仮想通貨投資を始めたばかりの初心者にとっては、これが持つ様々な機能や利便性・課題についてまだ知らないことが多数あるでしょう。また、投資のみに集中している人の中にも、あまり送金サービスや決済、プラットフォームなど他のシステムやサービスについて興味がないままでいることもあります。単純に投資で収益を出すということだけを考えるのであれば、送金手段などについては材料になる情報以外は知らなくても問題ない場合が多いです。
しかし折角仮想通貨という画期的で新しい貨幣・ツールを利用する手段を手に入れたのですから、投資に以外にも様々なサービスについて積極的に知ってみるのも生活に役立つことがありますよ。また、最近では国際送金は全て仮想通貨で行うという、投資家も現れているので初心者の方の中に海外への国際送金サービスについて無頓着である場合は便利なサービスを見落としているといえるでしょうし、投資家もそのようなサービスを知るべきです。
そこで、仮想通貨の国際送金サービスについて、また、機能や送金の仕組みなど様々な国際送金サービスに関係する事を紹介します。
仮想通貨の機能
仮想通貨に興味関心がある、もしくは投資を始めたばかりに初心者の方達にとっては未知の分野に見えるでしょう。それもそのはずで、これまで電子マネーなどそれに近いサービスはあったものの、通貨としての機能を持ちつつも実体を持たないデジタルなお金が急に現れれば抵抗感もあるでしょう。
しかし、抵抗感を持ち続けるよりも受け入れて仮想通貨についてよく知ってみた方が、新しい価値観に出会える事もあります。まずは国際送金サービスの前に、この機能について簡単にまとめていきます。仮想通貨とは文字通り実体を持たない通貨のことで、暗号通貨などとも呼ばれています。
そして、その機能というのはモノやサービスを購入する際の決済手段を利用するユーザー同士の送金、そして取引所や販売所を使っての売買・投資、更にブロックチェーン技術などを活用したアプリケーションやプラットフォームのシステムとして活用されるなど様々な機能があります。
そして投資初心者が良く知っているのは、3つ目の投資・売買ではないでしょうか。また、一般的なイメージとしても投資対象・商品としての印象強く残っている為、特に送金サービスの利便性や4つ目のシステム関連の機能について知られていないことが多いです。
そもそも、投資が成立しているのは、通貨としての機能が存在しているからでもあり投資ができるのは副産物とも考えることができます。
投資家以外の方も利用している仮想通貨ですが、今回は送金サービスについての機能を基本から説明します。まず、仮想通貨はブロックチェーン技術によって成り立っていまして、これによって非中央集権且つ世界中で通貨が共通に使うことができる要因です。ブロックチェーンは中央サーバと違って、管理専用のサーバはありませんがその代わりに利用する人の端末を接続して、ネットワークを形成しています。そして、そのネットワークのおかげで非中央集権のシステムが維持され、尚且つ世界中の利用者同士で国際間取引することが可能となりました。
国際送金に仮想通貨を使うメリット・デメリット
国際送金に仮想通貨を使うメリットは、まず手間が掛からない事にあります。通常の国際送金は金融機関や仲介会社を通すので、国際送金が完了するまでに様々な手続きや特定の国では制限もあるので時間が掛かります。しかし、仮想通貨を利用しているユーザー同士であれば、世界中どこでも国際送金処理が可能なので国による制限がありません。
次のメリットは国際送金手数料が安い点にあります。通常の国際送金処理であれば、仲介会社や銀行、クレジットカードなどを経由するので都度手数料がかさみます。その点についても仮想通貨であれば、国際送金手数料を抑える事が可能です。なぜなら、仲介会社がないのでその分コストが浮きます。
続いてのメリットは国際送金のスピードについてですが、これについては各通貨の規格によって変わるので、一概に早いとは言いきれない部分があります。ただ、ビットコインの通常の送金スピードは約10分ですので、金融機関から国際送金する場合と比較して早いといえます。
デメリットについては、まず、必ず利用している環境でなければならないことです。当たり前ですが、仮想通貨を国際送金する側も受け取る側も利用していなければ、お互い国際送金サービスの利用ができません。その為に取引所への口座開設やウォレットの準備などが必要になります。
次は、国際送金のスピードに関する課題ですが、メリットでも説明したように仮想通貨の送金スピードは通貨によって違いますし、混雑状況によっても変わるので一概に早いといえない部分もあります。また、代表的なものと言えばビットコインですが、1回の取引承認時間は10分です。しかし、取引承認要求をするユーザーが多ければ多い程、待機状態のユーザーが増えて取引承認時間が長くなる場合もあります。
国際送金に適している仮想通貨
初心者からすると、全ての通貨は国際送金をスピーディに処理することができると考えているでしょう。確かに、一般的な金融機関を利用する場合と比較すると、国際送金処理が早いといえます。しかし、この中にも特に国際送金処理に適した通貨があることを知っておけば、国際送金が必要な際に効率よく国際送金ができるようになります。
仮想通貨投資家の中で国際送金の処理に適していると、評価されている仮想通貨といえばリップルです。ビットコインの送金時間は10分から数時間といわれていましたが、リップルはおよそ4秒で送金処理が完了するので非常に早いと多くのユーザーが利用しています。また、リップルが国際送金に適しているのは時間だけではありません。1秒あたりの取引量が1500件と大容量といえる処理能力にも注目で、ちなみにビットコインは1秒あたり数件ですので優れた処理能力が分かるでしょう。
企業の仮想通貨を使った国際送金サービス
最近では企業も従来の国際送金サービスでは競争できないと考える事例が増えたのか、仮想通貨を使った国際送金サービスを発表する事例も出てきました。代表的な出来事では、2018年に三菱UFJフィナンシャルグループと三菱商事が、仮想通貨を使った国際送金サービスの実証実験を始める趣旨を発表しました。
また、国際送金のシステムにはアメリカリップル社のブロックチェーン技術を使って開発する予定で、国際送金時間の短縮・国際送金コストの低価格化を目指しています。
アルゼンチンの銀行が仮想通貨を使った国際送金サービスを開始
世界初の国際送金サービスも実現しました。2018年、アルゼンチンでは民間銀行のバンコ・マスベンタスが、ベンチャー企業のBitex(ビテックス)と提携してビットコインを使った国際送金サービスを始めると発表しました。民間銀行がビットコイン・ブロックチェーン技術を使った、国際送金サービスの導入は世界初のことです。
そして、他にもアメリカリップル社が事業展開している、企業向け国際送金サービスRipple Netに中東オマーンのドファール銀行が参入することが発表されました。リップルの国際送金サービスを使った金融機関は100以上あるとされており、今後も続々と金融機関がリップルを活用した国際送金を手がけることが期待されています。