「ICOの9割は詐欺である」といった言葉は非常に有名です。中国や韓国ではICOを禁止するに至り、アメリカでもICOに関してはかなり厳しい基準を設けています。それに多くのICOは上場すらできずにいることが、現状のようです。そんな中、世界次第の金融大国であるドバイ発の仮想通貨、AXEコイン(エグゼコイン)です。
詳しい説明はのちほどとして、ざっと説明するとAXEコインは人道支援を目的とした仮想通貨です。人道支援と聞くと響きは良いのですが、AXEコインには詐欺案件ではないか? という疑いもあるようですが、実際どうなのでしょうか。あまりうがった見方をせずにフラットな視線で説明していきます。
AXEコイン(エグゼコイン)とは
AXEコイン(エグゼコイン)は冒頭でも書いたように、「人道支援」を柱としているものですがその他にも「環境支援」、「技術開発支援」、「夢実現支援」、「医療支援」、「教育支援」、「動物支援」、「エネルギー支援」の計8つの支援を理念に活動をしていくようです。国連や100以上の団体から支援を行うことができるようです。さらに支援以外にも、タブレットを用いたアナログ市場の確保や、決済などでの利用も計画しています。そして7月にも取引所への上場の予定しているようです。
そしてもう一つAXEコインが大々的に行っているのがARです。AR技術というのは拡張現実という和訳され英語ではAugmented Realityといいます。代表的なのは一昨年大ヒットをしたポケモンGOです。ポケモンGOのように、現実の世界にデジタル情報を与え、CGなどで作った仮想現実を現実世界に反映させていくものがARです。
もう少し例をあげていくと、ドラゴンボールで出てきたスカウターや名探偵コナンの主人公江戸川コナンがしている、犯人追跡眼鏡がARを使用しています。よくVRと間違う方も多いですが、VRは仮想世界に入り込むものが目的なので、ゲームで使用されたりすることが多くなっています。
話しを戻して、AXEコインはARという技術と世界中ECサイトと連携をしていくことで集客を行う事も考えています。ECサイトとはElectronic Commerce(電子取引)という意味でパソコンやスマホなどから注文を行うことができる商取引のことです。実際AXEコインは今後、株式会社ワンワールドが経営をしている「Touch mall」でAXEコインを使って買い物ができるようになることになっています。
支援系のコインで有名なのは、日本ではNOAHコイン(ノアコイン)が有名です。NOAHコインは、昨年公表されたICOでフィリピンの社会問題を解決し、経済成長を支援する。という題目でした。しかし、フィリピン大使館の公式な無関係宣言やフィリピン内の大企業からの無関係ということが判明してしまい、プロジェクトの一時停止と延期、返金を希望した支援者への返金を開始することになってしまいました。
AXEコインとNOAHコインを一緒にしてしまうのはかなり強引かもしれません。しかし支援系コインはNOAHコインのような事例も出てきてしまっているので、注意が必要です。
AXEコイン(エグゼコイン)の特徴
AXEコイン(エグゼコイン)はEthereum(イーサリアム)をベースにして作られているので、スマートコントラクトというイーサリアムを代表する機能を実装しています。スマートコントラクトとは、『賢い契約』などと訳され、ブロックチェーン上に契約を記載し、契約条件が満たされたら自動的に契約が結ばれるようになっている技術のことです。さらにステートチャネル・オフチェーンという技術を採用していることもあり送金手数料がかからないという非常に強い特徴をもっています。
発行枚数は100億枚と比較的多めに発行されます。買い物等で使用することも考えられているので、枚数を多く発行することで価格の流動性というよりは安定性に重点を置いたのでしょう。
SEFICO財団とは
冒頭でも書いたようにSEFICO財団はドバイの財団とのことですが、Dragon-Coinのホームページによると、SEFICO財団はスイスに本拠地があると公表しています。しかしAXEコインを紹介する動画ではやはりSEFICO財団はドバイの財団に拠点があるとのこと。正直どちらを信じてよいのか分かりません。もちろん本拠地がスイスにあろうとドバイにあろうと、コインの信ぴょう性とはあまり関係ないかもしれません。
