子供がなりたい職業ランキングに『you tuber』という新しい職種がランクインしたのは、非常に話題になりました。そして昨今日本でも『プロゲーマ―』という、新しい職業に焦点が当たってきています。そんな中、プロゲーマーならずとも、一般の人がゲームでお金(仮想通貨)を稼ぐことができるという、新しいゲームアプリが誕生してきています。ただ、まだまだ技術的には難しく、リリースされている数は多くはありません。しかし現在多くの企業がこのようなゲームアプリを開発中で、今後新風を巻き起こすのは確実だといわれています。

仮想通貨を使ったゲームとは

主にイーサリアムやネオといったような、DApps(Decentralized Applications、分散型アプリケーション)を実装している仮想通貨が主となります。DAppsとはどのよなものなのかは、後程説明していきます。ゲーム内で、イーサリアムなどDAppsに対応している仮想通貨とゲーム内の通貨を交換し、ゲームに参加をするというのが仮想通貨を使ったゲームです。

ゲーム内で仮想通貨を貰える条件として、ゲームの攻略や育てたキャラクターを他のプレイヤーと交換したりすることで、仮想通貨を得られる仕組みになっています。手に入れた仮想通貨は取引所へ送金し、売却することで日本円またはビットコインなどに返還することができます。

ブロックチェーンとは

DAppsの説明の前にブロックチェーンとはどのようなものかを説明しないといけません。昨今、ブロックチェーンの技術は様々な国家の代表、もしくは企業のトップや知識人などが賛否を論じています。ブロックチェーンというものを一言で表してしまうと『中央の管理者がいない情報の保管と管理システム』です。といっても分からない人も多いかと思いますので、例をだして説明していきます。

現在の多くのサービスは全てといってもいいほど、中央集権的なシステムとなっています。中央集権的なシステムというのは例えば、何かを調べる際に使用するGoogleも動画を見たいときにアクセスするyou tubeも、全てはそれぞれのサービスを運営している人が全ての実権を握っています。従って、Googleもyou tubeも「決めたルールに従えないヤツは使わなくていいよ」ということになっています。

さらに中央集権的なシステムの最大のデメリットに、ハッキングに対して非常に脆いという点があげられます。なぜならば、サービスを提供しているサーバーがアタックされてしまうと、全ての顧客データーなどを奪い取られてしますからです。Coincheckのハッキング事件も中央集権的なことが招いた結果といってもよいでしょう。

では逆にブロックチェ―ンがどのようなものかと言いますと、ブロックチェーンのブロックとは一定期間内にあった取引の塊を示しています。そしてチェーンとは、ブロックを繋いでいくチェーンになります。ブロックチェーンはシステム上データー改ざんなどできないようになっているだけではなく、中央集権的なシステムの弱点でもあるハッキングにも、P2Pというサーバーを介さずにデーターのやり取りを行う技術を使用しているため、非常に強くなっています。

DAppsの定義

ブロックチェーンとP2Pを兼ね備えていれば、DAppsになるのか、というとそういうわけではありません。DAppsかどうかは、明確な定義というものがあります。以下DAppsに投資をするDavid JohnstonのVCファンドの定義です。

・アプリケーションがオープンソースであるかどうか。 オペレーションが自動で、中央のコントロールに主体をもたない。トークン(通貨)、データー、レコードなどにつき、暗号化されたブロックチェーンを使用。

・トークンを利用していること。 流通可能な暗号トークンをもち、アプリケーションを利用の際にはトークンを利用すること。その参加者にはそのトークンによって報酬が支払われなければならない。

・ユーザーの合意の元での改善 アプリケーションはマーケットやユーザーからの改善要求のもとプロトコルを改善していく。

以上3つの定義を備えたものをDAppsとされています。

DAppsを使ったゲームのメリットとデメリット

非常に画期的なDAppsという技術ですが、ハッキングに強いという事以外にも、メリットはあるのでしょうか。またデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

・DAppsのメリット

① ゲーム内の通貨を仮想通貨に換金。

② 仮にゲームがなくなったとしても、ゲーム内の資産が残る。

③ アイテムなどゲーム内で手に入れたものをユーザー同士で売買が可能。

このように、従来のゲームではできなかった事ができるようになったのがDAppsの良い所です。

・DAppsデメリット

① スケーラビリティ問題。 スケーラビリティ問題とは取引量が増大することで、取引に時間がかかってしまう可能性が高くなってしまうことをいいます。コンピューターの処理速度のことを考えると、中央集権型のほうに安定感があります。

② 手数料が割高なこと。 DAppsはゲームをプレイするユーザーが増えれば増えるほど、取引実行するのに、手数料がかかってしまうというデメリットがあります。

仮想通貨を使ったゲームアプリの種類

現在多くの企業が仮想通貨ゲームアプリを開発中仮想通貨を使ったゲームというのは、まだあまり種類はありませんがその中でも、人気のあるものを紹介していきます。

・Etheremon(イーサエモン) おそらく仮想通貨を使ったゲームでは一番といっても有名なゲームです。イーサエモンのキャラクターをみると、ポケモンに出てくるモンスターにどことなく似ていることが特徴です。イーサエモンのゲーム内容は、モンスターを捕まえ、進化させたり、相手プレイヤーと戦わったりする、ゲームです。まさにポケモンのようなゲームだと思ってもらえると分かり易いのではないでしょうか。

・ETH.TOWN(イーサタウン) 一言でいってしますと、バーチャル不動産投資のゲームです。クリプトタワー内のフロアを購入し、フロアで収益を上げたり、フロアの売買をしたりして稼ぐというものです。3月15日からゲーム内で使用するヒーロー(ゲーム内で様々な手助けをしてくれる存在)を買う事のセールをしていました。

・Crypto Saga(クリプトサーガ)RPGゲームで、カードを購入しチームを作ります。作ったチームをアリーナで戦わせたり、ダンジョンの探索やギルドを作ったりすることができます。オークションで自分のキャラクターを売ったり、欲しいキャラクターを購入したりすることができます。

これからリリース予定の大注目のゲームを紹介

・BitHunters(ビットハンターズ) このゲームは「日常を冒険に!」というコンセプトのもと、実世界を歩きゲームを進めていくという、スマホゲームとなっています。特徴はスマートフォンを使用することとAR(拡張現実)というポケモンGOと同じ位置情報を使ったゲームです。外を歩いているとモンスターが出てきて、倒すと経験値が手に入り、自分のキャラクターを強化できます。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーのようなゲーム性だと思ってもらうと分かり易いかと思います。

そして歩くことでトークン(通貨)を手に入れられることから、すでに神戸市と協働で「意識せずに健康行動が習慣化される仕掛けづくり」の実証実験が行われています。2018年の春にリリース予定のようですが、現在のところリリースはされていません。いつリリースされるかは不明ですが、延期になるような話も出てきていないので、そろそろリリースされてもいいのではないかと推測しています。