く、人によってはクレジットカードの利用を敬遠してオンラインゲームを諦める事例もあったので、GameCreditsの登場によって利便性向上に繋がっているといえます。
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)の特徴
GameCredits(ゲームクレジット)の特徴1つ目は、ゲーム内通貨がGameCredits(ゲームクレジット)に置き換わることで現実の資産として活用できる点です。従来のオンラインゲームは、例えば日本円をクレジットカードから出金してゲーム内通貨に換金してアイテム購入などを行っていました。従って、実際の社会で使える通貨をゲームに利用している点では共通していますが、ゲーム内通貨を直接他のモノやサービス利用することができない側面もありました。
ですから、オンラインゲームでゲーム内通貨を増やしたとしても、そのゲームが法定通貨に戻すことができるゲームでない限り、ゲーム以外で使うことができませんでした。その点ameCreditsは、ゲーム内通貨として利用できることは勿論、日本円に換金できますしブロックチェーン上で運用されているので、ゲームが終了してもGameCreditsは消えません。また、ゲームが何らかの障害でデータが消失するといった、トラブルに見舞われたとしてもGameCreditsはブロックチェーン上にあるので消失しませんし、改ざんされるリスクも低いです。
2つ目はGameCreditsを導入しているゲーム同士であれば、GameCreditsの通貨を共通通貨として自由に利用できます。従来のオンラインゲームは、ゲームごとにゲーム内通貨が作られていたので互換性はなく、他のゲームに用いることはできませんでした。しかし、GameCreditsをプラットフォームとして開発したゲーム同士であれば、共通通貨でアイテム購入ができます。
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)のメリット・デメリット
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)のメリットですが、まず前述でも説明したようにGameCreditsを導入したゲーム同士にて共通通貨として利用することができる点があります。主にゲームユーザー向けのメリットで、わざわざ各ゲームでゲーム内通貨を用意する必要がないので、利便性向上に繋がり結果的にGameCreditsの普及拡大及び価格上昇にも繋がります。
2つ目は、ゲーム開発会社・チーム向けのメリットで、GameCreditsを使った課金システムがオープンにされているので、開発コストが浮くだけでなくスムーズな導入を可能にしています。従って、企業がGameCreditsを導入しやすい環境にしていることで、将来的な価値の上昇材料にもなります。
一方デメリットは、ホワイトペーパーが作成されていないという点があります。上場されたのが2014年の仮想通貨黎明期という事もあり、ホワイトペーパーの作成が為されていなかったことに繋がった可能性もあります。しかし、仮想通貨投資家が投資判断の材料や信頼性を確認する為に必要な、ホワイトペーパーが作成されていないことは、GameCreditsの普及拡大の大きな障壁となりえます。
続いては、開発が遅い点にあります。GameCreditsに限った話ではありませんが、それでも仮想通貨の開発遅延は、信頼性や購入判断に影響するので改善が必要でしょう。
仮想通貨GameCredits(ゲームクレジット)の相場
2018年6月時の価格は、1GAME=約61円で推移しています。過去の相場から分析すると、下落傾向もしくは低価格帯でレンジ相場を形成していると考えることができます。なぜなら、2018年1月に上場以来最高値の600円台を記録し、その後反落から下落基調で価格推移しているからです。
最近では、ICOプロジェクトを進めているMobileGoとの連携もしており、期待されている側面もあります。ちなみに、MobileGoとは、分散型のゲーム大会を構築するプラットフォームや、GameCredits同様にゲーム内アイテムの売買プラットフォームとして開発されているプロジェクトのことです。
こちらのICOが順調に進み、ゲーム大会などでGameCreditsが注目されれば再び上昇基調へと進む可能性もあります。仮想通貨GameCreditsの将来性は、前述の提携先のプロジェクトの進捗状況と、GameCredits自体の知名度向上がポイントでしょう。