しかし、ICOの多くは信ぴょう性の低いものです。現在は投資家側もICOに関しては相当警戒している方が多いので、このような小さい点でも疑いの目をかける要因の一つになってしまっているのでしょう。
SEFICO財団と関係の深い人物
AXEコインは日本人で唯一SEFICO財団理事である高橋幸輝氏とモーリシャス財団創設者であるジョシュア・ハーレー氏が中心になっていることで知られています。このAXEコインに関して中心人物の2人を紹介していきます。
高橋幸輝氏 最終学歴は南カルフォルニア大学卒業で、株式会社ワンワールド、アクアバンク、シュウウエムラ三つの会社の顧問、ビジョンスタジオジャパンの取締役をしています。国際通貨基金(IMF)エコノミストとしてアジア通貨危機における政策提言をしています。日本経済調査協議会、医療システム研究会、日本国債ファーラム個人正会員など多数所属団体に属し、「できる人の人脈力のつくり方」、「モチベーション:ビジョンと管理の整理術」など多数を出版しています。そして株式会社ワンワールドとグループ企業のSakura world holdings Ltd.の社外取締役にも就任しています。
ただ高橋幸輝氏に関してはざっと調べてみた感じでは、やましいようなところはありませんでした。しかし例えば、日本経済調査協議会は企業、団体、研究機関などではないと入会できないことになっています。高橋幸輝氏が顧問または、取締役をしている企業の名は名簿に載っていなかったことから、実際のところどうなのか分かりません。
ジョシュア・ハーレー FORTUNE誌が選んだ12兆ドルもの売り上げを誇る500社、その170社との提携を実現させたのがジョシュア・ハーレー氏だと紹介されています。ただ、ジョシュア・ハーレー氏のTwitterフォロワー数が169人と異常なほど少ないこと、ホームページではMauritius Ethereum AllianceがEnterprise Ethereum Allianceに参加させるために設立させたこと、170社との提携をしているのが、実はEnterprise Ethereum Allianceだったことなど、かなり勘違いを誘導させやすい内容になっていることなど、かなり疑惑の目が向けられている人物です。
Enterprise Ethereum Allianceとはイーサリアム企業連合のことです。現在参加企業数は289社で昨年トヨタ自動車や三菱UFJ銀行など日本でも著名な企業が加入したことで、一気に有名になりました。
エアドロップも行っている最中!
まずエアドロップとは簡単に説明をすると、無料で仮想通貨が貰えるというものです。配布側は知名度やサービスの普及のために行います。ユーザーのメリットは、無料で貰えること、上場し価値が上がれば高値で売ることができます。
ただエアドロップにもデメリットがあります。個人情報を登録しないといけない場合、相手に知れ渡ってしまうこと。秘密鍵など不要な情報の入力を進められてしまう。
以上2つがエアドロップに関してのデメリットです。なので、無料だからといって何でもかんでも飛びつくと痛い目に合ってしまうので注意が必要です。
そしてこのAXEコインでも5月30日までエアドロップを行っています。貰える仮想通貨は100枚で4,500円相当になります。かなりお得な気はしますが個人的には自分もAXEコインのエアドロップは避けるべきだろうと思っています。理由は本社がドバイなのかスイスなのか分からない事、中心となっている人が怪しい事、ホームページをみても紛らわしいことが書いてある事、さらにホワイトペーパーが完全にパクリだと判明しているといった、疑惑非常に多いことがあげられます。
「エアドロップだけなら」って考える方もいるかもしれませんが、メールアドレスだけではなく電話番号やLINE登録までしないといけないなどかなり個人情報の開示を請求されてしまいます。結果的に自分の個人情報がどこかに流れてしまう可能性が非常に高くなってしまいます。よってこのエアドロップは個人的には止めておくべきだと思っています。