仮想通貨投資を始めてある程度慣れてくると、他の仮想通貨取引所にも関心が湧いてくることがあるでしょう。国内の仮想通貨取引所といえば、ビットフライヤーやザイフといった取引所が有名ですが、2018年6月に新たな国内仮想通貨取引所が開設・サービス開始となったことをご存知でしょうか。
その仮想通貨取引所とは、SBIバーチャルカレンシーズという取引所です。仮想通貨から投資について勉強し始めた初心者の方は、知らない可能性もありますが株式投資経験者であれば1度は聞いたことのあるグループ企業が運営しています。それは、SBI証券で有名なSBIグループが設立した会社です。
SBI証券は、主に株式・為替・ETFなど証券会社として、国内大手の企業です。そのSBIグループが2018年6月に仮想通貨取引所のサービスを開始したという事で、仮想通貨投資家などが注目しています。そこで今回は、仮想通貨取引所に関心のある仮想通貨投資家に向けて、SBIグループ100%出資企業SBIバーチャルカレンシーズ株式会社と、SBIバーチャルカレンシーズ仮想通貨取引所の概要や特徴について紹介します。
SBIバーチャルカレンシーズとは仮想通貨取引所
SBIバーチャルカレンシーズ株式会社とは、SBIグループ100%出資した子会社で2016年11月1日に設立されました。仮想通貨バブルが起きる前に設立した企業ですので、早い時期からSBIグループが仮想通貨事業について力を入れていたことが分かります。
続いて概要を説明しますが、事業内容は冒頭でも説明したように、仮想通貨の交換・取引のサービス・システム提供です。つまり、仮想通貨取引所の運営・管理事業ということになります。また、仮想通貨交換業者として登録済みですので、正式に認められた仮想通貨取引所です。
本格的なサービス開始は、会社設立から約2年後の2018年6月4日で、これにはコインチェック事件や事前準備等でサービス提供開始時期を慎重に見定めていたということのようです。
続いてサービス内容についてですが、取引時間は7時~翌日の6時までとなり取引・入金手数料は無料です。なお、出金手数料は住信SBIネット銀行へ出金する場合、一律51円ですが他の金融機関へ出金する場合は出金額3万円未満は165円・出金額3万円以上は258円となるので、住信SBIネット銀行を利用する方が出金手数料を抑える事ができます。
取り扱っている仮想通貨は、
・ビットコイン
・リップル
・ビットコインキャッシュ
の3種類となっており、他の仮想通貨取引所よりも少ないと感じるかもしれませんが、サービス開始から日が浅いので、今後更に追加されるでしょう。
続いて注文方法は、ビットコイン、リップル、ビットコインキャッシュそれぞれの通貨と日本円のペアで設定されています。つまりビットコイン/円、リップル/円、ビットコインキャッシュ/円といった通貨ペアで注文することになります。
日本円での取引可能金額は、500円~500万円ですので、少額投資から始めたい仮想通貨初心者にも使いやすいといえるでしょう。また、仮想通貨側の取引数量は、
・ビットコイン:0,0001~5BTCまで
・ビットコインキャッシュ:0,0001~40BTH
・リップル:10~70,000XRP
の範囲内で注文数を決める事ができます。
また、注文の種類は指値注文と成り行き注文の2つから選ぶことができ、2018年6月21時点では現物取引のみとなっています。指値注文とは、ユーザーが注文価格を指定して、その価格で売りたいと思うユーザーがいた場合に約定されます。対して、成り行き注文は現在の取引価格よりも高い価格になりますが、注文後にすぐ約定される為取引を早く成立させたい人向けの注文です。
SBIバーチャルカレンシーズの場合、成り行き注文時の買い・売り価格の目安についても公式サイトで紹介されており、買い注文の場合は提示されている価格に1.05掛けた価格で購入します。そして、売り注文の場合は、提示されている価格に0.95掛けた価格で売却します。また、指値注文の時は、それぞれの仮想通貨を日本円に直して注文する方式をとっています。
したがって、ビットコインとの取引は1円単位での注文、ビットコインキャッシュとの取引も1円単位での注文、リップルとの取引は0,1円単位になります。ですので、リップルを注文する時は、0,1円単位での注文価格まで指定できます。
SBIバーチャルカレンシーズ仮想通貨取引所の特徴
SBIバーチャルカレンシーズの特徴は、まず仮想通貨取引所として運営していますが販売所方式での取引システムを構築している点でしょう。ここで、取引所と販売所の違いについて簡単に説明します。仮想通貨には、取引所と販売所という2つの方式で取引が交わされています。
取引所というのは、普段多くの仮想通貨投資家が利用している方式で、業者は市場を提供しますがユーザーの取引する相手は同じくユーザーになります。すなわち、取引所は仮想通貨を売買したいユーザー同士の市場を提供するスタイルです。
続いて、販売所とはユーザーが仮想通貨を売買する市場を提供する点で共通していますが、業者が仮想通貨の価格を設定して、ユーザーと売買を行います。たとえて説明すると、店主が業者で利用者が投資家です。ですので、仮想通貨という商品の販売や買い戻しを業者がおこなっているということです。
どちらもユーザーにとって、メリット・デメリットはありますが多くの仮想通貨取引所は取引所方式で運営しています。それに対して、SBIバーチャルカレンシーズは販売所方式を採用しており、販売所の場合はスプレッドがあります。
スプレッドというのは、買値と売値の価格差のことで例えば買い値が1BTC110円で、売り値が1BTC90円というように、同時刻での提示価格が買いと売りで違います。従って、仮想通貨投資家にとっては買いと売りの時に、スプレッド分の損失からスタートするということになります。これは、デメリットととらえられますが、販売所形式の場合は取引相手が業者ですので注文してから即約定となるメリットもあります。
また、スプレッドの設定は、各業者が自由に設定できる為、中にはスプレッド差を大きくすることで利益幅を大きくしようとする業者もいました。しかし、SBIバーチャルカレンシーズは、業界最低水準を目指してスプレッドを設定するということですので、ユーザーにとって取引しやすいでしょう。また、前述でも触れたように、現時点で買い値が提示価格の1,05倍、売り値が提示価格の0,95倍とスプレッド差が小さいので初心者でも取引しやすい環境となっています。
次の特徴は、取引手数料が無料という点です。仮想通貨投資家初心者は、手数料コストについて実感がないかもしれませんが、デイトレーダーなど高い頻度で取引を行っていると取引手数料コストの差で、利益幅に影響がでます。従って、SBIバーチャルカレンシーズの、取引手数料無料は仮想通貨投資家にとってメリットとなる材料です。
SBIバーチャルカレンシーズ仮想通貨取引所の利用方法
2018年6月21日時点では、SBIバーチャルカレンシーズの一般登録サービスは開始していません。従って、2017年頃から行っていた先行登録者のみが取引可能な状況となっています。また、一般登録受付は、7月頃を予定しているということなので、SBIバーチャルカレンシーズで取引したい方は7月頃まで待ちましょう。
また、登録方法も一般登録受付開始後に、公式サイトから情報公開される可能性が高いので、こちらも7月以降まで待つこととなります。ただし、一般的には口座開設に必要な情報と手続きの流れは、どの取引所でも共通点が多いので事前に他の取引所から参考にしておくとよいでしょう。
ちなみにですが、一般的には、メールアドレスとパスワード設定ののち、個人情報・本人確認の申請・審査があり、審査に通過後に正式登録となります。また、SBIバーチャルカレンシーズの公式サイトでは、セキュリティ対策として、二段階認証機能も実装している情報が公開されています。ですので、今後口座開設をされた方は、二段階認証を行うように心がけましょう。