仮想通貨ビットコインでの決済が増えることを想定して、政府は2016年3月に通称「仮想通貨法」を定め、取引所を登録制にすることで安全性を高めています。ビットコインでの買い物と送金決済のサービスについて、確認してみましょう。
ビットコインを利用できる実店舗
アメリカではすでにスターバックスコーヒーの店頭、ディスカウントストアのウォールマート、スーパーマーケットのターゲット、ネット通販のイーベイなどでビットコインを利用できるになっています。しかし、国内では現在、4,000店舗程度の利用にとどまっています。ただし、今後はビットコインを利用できる実店舗が増える兆しが出てきています。
「Bitcoinでお買い物」(http://btcec.net)は、国内サイトで、オンライン上のショッピングサイトを中心に、リアル店舗の買い物にも仮想通貨Bitcoin決済が使えます。ただし、リアル店舗の場合は、銀座高島屋、コレド室町など、使える店が限定されるので、注意が必要です。また「Bitcoinでお買い物」は、高めの手数料がかかります。「Bitcoinでお買い物」は国内だけではなく、海外配送にも対応しているので、外国人旅行者にはメリットがあるでしょう。購入の前に見積もりが取れるので、その上で検討しましょう。
そして、六本木のレストラン「The Pink Cow」です。仮想通貨Bitcoinが利用できる店舗は、レストランやバーが多いのですが、「The Pink Cow」は、日本ではじめてBitcoinで決済できる店舗として知られることになったレストランです。いまでも、Bitcoinの集まりなどに使われています。おなじ六本木にある「Hackers Bar」もビットコイン・ユーザーに人気のバーです。両方共、ビットコイン・ユーザーなら、行ってみてもよいでしょう。
家電業界では、大手小売のビックカメラにおいて、「ビックカメラ有楽町店」と「ビックロ ビックカメラ新宿東口店」でビットコインによる決済サービスを開始しました。ここでは仮想通貨取引所であるbitFlyerのシステムを利用します。すでに、ビックカメラ有楽町店では、日本全国の交通系電子マネーのほかに、中国アリババの「Alipay」、テンセントのApple Payの決済サービスを提供しています。また、リクルートライフスタイルは、タブレットを用いたPOSレジアプリのAirレジを利用する店舗が希望すれば、ビットコインでの支払いができるようになります。そして、リクルート加盟店とビックカメラでの導入により、Airレジを利用する店舗が26万店舗になる予定です。
Suicaが38万店舗、Edyが47万店舗なので、追いつく勢いにあるといえます。世界におけるビットコイン利用者は2,000万人を超えているといわれています。今までは、投資目的でビットコインを利用する人が大半でした。しかし、ビットコインを持つことで、海外への渡航の際も外貨への両替が不要となり、スマホなどの端末で、自分のビットコイン口座から支払いができるようになります。
ビットコインを利用するサービス
規制改革により、ビットコインで公共料金の支払いができるケースも出てきています。昨年の4月から電力の小売り自由化が決まり、三ツ輪産業などの新電力会社はビットコインによる電気代金の支払いを開始しています。また、今年の4月からはガスの小売自由化が決まり、このサービスも仮想通貨Bitcoinによる支払いができる可能性もあります。
そして、Bitcoin決済が使えないような店でもBitcoin決済を可能にするようなサービスも存在します。バンドルカードやWireのようなサービスでは、仮想通貨Bitcoinを円やドルなど既存通貨に両替してチャージし、プリペイドカードとして利用できます。これらのカードを利用すれば、クレジットカードを使うことが出来る場所であれば、ビットコインで支払いができることになります。これは、利用の幅を広げる大きなポイントとなるといえます。
また、ビットコインはamazon内においてギフト券に換えることも可能です。amazonがいろんな工夫をしてビットコインの本格導入を行っています。これは、ビットコインの仮想通貨としての利用価値に目をつけているのではないといえます。料金の受取方式の観点からは、ビットコインを導入するメリットは薄いでしょう。現金のみの決済のほうが、セキュリティコストを余分に費やす必要もなく、顧客データの管理も容易になります。しかし、amazonがビットコインを取り入れようとしているのは、仮想通貨の将来性を信じている証であるといえます。発展途上国においても、生活に根ざしたインフラとして機能する可能性を持っています。よって、ビットコイン決済を受け入れることはそうした国におけるビジネスチャンスの拡大にもつながります
ビットコインによる送金サービス
ビットコインの利用は投資や買い物だけではありません。ビットコインによる送金サービスも注目されています。取引所で購入したビットコインはそのままでは利用することができません。自分のウォレットにビットコインを入れる必要があります。自分のアカウントのメニューから送金を選択することで、自分の入れたいウォレットのビットコインアドレスを指定することで送金が可能になります。
ビットコインを利用すると、海外への送金が低コストで行えるのがメリットです。たとえば、海外に留学している子供に生活費を送金すると、数千円の手数料がかかり、着金まで4営業日前後を要します。しかし、ビットコインであれば、リアルタイムで送金でき、手数料はほぼ無料です。そして、銀行に行かなくても、自宅のPCから簡単に手続きを行うことができます。ビットコインを受け取る側も自宅のPCで受け取ったビットコインを仮想通貨取引所で売却して、現地の通貨に換えて、現地の口座に出金することができます。また、ビットコインは購入に対する消費税が撤廃されました。よって、消費者はビットコインによる決済を今までより安くできるようになりました。
ビットコインと法定通貨の送金の比較
通常の銀行振込による手数料には消費税が課税されるので、かなりのメリットがあるといえます。そして、事業者はビットコインの売買によって発生した消費税の納入をしなくて済むようになり、その分のコストカットができます。消費者と事業者の双方がより安く、簡単にビットコインを利用できる環境が国内においても出来上がってきているといえます。さらに、給料などがビットコインで支払われるようになると、大幅な両替手数料の節約をすることもできるでしょう。
ビットコインを使えばアメリカのECサイトでも他の国のサービスでも両替することなく支払いをすることができ、海外の通販サイトを利用する方や、複数の国を行き来する方にはかなりメリットが大きいと考えられます。
ビットコインと法定通貨の送金の違いは以下のようになります。
ビットコインの日常への浸透
ビットコインは国内においては、投資目的で所有している人が多いのが現状でしょう。しかし、ビットコインはSuicaやクレジットカードと同じように買い物にも利用ができます。また、送金決済においても、優れた機能を持っています。この点は類似する金とは異なる点です。昔は電子マネーも普及するかどうか未知数でしたが、現在は当然のように利用する人が増えています。ビットコインもそのような時が来るのは、時間の問題でしょう。